キャロンが城に入ると決まった時、それは大騒ぎだったという。
本人は村育ちだけあって部屋の内装などは簡素なもので良いと言ったが仕える側からしたらそうはいかない。
だいたい、過去にユリアが使っていた部屋を使うにしても内装そのままでいいはずもないのだから。
そうして城内は王女の帰還という一大イベントを祝うべく盛大な模様替えが行われた。
そのどさくさに紛れるようにして王女の部屋に彼女の全身がすっかり映し出せるほど大きな鏡が納入された。
金の蔦のような模様が縁取られた、それは豪奢なものだったので美しい王女の姿見には相応しい物に思われた。
しかし、城内の誰もその鏡をどこから調達したのか覚えている者はいなかった。
そして、侍女の一人はその鏡に縁取られている蔦が蛇にも見え、それがどこかで見たもののような気がして
しかたがなかったが、ついに思い出すことは出来なかった。

そう、その鏡はラモー・ルーの配下だった鏡使いの物だった。
誰が、何故、何のためにそれが王女の部屋に置かれたのか。それを誰も知る事無く、王女は城に住み始める。

当初、慣れない豪華な部屋に戸惑いがちだったキャロンもしばらくするうちにお城暮らしに慣れ始めた。
舞踏会や会食マナーのような貴族っぽい、堅苦しい事はまだ苦手だが、狩りや剣術などの身体を動かす事は好んでするようになり、
王女様として侍女や近習にお世話される生活にもようやく落ち着いて対応できるようになってきていた。
そんなある夜の事、身の回りのことを自分でやりたがり、風呂掃除さえ自分でやろうとするキャロンは部屋の片付けの最中に
鏡の角度を直そうとしてうっかり顔面を鏡にぶつけて唇を切ってしまう。顔を押さえて痛がりながら自分のドジに恥ずかしがっていた
キャロンは気づかなかったのだが、唇が鏡面に触れたその時、鏡を縁取る蔦に嵌め込まれた小さな紅玉が鈍い光を帯びた。
それが、始まりの合図だった。

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一人で使うには大きな、ふかふかしたベッドでキャロンは眠っている。
清潔な、白いシーツに包まれた体が時折寝返りをうつ。
深夜。安らかな眠りの中にいる少女を鏡が静かに映し出している…
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夢の中で、彼女はラモー・ルーの残党と戦っていた。
斬りかかって来る黒騎兵を軽快にかわし、リバースの剣で何人も切り伏せてゆく。
手ごわい相手ではあるが、リバースの剣を手にしたキャロンには誰もかなわない。
「まだ、向ってくる気?」
強気に言い放つと黒騎兵達は気圧されたように退いていった。
彼女は勝利の高揚に押されるまま、妖気に荒れ果てた野原の先へと進んでゆく。
その先に古びた城が見え、その門の前まで進むと一体の骸骨がぼろ衣を纏った姿で現れた。
「ようこそ、キャロン王女様」
その声はキャロンの頭の中に直接響いた。骸骨には口がない。そのため直接脳内へ語りかけているのだ。
「何者なの?」
いぶかしんだ表情のまま警戒のために剣先を向けるキャロン。
「私は鏡使い。ラモー・ルー様の『目』をしておりました者でございます……初めてお目にかかります。キャロン王女様」
「ラモー・ルー!?」
キャロンの表情が驚きと共に一気に険しくなる。
「はい。今日は実体を失われたラモー・ルー様の名代として参りました」
一撃でも加えられれば容易く消滅させられるであろう切先を前に、骸骨はあくまで丁寧な口調でキャロンに語りかける。
彼はキャロンが剣を手にした時から今に至るまでを魔王の代わりに見続けてきた魔導師である。
魔術の代償と契約の証として肉体は失ったが、代わりに鏡となるものがあるところならどこへでも移動し、対象を移動させ、
詳細に観察し、永久に記録する力を持つ。その力の恐ろしさをキャロンは未だ知る事が出来ない。
不気味な姿を前に警戒を怠らぬよう気を配りつつ、剣を突きつけるキャロン。
しかし、この夢の中へ来た時から既に彼女は術中に陥ってしまっていたのだ。

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鏡が妖しく光っている。キャロンの体液に触れて封じられていた魔術が起動したのだ。
やがて鏡面に水のように波紋が浮かび、水面が揺れると、中から無数の触手が湧き出て来る。
蛇のように鈍くぬめり、浅黒く、柔軟な触手はのたうちながらベッドを取り囲むと
何も知らず眠り続ける少女を包む純白のシーツをめくりあげ
中へともぐりこんでゆく…
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「キャロン王女様。我らが王の永遠の妃となるべきお方。ようやく、お会いできました」
骸骨の言う事がキャロンにはまるで理解できなかった。
「な、何を言ってるのよ!?訳の分からないこと言うなら斬るわよ!」
剣を握る手に力を込めるキャロン。と、彼女はその時体に違和感を感じた。
強く握ったはずの手に力が入っていない。それどころか握力が抜けようとしているのだ。
「本来ならラモー・ルー様直々にお迎えに上がるところですが、残念ながらまだ復活の時を得られません。そこで…」
キャロンの眉が歪む。剣が重い。全身の力がどんどん抜けてくる。身体がじわじわと熱くなり、背中に汗が噴出してきた。
足が震え、歯を食いしばろうとする唇から息が漏れる。
(え?……力が……出ない…?何故…?おかしいわ…なにか変よ…!)
「やはりここは妃たる貴女のご助力が一番の薬と。ラモー・ルー様もそれをお望みであろう…と」
「…ふっ…ふざけないで!何で私が!」
叫んだ瞬間またどっと力が抜ける。膝までが震えだし、水平に突き出していた剣先が下がってゆく。
魔力を受けた感じはしない。骸骨も何もしてきてはいない。それなのに体はどんどん力を失い、
そして下腹へ徐々に熱いものが溜まってきているのだった。

