アシッドさん作 『 みだらなけもの 』


「なんかすごい慣れてるじゃん。実は結構遊んでる?上から触ってもらっただけでもうこんなにカチカチになっちっゃたよ」
男はそういうとズボンとパンツを脱いで立ち上がると巫女の顔の前に硬くそそり立つ肉棒を近づけた。
今まで散々見たモノに比べて大きさは小さいが、形はそう変わらない。
しかし、今まで相手にしてきたモノとは違う感情がわきあがってきている。
それは愛おしいという感情。
今まででは決して湧き上がってこなかったものだ。
そして、それと同時にゾクゾクした悦びが背筋を走るのが分かる。
流れでなったとはいえ、自分でしてもいいと思った相手の、それも優しく、そして気持ちよくしてくれる男のモノ。
技や術のような強引な快楽ではない、自分も楽しみ、相手も楽しませてくれる快楽。
それが巫女の身体だけでなく、心さえも蕩けさているかのようだった。
「あ、遊んでないわよ…」
思わずそう答えてしまうものの、経験は多分豊富だし、テクニックだって多分その辺のプロに負けないだろうことは巫女自分でも分かっている。
だから、言葉に詰まる。
「ふうん。まぁいいか。でも少し手でしてもらっただけでもうビンビンだよ」
そう言いながら男が腰を押し付けてくる。肉棒が巫女の頬に当たる。
あ、すごく熱い…。それに…硬い…。
そんなことを思いつつも、当たり前のように口を開くと肉棒を咥え込んだ。
そして、そうすることが当たり前のように奉仕を始める巫女。
口を、舌を夢中で動かし、肉棒に快楽を提供する行為。
今までならそれだけの事で、いままでと同じような屈辱的な行為。
なのに、巫女の身体の奥からは、電気が走ったかのような刺激が走る。
それは奉仕する悦び。そして、男に尽くす女の悦びといっていいだろう。
それによって身体が、心が満たされていく。
ああ、もっとしなくちゃ…。ううんっ、違う…もっとしたい…。もっと悦んでもらいたい。
そんな思いが巫女をいっぱいにし、行為に拍車をかけ夢中にさせていく。
「くっ…。うますぎだよ…。やばいっ…やばいって…」
腰をガクガクさせながら男が情けない声をあげる。
だが、それさえも愛おしい。それどころか、そんなに悦んでもらえている。
その思いがますます行為を激しくさせていく。
「あっダメだっ…」
そんな言葉が男の口から漏れ、腰を巫女の口のほうにより強く押し付け、びくびくと震える。
あっ…出るっ…精液…出るっ…。
今まで経験から巫女は簡単に分かった。
そして、今までならなんとか口を離そうとしただろう。
精液なんて、口に入れたくない。あんなモノなんて…。
その思いが強いはずだった。
だが、無意識のうちに選択したのは反対のことだ。
口は離さない。それどころかより深くくわえ込む。
精液を飲んであげたい。いや違う…。飲みたいの…。私、精液飲みたいの…。
今まで考えてこなかった選択肢。
なぜなんだろう…。
そんなことを思うまもなく勢いよく口の中に吐き出される白濁の液体。
口の中が精液で満たされていく感覚。
どろりとした感触が流れ込んでいく。
決して美味しいとは思えない味なのに、なぜか巫女は美味しいと思ってしまう。
それと同時に、安心感、悦び、満たされていく充実感。そして、それだけ男を満足させたという女の喜び。
そんなものが掻き回され巫女の身体に染み渡っていく。
口の中いっぱいになり、それでも吐き出される液体。
咽そうになりながらも巫女は躊躇なく喉を鳴らして飲み干していく。
ごくりっ。ごくりっ。
肉棒が段々と柔らかくなっていくのが分かるが、口は離さない。
そのまま、精液を飲み込みつつ、舐めあげきれいにしていく。
それが当たり前のように。
その行為に柔らかくなっていく肉棒が、再び硬く、熱くなっていくのがわかる。
「すげえよ…。こんなに気持ちよかったのは初めてだよ…。それに…口と舌できれいにしてくれるなんて初めて…」
男の震えるような悦びの声。
それがすごく気持ちよく、満足感が巫女を満たしていく。
「すごくおいしかった…」
後始末をしながら自然とそんな言葉さえ出てしまう。
その言葉に、男がうれしそうな表情を浮かべる。
ああんっ、かわいいっ。自然とそんなことさえ思ってしまう。
そして、最後の仕上げに舌で舐めあげゆっくりと口を離すと、そこにはさっきと変わらないほどの硬さと熱さをもつ肉棒がある。
「ねぇ…コレで終わりじゃないわよね…」
巫女は自分でも信じられないほどの媚びた声でそう言葉を続けた。
男の視線が自分の身体を熱く、舐め回すかのように見ているのが分かる。
ゆっくりと両手で乳房を自分で揉み上げ、硬くなって尖った乳首を弄る。
股を開いて、トロトロに蕩けて蜜を流す秘部をさらけ出す。
男がごくりと喉を鳴らして唾を飲み込む。
当たり前のように男の腰が動き、顔より下へと下がっていく。
その様子を巫女は見つめる。
今までではありえないほどの期待感に胸を膨らせながら…。
そして、目的の高さにくるとまるで確認するかのように肉棒の先が蕩けきった秘部の入り口をなで上げる。
その肉棒の先に蕩けきった肉唇が蜜に濡れながら簡単に口を開き、ぴくぴくと震えた。
巫女がゆっくりと視線を上に向けると、そこには興奮し、巫女を見つめる男の顔があり、目と目が合う。
それが合図とでもいうかのように、二人の腰が動き、互いに密着させていく。
ぬちゅり…という卑猥な水音と共に互いの腰が完全に密着し、互いの口から甘い吐息と喘ぎが漏れる。
ついに…自分の意思で…やっちゃった…。
セックスするのは初めてではない。しかし、流されたとはいえ、強制されたり、術であやつられたりということではなく、自分の意思でのセックスは始めてだ。
入れられただけなのにゾクゾクとした快楽が身体中を駆けぬぐっている。
「あふっ…すごくいいっ…」
言葉が自然に漏れる。
そして、その言葉に男が自身ありげの口調で答える。
「動いたら、もっと気持ちいいんだぜ」
その言葉と共に男の腰が動く。
前後にゆっくりと…。
それだけなのに巫女の口から喘ぎが漏れる。
肉壁が擦られ気持ちいい…。
その様子を確認し、男は少しずつ動きのスピードを上げていく。
それだけではない。動きも前後の単調なものからより複雑な動きへと変わっていく。
「あっ、あっ。ああっ…」
腰から全身に広がっていく快楽の波に巫女はあっけないほど簡単に絶頂を迎えた。
どんな戦いでも、どんな相手でも絶頂を迎えたことはないはずの巫女。
だが、警戒心も、抵抗も、抗うものすべてを放棄した巫女、ただの女の子としての巫女にとって、いろいろな相手によって開発された肉体は感度が良すぎた。
一気に何もかも快楽の波に流されていく。
思考が真っ白になって身体がぴくぴくと痙攣する。
肉壁がぎゅっと締まり、男の動きが一瞬止まって口から「うっ…」と声が漏れる。
かなり締め付けがいいのだろう。
だが、それも少しの間だけだ。
巫女に絶頂の余韻を味あわせることなく、すぐに男の腰は動きを再開する。
「あんっ…ダメっ…イッたのぉ…イッたのぉ…」
軽い拒絶をするものの、すぐに新しい快楽の波に飲み込まれる巫女。
両脚が男の腰に絡まり、自らも腰を動かす。
「何度でもイカせてやるからな…」
その男の言葉に、呆けた巫女の思考が動く。
あ…そっか、我慢しなくていいんだっけ…。
その考えが巫女の最後のセーフティを外す。
巫女は呆けた表情にうっとりと蕩けた微笑を浮かべ答えた。
「うんっ…ああんっ…いっぱい…いっぱい…イカせてぇ…」
完全にタガが外れ、今までさらしたことのないメスとしての顔を露にする巫女。