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純白のシーツに包み込まれた少女の美しい肢体。そのシーツの内側で何匹もの肉蛇が蠢いていた。
夢の中に意識を誘い込まれた少女は目覚める事無く、敏感な部分に触れられるたびその眉を歪め、吐息を漏らす。
着ていたネグリジェは既に剥かれて床に落ち、少女を包むのは意味を成さない白の薄絹のみ。
汗が滲み、肉蛇のぬめりと合わさってシーツは体にはりつき、剥がれてはまたまとわりついてゆく。
抵抗できないまま、純潔を散らされた時のように再び触手に身を捧げてしまう少女。
そして少女の身体は忌まわしい記憶を奥底から徐々に呼び起こしてゆく…
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「な……なに…これ…何…されたの?…あたし…こんなの、変よ…」
キャロンはもう、剣を突きつけることすら出来なかった。
剣を杖に、震える膝でようやく立っているほどだ。
全身が熱に浮かされたようになり、汗が噴出し、息は荒く、胎の奥から来る疼きは眩暈さえしてくるほどになっている。
鼓動がどんどん高鳴り、乳首が立ってきて痛痒感を覚え出す。股間がぬめり、むず痒くてたまらなくなってくる。。
必死にかぶりを振り、意識を保とうとするが身体を襲う感触はどんどん耐え難いものになってゆくのだ。
(いやっ……まるで…これって…!?…あ…あの時の……そんな、嘘よっ…)
「どうかされましたかな?………さては、身体が疼いているのでしょうか?」
骸骨に見透かされ、少女ははっと意識を取り戻すと同時に感じてしまっている表情を見られた羞恥に顔を赤らめる。
「隠さなくても分かります…私はラモー・ルー様を通じて貴女の全てを知っているのですから…」
「…く、くぅっ…な…何を言ってる…の?お、お前を倒して…何を企んでるのか…白状してもらうんだか…らっ…」
こみ上げてくる快感に緩みそうになる目を見開き、歯を何度も食いしばりながら強がりを言う少女。
(ダメ…!…あたし……だんだんいやらしい気持ちに……?どうして…?このままじゃ……あたし…)
既に術中に落ちているのは明白だったが、生来の負けん気だけが彼女を立ち続けさせていた。
「ここまで耐えるとは素晴らしい。それでこそ我らが王妃。しかし…そこまでです」
瞳のない骸骨の目が、昂奮に勃起した少女の乳首をしっかりと捉えていた。
膝は震え、しきりに擦り合わせている内股の間は汗とは違う液体に滲み出してしまっている。
その様は彼女がすっかり余裕を失っていることを明白に物語っていた。

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シーツまでをも剥ぎ取られた少女の白い裸身が宙に浮き上がっている。
肉蛇たちに巻きつかれ、絡みつかれながら持ち上げられているのだ。
抵抗する力もなく身体を開かされ、その瑞々しい肌はおぞましい触手の蹂躙を受けるがままになっていた。
そして、しなやかな少女の肉体は触手の陵辱によって徐々に花を咲かせてゆく。
漏れ出る吐息は切ないものへ変わり、肌は徐々に紅潮してゆく。乳房は快感に膨らんで乳首を勃起させ、あそこは蜜を滲ませている。
肉蛇に擦られ、絞められ、なぞられ、舐められ、揉まれ、噛まれ、擽られ、穿られ、吸われ、突かれ、もぎたての果実のような少女の
肢体は為すがままに貪られながら雌としての悦びに目覚めさせられようとしていた。
それは過去に行われた忌まわしい行為の再現であり、高潔な魂を汚し、淫欲に耽溺させる夜の世界への誘いでもあった。
そして、一際逞しい一本の肉蛇が狙いを定めて足元から迫ってゆき、蜜を滴らせるかげりに触れた。
「あっ…」
足を大きく広げさせられ、秘められるべき敏感な急所に触れられると無意識に少女の喉から声が漏れる。
彼女を守るリバースの腕輪は外して机の上。彼女の意識は夢の中にあり、彼女の肉体を守るものはどこにもない。
「はぁっ…ん…うぅんっ……んっ、んあぁぁっ!」
少女の溢れ出る蜜を先端に塗りたくった肉蛇は歓びに溢れんばかりに脈動しながらずるり、と少女の割れ目をこじ開けた。
狭い陰唇を押し広げながら力強く胎内へと突き進められるモノが少女の貞操を再び奪い去ってゆく。
無意識に喘ぎ声を上げ、胎内に潜り込んだ異物に苦悶と快楽の入り混じった表情を浮かべる。
少女の目は閉じられたまま睫毛を震わせ、目尻から涙が一粒零れ落ちた。
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「はぁっ…はぁっ…あ…あ…」
キャロンはもう目の前の骸骨に立ち向かおうとする事さえ出来なくなっていた。
体の奥から湧き上がる暑さは既に限界を超え、着ている服さえうっとおしく感じるようになっている。
そして布地が素肌に擦れるたびにくすぐったさが全身を貫き、汗が浮いて流れるたびにぞくぞくとした感じが背筋を走るのだ。
胸は痛いほどに脈打ち、切なく漏れる吐息は荒く、酒に酔ったように、あるいは熱に浮かされたように目の前がくらくらとしている。
そして先程からあそこを突き上げるような鋭い感覚が彼女を襲っているのだ。
(だ…だめ……あぁ…なんなの…?これ…もう…がまんできない……身体が…熱くて…おかしくなっちゃいそう…)
遂にキャロンは剣を手放し、膝から崩れるようにへたり込んでしまう。なおも襲ってくるいやらしい感覚の波に流されまいと
両手で震える身体を抱きしめながら骸骨を見上げ、睨みつける。
「あ、あたしを……どうする気なの…?」
「ご安心を。私はこの通り、身体がありませんので貴女様に直接触れることは出来ません。さて…ラモー・ルー様ですが、貴女によって
そのお体を滅ぼされたため、今は直接魔力を回復させる事が出来ません。そこで…」
キャロンが聞いていられたのはここまでだった。
次の瞬間、あそこから突き上げられた暴力的なまでの性感が防ぎようのない彼女を打ち据え、意識を吹き飛ばしたのだ。
「あぁぅっ!!ぁ…ぁ…」
身体が伸び上がり、硬直すると大きく開いた口元ががくがくと震え、視界がかすんで急速に暗くなってゆく。
そして糸が切れたように脱力し、ばったりと倒れ込んでしまった。

「まず、貴女の胎内にいるラモー・ルー様の欠片に養分を与え、同時にその成長を阻害するリバースの力を弱めなければなりません。
しかるに…その肉体を魂の深層に近いこの夢の世界に招き入れ、貴女に施された淫呪を活性化させる必要があるのです。キャロン王女様」
倒れたキャロンを前に、鏡使いは口調を変えないまま呟く。
「そしてここからは私の出番ではありません。鏡を通して貴女をこの夢に招き入れた魔の者に導いて頂きます。私は貴女が真に我らが
妃となるその日まで貴女の事を見つめ、記録し続けております…ではまたいずれお会いしましょう…」
鏡使いはそう言い残すと現れた時と同様、幻のように姿を消した。

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「あっ…あっ…あぁっ…んぅ…」
触手に空中で磔にされたまま犯される少女の身体が揺さぶられ、躍動している。
肉茎に突き上げられるたびに細い喉からは勝手に喘ぎ声が漏れ、抉られる膣口からは蜜が迸り落ちる。
未だ熟しきっていない体はすっかり快感に蕩かされ、耐え切れないほどの感覚に翻弄されるがままになっていた。
そうして、抵抗なく早々に限界を超えた少女の体は自身の意識がないままあっけなく絶頂を迎える。
「あぁっ…あっ…はぁぁぁっ…~~~~…っ…」
全身がぶるぶるっと震えて大きく伸びあがり、手足の指までもぴんと張り詰めさせて快楽の極みを享受する少女。
蜜が溢れぼたぼたと落ちてベッドを濡らす。やがて長い痙攣を越え、少女の体は緊張を手放して触手に身を委ねきった。
触手は手中に落ちた少女の肉体に絡みつき、縛るようにして抱えるとそのまま鏡へと戻ってゆく。
少女の身の丈がすっぽり入るほど大きな鏡面は再び水面のように波打つと触手ごと彼女の肉体を事も無げに飲み込んでいった。

後には鏡と、汗と蜜に濡れて乱れたベッドと汚されたシーツ、乱暴に脱がされたネグリジェだけが残された…
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キャロンが気づくと、そこは巨大な洞窟の中だった。
壁面は内臓を思わせるような赤黒さで、澱んだ内部の空気と相まって生暖かさを感じさせた。
自分はといえば全裸で、両手を上に上げた状態で拘束されているため恥ずかしくてもどうすることも出来ない。
あたりに気配はなく、左右を見回しても出口がどちらかをうかがい知ることが出来なかった。
「お前がキャロンか」
ふいに声がした。
「そうよ。ここはどこなの?あんたは何者?」
意識がしっかりしてきたのでキャロンは強気に返す。剣はなく囚われの身だが、弱気に出る事は考えたくなかった。
「なるほど、ラモー・ルーが執心している娘との話だったが納得だ。よい目をしている」
その声は問いかけを無視して値踏みをするように呟く。
「ラモー・ルー…!…あいつの仲間なのね?出てきなさい!リバースの力で倒してあげるわ!」
勇ましく叫び、拘束を外そうともがくが、触手に縛られた手を解く事は出来なかった。
「フフフ、元気の良いことだ。これなら少しは楽しめそうだ。キャロンよ。我が夢の領域にリバースの光は届かぬぞ?」
そう言って声の主は姿を現す。その瞬間、キャロンの目が見開き、息が止まってしまった。