「いいぜ。いっぱいイカせてやる…空っぽになるまで精液、流し込んでやるからな」
避妊を否定する男の言葉、なのに今のメスとしての巫女は孕ませられるかもしれないということさえも快楽に繋がってしまっている。
だから、甘い喘ぎをあげながら、男を受け入れいた。
「いいわっ。いっぱい出してっ。精液、私の中に出しつくしてっ」
その言葉と同時にまるでその言葉に反応するかのように男が果てる。
巫女の一番奥に、熱くてどろどろの液体が激しい勢いで吐き出されていく。
「あっ、あっ、あっ…で、でてるっ…」
さっきとは比べ物にならないほどのより高い絶頂と安心感、それに満足感が巫女を満たす。
身体がより激しく痙攣してぴくぴくと跳ね、思考が真っ白になるどころか意識がすーっと抜けていく。
そして、すーっと意識が戻ったとき、一度大きくイッて少し落ち着きかけた思考に再び激しい快楽が流れ込んできた。
射精が終わった後も男が巫女の身体を犯し続けていたからだ。
意識がない間にされたのだろう。正常位で受け入れていたはずなのに、四つんばいの格好になっていた。
その様子は、上半身は力なくベッドに崩れ落ちるかのようになっているため、まるでオスの為にお尻だけを高く上げている発情したメス犬のような格好だ。



「あっ…あふっ…な、何っ…ああんっ…あはっ…」
状況判断が出来ず、簡単に快楽の波に飲み込まれかける巫女。
「おっ、気が付いた?約束どおり、空っぽになるまで遊ばせてもらってるよ」
男が楽しそうに激しく腰を打ちつけながら笑っている。
「だ、ダメっ…休ませてっ…」
激しい快楽の波に思考がまた途切れ途切れになりそうになっている。
「何言ってるの。こんな極上の身体、一発出したくらいじゃおさまらないよ。それに言ってたじゃん。いっぱいイカせてってさ」
「あああっ…」
何か言葉を返そうとするものの、途切れ途切れの思考は快楽のノイズでいっぱいだ。
しかし、それに反して開発された肉体は快楽に従順に従っている。
まるで今までの争いの中で我慢してきたことに対する反抗のように。
肉棒をうれしそうにきゅっきゅっと締め付け、男の腰の動きに合わせて腰を振り、愛液をあたりに滴らせている。
それはよだれをたらしているかのようで、ベッドのシーツには黒いシミがいたるところに出来ていた。
「ほらっ、そろそろまたイクよっ。欲しいでしょ?」
「あ、あ、あ…」
快楽と男の言葉が巫女を追い詰める。
一度陥落し、タガが外れてしまった巫女にとって男の言葉と快楽はもう絶対のものだった。
そして、我慢しなくていいという安心感がほんの少し回復しかけていた思考を一気に覆いつくす。
「欲しいよね、精液…」
再度聞かれ、巫女はもう思考を維持しょうとする行為、再び戻りつつあった理性と言う手綱を放棄し、
思考は完全に快楽というという刺激によって暴走した本能と肉体に支配される。
それはつまり、弥勒衆のくノ一として本来ならあってはならない快楽の下僕になるということ。
だが、今の巫女はただの快楽を楽しむメスであり、我慢したり無理する必要なんてない。
だから、素直な言葉が出た。
「あんっ…欲しいっ…欲しいのっ…精液…欲しいっ」
「よしよしっ。素直になったね。じゃあいくよっ」
男が腰をぐいっと密着させると巫女もよりお尻を男の方に突き出した。
どくっ、どくっ、どくっ…。
白濁の液体が巫女の奥深くで吐き出され、巫女の肉壁が最後の一滴までも搾り出そうと締め付ける。
「おおっ…すげぇ…さっきより…締め付けてくる…」
男が呆けたような表情を見せながら身体をぷるぷると振るわせる。
巫女も激しく絶頂を迎えたていたがさっきのように意識がなくなることはない。
理性とか、思考といったリミッターが外れてしまい、完全に快楽を受け入れてしまったからだ。