その姿はあえて言うなら伝説上の半人半馬であっただろうか。しかし、山羊のような角を生やした人型の上半身は巨大な馬の体の
後部から生えており、馬部分の頭の代わりには一角獣のような巨大な角がそそり立っている。
そのため、外見上は悪魔が馬に跨ったまま合体してしまっているかのような異形になっていた。
肌は馬の部分に至るまで黒く、体は雄雄しさを感じさせるほどに逞しく、馬の背部分には炎のように赤黒いたてがみが揺れている。
「我は力強き夢魔の王、バモク。キャロンよ、その体の奥底に眠る淫らな欲望に身を委ねるが良い」
それは淫夢の象徴とされる馬と魔人の融合体である夢魔の王。夜の世界の一部を担う、ラモー・ルーの盟友の一人だった。

「…っ!…ぁ…はっ……っ…はぁっ…はぁっ…」
キャロンはその姿を見上げた瞬間、全身が震え上がってしまった。
恐怖に、ではない。目の前の魔物が放っている淫気に体が反応してしまったのだ。
(な…なに…これ…っ…すごい…体中の…穴に…熱い息を吹きかけられてるみたい…っ…やだぁ…っ…)
体中に浮かび上がってしまった鳥肌と冷や汗を気取られまいと身を捩り、視線を合わせまいとするが当のバモクには筒抜けだった。
「ほう……我の淫気をそこまで感じるとは…なかなかにいやらしい体をしているではないか…これはラモーに相当仕込まれたか?」
隠す事が出来ない素肌に舐めるような視線を送りつつ、囚われの少女を嘲り辱めるバモク。
しかし、キャロンは言い返す余裕もなく大きく息をつき、必死に体勢を整えようとするほかない。
「はぁ…はぁ…はっ…あ…はぁっ…ん…っ…」
(だ…ダメっ!……直接見てたら…お、おかしくなっちゃう……)
「フフフ、処女を失っているとは言え、まだこなれてはおらんか。いいだろう、もっと感じるがいい。牝の本能を、快楽を受け入れるのだ」
胴体から生えている角に血管のような筋が浮き出すと、辺りを包み込む淫気が更に濃くなり、むせかえるような臭いが立ち込めてゆく。
「はぁっ…はぁっ…だめ…だめぇ…っ…いやぁっ…」
先刻までの強気はとうに失せ、息をするのも苦しいほど濃密な空気に包まれ、体をくねらせて喘ぐほかないキャロン。
肌は紅潮して額に汗が浮き出し、太ももやお尻、おっぱいなどは優しく撫でられているかのようにぴくぴくと痙攣を始めてしまっている。
(くっ…この臭い…嗅いでるだけで…体、熱くなってきゃう…でも耐えないと……我慢するのよ…っ…こんなのに…負けちゃダメっ…)
しかし少女は諦めず懸命に首を振り、疼き始めた体に流されまいと抵抗する。その姿にバモクは下卑た、嗜虐的な笑みを浮かべた。
「なかなかに意思が強い…ふふふ、そうでなくては面白くない。どれ、素直になれるように少し手伝ってやろう」
言うなり、キャロンの足元が大きな口を開けた。
「え?きゃぁっ!」
足場を失い、手を吊られたまま体が地面の中へと落ちる。
そこは土ではなく、大量の触手が詰まった肉の群れだった。そう、自分はさっきまで大量の触手の上に座らされていたのだ。
「ひっ!…」
前後左右を至近距離で取り囲まれ、目の前で蠢く触手に怯えた声を出してしまうキャロン。
唯一残された上部までが口を閉じるように塞がってゆき、全身がすっかり触手の群れに閉じ込められてしまう。
手を拘束され、足を掴まれ、無防備のままの肢体へ陵辱の尖兵たる触手が迫る。キャロンに逃れる術は既にどこにもなくなっていた。
「せいぜいいい声で囀るがよい、歓喜に満ちた嬌声で我を楽しませよ」
頭上からバモクの冷徹な声が響いたが、キャロンの耳にはもう届きはしなかった。

「ひゃんっ!やっ、はぁっ、くぅんっ!はぁっ、はっ、いやぁっ!あっ、やめてっ、あぁっ!ひぃっ!いやぁん!」
触手の群れに飲み込まれ、全身に密着されての同時愛撫に喘ぎ悶えるキャロン。長さも太さもさまざまな触手の全てが肢体に絡みつき、
その全てが舌を思わせるように生暖かく、ぬるぬるとした粘液にまみれ、ざらついた感触で密着し、柔肌の至る所で蠢き舐め尽くしてゆく。
逃れようにも体を動かすことさえ難しく、息をするのがやっとなほどの隙間しかキャロンには与えられてはいない。
それでも少女は必死に身を捩り、全身に同時に押し寄せてくる快感に耐えようと歯を食いしばる。
しかし、腋を舐め擦られ、耳朶を穿られる程度の愛撫だけでその懸命な努力は一瞬のうちに瓦解してしまうのだ。
「くぅっ…はっ、はぁんっ!ひゃぅ…うぁぁっ!だめ…だめっ…そこ…ふぁっ!…あぁっ!…ひぃっ!やぁっ!く、あぁんっ!」
柔らかくしなやかな、美しい少女の肢体の全てが汚らわしい触手に吸い付かれ、その魔手の中で自由に玩ばれていた。
耳朶を細い舌で舐め擦られ、腋の下をブラシのような触手で擽られる。瑞々しく実った乳房を無数の舌で揉むように舐められ、
乳首は甘噛みされ、時折母乳を吸いだすように吸引される。背筋を歯車が回転してゆくように絶妙な力加減で舐め上げられ、
うなじに、脇腹に、太ももには蛭のように吸い付かれ、ぴんと張り詰めた手足の指までも解すようにしゃぶられてゆく。
豊かに膨らんだお尻にもびっしり触手が張り付き、揉みしだきながら尻襞を広げ、アヌスから会陰を擦り上げる。
両脚は閉じることを許されず、ふくらはぎから柔らかな内腿の筋をなぞるように丹念に触手の舌が行き来して溢れ出る蜜を舐め拭う。
「だめ、そこ…だめなの…あぁっ!いや、いやぁんっ!だ、だめぇっ…も、もうゆるして、たすけてぇっ!あぁ-っ!」
そして一番の急所であるあそこには一番多くの触手が殺到していた。大陰唇の襞の至る所、小陰唇の襞の至る所、陰核の襞の至る所に
細かい舌が吸い付き、皮を剥かれてむき出しになった花芯に密着した触手は絶えず振動してキャロンの脳に電流を流し続けていた。
あぶれた触手たちは下腹から腰にかけてを擦り、肉体の果実から溢れ飛び散る蜜を啜っている。
触手たちは与えられた少女の肉体という極上の料理を前に殺到し、執拗なまでに貪り、咀嚼し、味わい、喰らい尽くしてゆく。
そして極上の餌である彼女に支払われる対価は受け止め切れないほど過大な快楽であった。
「もう、もうだめ、もう…だめになっちゃうっ!あぁっ、あたひ、あたひっ、おかひくなるぅっ!あぁぁぁぁっ!ひぅぅっ!」
絶えず叩き込まれる快楽の渦に為すすべなく涙を溢れさせる。口まで触手に入り込まれ、舌に絡みつかれながら喘ぎ叫ぶキャロン。
忌まわしく、おぞましく、汚らわしいのに。恥ずかしくて、悔しくて、たまらないのに、どうしようもなく気持ちよくなってしまう。
その姿にもうリバースの剣士としての勇ましさを見ることは出来なかった。
しかし彼女は気づいていない。その肌の至る所、お尻の穴から指先、髪の毛一本にまでも舌を這わせながら触手たちは女体最後の一線、
膣内までは踏み越えてこようとしていないことに。それは明らかにこの陵辱が前戯にしか過ぎないことを物語っていた。
「んぅぅっ!だ、だめ…ひゃっ、も…やめて…ふぁっ!あ、くぅんっ!うっ!…くぅっ!…あっ、あっ、あぁっ!はぁっ、はぁっ…」
手加減されていることに気づけないまま、キャロンは幾度となく軽い絶頂に追いやられ、その肌を快楽に対してむき出しにされてしまう。
肌の全て、性感帯の全てが触手の舌によって甘く蕩かされ、身悶え、嬌声をあげているうちに、泣いているのか歓んでいるのか、
くすぐったいのか、痒いのか、痛いのか気持ちいいのかも分からなくなるほどキャロンの意識は混乱させられてゆく。

「はっ、はっ、はっ…も…もうらめ……もう…らめ…んぅ…あ…は…っ…やぁぁっんっ!ふぅっ、くぁぁぁんっ!はぁっ、はぁっ…」
どれくらいの時間触手漬けにされていたのか。少なくともキャロンにとっては長すぎる時間が経過した。
優しく触れられるだけでもびくびくと痙攣する体になってしまったのを頃合と見たのか、上部が開いてキャロンは再び地上へ戻される。
触手に徹底的に舐め汚され、涙と汗と蜜でぐしょぐしょになり、ぐったりとした少女の敗北姿に満足げに哂うバモク。
「いい顔になったではないか。少しは素直になったか?」
嘲られ、力なく頷く少女。もう、どこに触れられても心地よく、この状況からこの魔物に勝つことなど考える事もできなかった。
「フハハハハハ、どうだ、キャロン。ここが切なくはないか?ん?」
「…ひゃうぅっ!!…あ…ぁ……あぁ……っ…」
細い触手が胴体から伸び、蜜を溢れさせるあそこの襞をめくられるとキャロンは鋭い悲鳴を上げ、ビクンと体を震わせる。
身体の奥から滴り落ちてゆく蜜の感覚と共に、今更のように挿入されていないことに気づかされる。そして、これからが本番である事にも。
そして忌まわしい事に膣内を意識させられた途端、恥辱より先に彼女の体は急速な飢えを感じ出してしまったのだ。
痛いほどに胸が高鳴り、あそこの疼きが耐え難いものになる。それはもう弱った彼女自身では止めようがないほどの強烈な飢餓感だった。
(もう……だめ…あたし……入れて欲しい…っ…)
唾液を飲み下し、震える赤い唇をおずおずと開く。が、叫びすぎた喉から漏れる弱弱しい息はかすれてまともな声にはならなかった。
「そうか、辛いか。よし、楽にしてやろう」
手の内に堕ちてゆく少女の姿に愉悦に口を歪めてバモクが言うと触手は彼女を吊り上げ、馬部分の胴の上へと導く。
キャロンは歓びと羞恥の入り混じった表情を浮かべてその逞しい本体へと縋りつき、赤らめた顔を魔物の胸に埋めた。
「お…おねがい……もう…がまんできないの…」
汗と触手の粘液にまみれ、汚された聖なる体を魔物の腕の中へと投げ出してしまったキャロン。
全身を包み込む淫気に肌を上気させ、耐え切れないほどの快楽への欲求にその身を委ねながら弱弱しく呟く。
敗北を認めた伝説の剣士の小柄な肢体を抱きかかえ、バモクは勝利の高笑いを上げた。