「あああっ…あっ…あっ…あはっ……気持ちいいっ…」
荒い息と喘ぎが漏れ、全身から力が抜けて崩れ落ちた。
見ていなくても男が離れていくのが分かる。柔らかくなった肉棒がぬるりと抜け出していく。
「あ……」
残念そうな声が巫女の口から漏れるが、それは男の言葉でかき消された。
「綺麗にその口で掃除して、硬くしてくれよ」
ゆっくりと欲望に染まった視線を男の方に動かすと、視線の先には仰向けに寝ている男の姿があった。
精液と愛液でどろどろになった肉棒が柔らかくなってしまっているのがわかる。
けだるそうに身体を動かしながらも巫女は舌で唇を舐め上げると微笑んだ。
「んふっ…もちろんよ…」
巫女は口を開けると舌を肉棒に近づけつつ、今度は自分から上に乗って楽しむことを考え始めていた。
そう、今まで抑制し我慢してきたメスとしての悦びを知ってしまった今の巫女にとってこんなもので満足できるはずもない。
だから、今日はとことん楽しむつもりになっていた。
つまり、快楽の遊びはまだ終わらないということだ。


あれからどれくらい時間がたったろうか。
心地よい疲労感に満たされながら、ゆっくりと身体を起こす。
すると横で休んでいた男と視線が合った。
さっきまでの自分を思い出す。
快楽に狂い、快楽を求め、快楽の虜となった自分の姿。
今まで自分が知らなかった本当の、女としての自分。
それを男に曝け出してしまったこと。
冷静になればなるほど、その事実が恥ずかしいという巫女の感情を揺さぶっていく。
顔が紅く染まっていくのが分かる。
だが、男から視線を外すことはない。
いや、外せないと言うのが正しいだろう。
まるで釘付けになっているかのように目が離せないのだ。
そして、自然とだが唇を男の方に近づける。
男もその意味が分かったのだろう。
顔と顔が近づき、唇が重なり合い、すーっと顔が離れていく。
そしてこれは俺の所有物だと言ってもいいほどに迷いなく男が巫女の乳房を揉みあげる。
「ああんっ…」
落ち着いたとはいえ、まだ少し身体の奥に残っている快楽の残り火が身体に走る。
当然のようにくりくりと乳首を弄りながら男は巫女の身体を抱き寄せて囁く。
「また会えないかな?また気持ちいい事いっぱいして遊ぼうよ」
その言葉がどういう意味か。
巫女にだって分かる。
名前も知らない男とまたセックスを楽しもうという約束。
それは、最初ホテルに入ったときとは違う関係を求める言葉。
男とは、この場限りの関係。
謝罪のつもりでしかないはずだった関係。
だから、これでさよならのはずなのに…。
そう分かってはいる。
分かってはいるのだ。
だが、巫女の口から出た言葉は「ええ、いいわよ」という合意の言葉。
そして、時間を決めて駅で落ち合うという約束を取り決める。
なのに、互いの名前は告げない。
その不思議な関係に巫女の心がわくわくしている。
多分、恋人同士という関係ではないだろう。
会ってセックスをして遊ぶ。
ああ、そっか…。
セックスフレンド。
そんな言葉がぴったりの関係。
本当ならそんな関係は決してほめられたものではない。
だが、敵との戦いや術で強引に何度もセックスさせられたという体験が巫女の貞操観念をすっかりすり減らしてしまっていた。
それに今のセックスは、すごく気持ちよかった。
安心して快楽に身も心も任せられる。
身体だけではなく、心までも快楽に酔いしれる。
そして何より、我慢しなくていい。そう、普通の女性が楽しむ、ただ快楽を求めるだけ。
それがとても大切なことだと思えたのだ。
だから、そんな機会が再び得られるというその提案に深く考えなく飛びついてしまっていた。
その時は、それがもっとも良い選択としか思えなかった。
だがそれは、この後続く快楽の狂宴の幕開けでしかなかったことをその後、巫女は身体と心で知ることになる。