前を向かされ、腕を掴まれたまま足に絡みついた触手によって足を開かされるキャロン。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
そのまま馬部分の胴体へと跨り、文字通り乗馬をするような格好になる。
そうして彼女は漸く気づく。たてがみだと思っていた馬部分の背中のそれが全て性器であったことに。
長さも太さも違うそれが、赤黒く歪な形をした凶器がずらりと並んで屹立していたのだ。
「ひ……」
どくん、と胸がまた一つ大きく打ち鳴らされ、思わず悲鳴を漏らしてしまうキャロン。
そのどれもが馬並みと言うにはあまりに大きく、小柄な少女の胎内に納まるものとは到底思えなかった。
そしてキャロン自身が過去に見たことのある村人達のそれと比して、そのどれもが比肩しようがないほど巨大なモノであったのだ。
「さて、どれが好みかな?キャロン」
背後から意地の悪い声がかけられる。触手とは違う、あまりにも獰猛な性器の林立。そのどれもがキャロンを貫かんと脈動している。
答えようがなくうろたえているうちにたてがみは波を打つように蠢き歯車のように移動し、選ばれた1本がキャロンのあそこにあてがわれる。
それは全ての中で2番目に太く、3番目に長く、ごつごつと節くれだったモノだった。
「これが良いか。フフフ、我が逸物は癖になるぞ?その身体、欲望の虜にしてやろう」
「あ…い……いや……やだ…やめて…こんなの…無理……入らない…」
一気に意識が冷え、体を貫かれ引き裂かれる恐怖に怯え、震える少女。弱弱しく首を振り、腕を掴まれて押さえつけられようとすると
内腿と膝に力を入れて馬の胴を締め、挿入を防ごうと必死に抵抗する。しかし、それは最早無意味な抵抗に等しかった。
「もう遅い。伝説の剣士が甘えた事を言うものではない」
ぐい、とキャロンの両脚に巻きついた触手が引っ張られ、強制的に足が開かされると肉凶器が内股に触れた。
モノがあそこの襞に触れ押し広げようとしたとたんにぴくん、と体が跳ね上がってしまう。
内股にあてがわれた感触。その熱さと逞しさにキャロンの背筋が震え、汗が流れ落ちる。それはもはや焼けた杭のようですらあった。
(無理……!こんなの入れられたら…あそこ…裂けちゃう…!)
そして、今までずっと立ったままだったバモクが歩き始めた。その瞬間、キャロンは恐ろしい予感に慄然とした。
「ほう、察するとは乗馬の経験があるのか。ならば話は早いな。せいぜい愉しむがよい」
「きゃぁっ!…あ…や…やめて…やめて…動かないで…あぁ…だめ、いやぁっ!」
必死に首を振り、腰を逃がそうとするがびくともしない。そうしているうちに足は徐々に開かされ、体を貫こうとする凶器が
あそこの襞を捉え、こじあけてゆく。ゆっくりと歩むバモクの体に揺さぶられ、キャロンの体はだんだんと沈み込んでいってしまう。
「いやぁっ!いやぁぁーーーっ!やっ、やめて、助けてっ…おねがいっ…」
暴れようとするが腕も足もしっかり掴まれ、動かせない。首を振り悲鳴を上げるキャロンの目には涙が溢れ、表情には絶望が浮かぶ。
しかし引き裂かれる恐怖に怯える心とは裏腹に少女のあそこは疼いて蜜に濡れて涎を垂らし、汚れた肉杭の到来を待ち焦がれてしまっている。
膣奥を貫かれ、抉られる事が快楽であると体が認めてしまっているのだ。その事が更にキャロン自身を追い詰めてゆく。
(ああ……あたし…もうだめ……)
もがき続けている手足の指の力が疲れと共に緩んできてしまう。膝の力が弱くなり、挿入一歩手前で踏ん張っていた内股の力が抜けてゆく。
バモクの歩みに揺さぶられるたびあそこの入口を擦り付けられ、切なく疼き出すあそこから蜜が溢れてモノの粘膜と馴染んでゆく。
ピンク色に充血した肉襞は物欲しげにひくひくと蠢き、牡のモノへの乾きと飢えをキャロンの胸へ訴え続けていた。

そろそろ焦らすのも頃合と見たのか、バモクはキャロンの腕を手綱のように持ったまま前足を跳ね上げさせる。
「ひっ!」
体が一瞬宙に浮かぶような感覚に顔を引きつらせるキャロン。そしてそのまま落下していくにつれ、何が起こるかを察してしまう。
着地し、軽く前足がドンと地面を叩いた。その瞬間に既に充分濡れて迎え入れる体勢が出来てしまっていたキャロンのあそこは
大きすぎると思っていたバモクのモノを大口を開けて咥え込んでしまった。
「いぎっ!あ、いやぁあっ!いやぁぁぁ---っ!ゆるしてっ、いたいっ!いたいのっ!あぁっ!やめてぇぇーっ!」
ぐにっと無理やり拡げられる小陰唇。その強烈な挿入感から来る痛みに泣き叫ぶ少女の悲鳴を意に介さず、再び前足が高々と上げられる。
「観念するのだな。それ、舌を噛むぞ?」
細い触手の一本が口に突き込まれ、苦しさに目を回しそうになりながら、二度目の空中浮遊。そして落下。
ズン、という衝撃が馬の胴体からキャロンの下半身へと走り抜けた次の瞬間には、あれだけ大きく、太かったモノがずるりと膣内へ
滑り込み、飢え切っていた胎内は待望の侵入者をそのまま一気に一番奥まで飲み込んでしまった。
「うぐぅっ!んっ、ぁ…ぐ…あぁぁぁぁぁーーーーーっ!」
その小さな体の脳天まで突き抜ける衝撃はあまりに強烈すぎた。瞬間、口に突きこまれていた触手を千切らんばかりに噛み締め、
手足の指で懸命に虚空を掻きいだいて吹き飛ばされんばかりの着地の衝撃を受けとめ、それが全身に反射し拡散し飛び散った瞬間、
少女は慎みや羞恥心など全てをかなぐり捨てたように目を見開き、まるで獣のような、あらん限りの声で叫んでいた。

バモクの体にすっかり深々と跨ってしまったキャロン。女の体の不可思議さか、入らないと思っていた異物を胎内の最奥まで
受け入れてしまっていた。引き裂かれるような衝撃と痛み、そしてありえないほどの充足感が彼女の胎内を駆け巡る。
「あぁっ…あ…ぐ…ぁ…ぁ……っ…は…っは…ぅぅ…はっ…はっ…はっ…」
お腹を抱えて倒れ込み、苦悶に顔を歪めて苦しげに呻き悶えるキャロン。とんでもない存在感に腹が圧迫され、呼吸が満足に出来ない。
その姿をバモクは満足げに眺めながら高笑いをあげ続けている。
「どうだ、ラモーよ!このバモクが望みどおりお前の王女を犯してやったぞ!フハハハハハ!」
そうしてひとしきり哂うとキャロンの背中から覆い被さり、耳朶を舐める。
苦悶の表情を浮かべつつも魔物の熱い吐息と濡れた舌の感触にピクンと反応してしまうキャロン。
「フフフ、痛いか。しかし楽しいのはこれからだぞ、キャロンよ。この痛みが快楽へと変わってゆくのをじっくり味わうがいい」
腕を掴んで体を引き起こされ、再び悪夢のような騎上位が開始された。
「ひっ…や…い…やぁ…あぐっ、うっ!ん、はぁっ!あっ、やめて、うごかさないでっ!まだ、痛いのっ…くるし…いやあっ!」
今度は挿入されたままである。乗馬経験のあるキャロンには分かってしまっていたが馬上というのは思っている以上に揺れるのだ。
もし挿入されたままの状態で揺らされたり歩かれたりしたらどうなってしまうのか。
「や…やめて…裂けちゃう…あぁ…ゆるして……おねがい…あっ…ぐ…んはぅっ!…かはぁっ!こんなの…耐えられない…」
懇願が受け入れられるはずもなく、バモクは悠然と歩き続ける。その一歩が踏みしめられるたびに極大の衝撃が彼女を襲う。
上下に揺さぶられるたびに焼けた杭が下から打ち付けられ、前後に揺さぶられるたびに太い剛直が胎内を掻き混ぜる。
その度にあそこを貫かれ、膣襞が抉られ、体の芯を埋め尽くされた痛みと快楽の電流が突き抜けてゆく。
そして許しを請う声を打ち消すように喉からは悲鳴のような喘ぎ声が勝手に溢れ出てしまうのだ。
「それ、そろそろ本気で行くぞ?振り落としたりはせん。安心して快楽を貪るがよい」
「いやぁあぁぁっ!」
言うなり、その歩みは駆け足となった。当然、衝撃の加わる量も早さも段違いとなる。それは最早少女に対する死刑宣告に等しかった。

「あぁっ!はぁっ、はっ!はっ、く、はぁんっ!あっ!はっ、は…くぅんっ!ぐぅっ!あっ、あっ!ひっ!あぁっっ!」
どこまでも果てが見えない広い洞窟の中をバモクが疾走する。その巨大な馬の背に裸のキャロンは串刺しにされたまま
悪夢のような乗馬をさせられていた。鞍の代わりに逸物で体を固定され、鐙の代わりに触手で足を縛られている。そして手綱は
自分自身だ。背後のバモク本体に腕を掴まれ、自由に操られながら馬部分の背中で身悶えし続けるほかない。

翻弄されるがままの全身から汗が噴出し、疾走に吹き抜けてゆく風に冷やされるがそれ以上に内側から沸き起こる熱がキャロンの体内を
暴走させる。悶え、喘ぎ、泣き、よがり、叫び、苦しみ、震えながら少女は荒々しい騎乗に押し流されてゆく。
「フフフ、キャロンよ。我々が欲しいのはお前の心なのだ。無理やり開かされ、穢された体が欲望を受け入れ、歓喜の声を上げる…」
バモクはキャロンを手綱のように扱ったり、背後から抱きついて乳房を抓ったり、激しく注挿されているあそこを弄ったりしながら
殆ど話を聞く余裕もない少女へと語りかける。
「体と心を捧げ、悪魔の精を受け入れた時。その時、ラモー・ルーがお前に遺した種子が花を咲かせるのだ。決して消えぬ烙印の花がな」
キャロンはあそこから打ち付けられる衝撃にただ振り乱されるのみだった。上下前後に激しく揺さぶられて豊かに実った乳房を揺らし、
白く瑞々しい肌からは汗と涙と蜜を迸らせ、悲鳴を上げては伸び上がり、唇を噛み締めては身を屈め、喉がからからに乾いても
喘ぎ声はとどまることなく溢れ続けていた。そうしているうちに少女は徐々に胎内を抉り続ける忌まわしき巨根に馴染んできてしまう。
「あぁっ!あくぅっ!ぐっ、うぅっ!んっ!んぅんっ!んはぁっ!あっ!あぁっ!ぎ、いぁっ!あ、あひぃん!」
(あ…!……だめ…だめ…!これ…あ…!)
お尻の肉が打ちつけられて赤く腫れ、振動を胎の奥へと叩き付けてゆく。昂奮と揺さぶりに押し流されてどくどくと心臓が脈を打つ。
その波紋が胸を染み渡り、乳首を震わせる。その波紋は胎の奥へ叩きつけられ続けている衝撃と交わり、全身を震えさせる。
貫かれているあそこがひくひくと蠢き、とろりと粘度の上がった蜜がすっかり充血した結合部から溢れ出す。
「あ…!あ……あっ…あ…ぁ…っ…!」
(だめ……あたしの身体…熱くなっちゃ…だめぇっ…!あぁっ…こ、これ以上されたら…あ、あたしっ…)
漏れ出る声が甘く蕩けだしてしまっていた。必死に口元を引き締め、汗にまみれた体を屈め、全身に溢れ出した衝動を堪えようとする。
それは認めてはいけないものだと少女は直感していた。それを認めてしまったなら、自分はもう引き返す事が出来なくなってしまうと。
「さあ、堕ちるがいい、キャロンよ……堕ちるのだ!」
しかしその懸命に最後の抵抗をする少女を嘲笑うように夢魔の王は言い放つと更に疾走は速度と荒々しさを増した。

追い詰められる少女。少女の脳裏にはあの忌まわしい記憶がはっきりと思い出されていた。
操られた村人達に犯された時の、触手の群れに弄られた時の、ラモー・ルーに捕らえられた時の、そして城の中で調教を受けた時の…
(いや……いや…これって…これってあの時の…いや!…また……こんな魔物に…犯されて……)
無数の男達に無理やり夜通し犯され、何本もの男性器を代わる代わる突き入れられ、精を全身に浴びせられたあの時に感じてしまった快楽。
そしてラモー・ルーがまだ未熟な身体のキャロンに刻み付けた人の身では決して味わえない魔の快楽の極み。究極の絶頂、イくということ。
どんなに忌まわしく思ってもどんなに堪えようとしても止めようがなく、体中を駆け抜ける波紋と電流の荒波に突き上げられてゆく。
(いやぁっ!そんなの…そんなのいやっ!あたし…あたし…そんなのじゃないっ!だめっ!あたしの身体、止まってぇっ!)
しかし意識してしまった時点でもう流れを押し止める事は出来ないのだ。あの圧倒的な解放感。意識が真っ白に溶ける瞬間。
体中が歓びに満たされ、弾ける。それは快感以外の何物でもなかった。それも、今まで味わってきた感覚全てを凌駕するほどの。
「あぁぁっ!いや、いやっ!だめ、こんなの、いやぁっ!あぁっ!あ、あたしっ…だめ、あっ!あっ!あぁっ!!やだぁっ!」
底のない沼に沈められ、果てのない空へ打ち上げられ、肢体の全てを牡の手に委ねて玩ばれながら充足してゆく少女の肉体。
嘲られ、玩ばれ、汚され、陵辱されながら、彼女の身体は、そして彼女の心ははっきりと快感を覚えてしまっていた。
痛いほど首を振り、髪を振り乱しながら懸命に否定しようとするが彼女の体はこれがキモチイイと言う事を知ってしまっている。
(いやっ…あたしっ……気持ちよくなっちゃうっ…こんなに乱暴にされてるのに…すごく気持ちよくてっ…イきそうになってる…!)
汚らわしい逸物に執拗に貫かれ抉られている膣内は悦びにきゅうきゅうと痙攣し、子宮は魔物の精を求めて収縮している。
はしたない自分の心に、浅ましい自分の肉体に、犯される惨めさに、敗北の悔しさにキャロンの翡翠のような瞳から涙が零れて止まらない。
しかし会陰から背筋をまっすぐに快感が走り抜ける度に身体はぴんと硬直し、手足の指はびくびくと震えながら虚空をかきむしってしまう。
動悸は呼吸を困難にするほど激しくなり、見開いた目は既に快楽と涙で曇って前が見えなくなってしまっている。
「あぁっ!はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁんっ!んぅ、ん…ぐっ…ふぁっ!ひぁんっ!あぐぅっ!あぁぁっ!!ひぃっ!あぁぁんっ!」
(も…もうダメ…あたし…おちる…おちちゃう……あたまが…まっしろになって…も、もう、何も考えられないよぉ…っ)
下から突き上げられるたびに意識が吹き飛ばされ、激しいピストンに晒され続けて体中の感覚の全てがすっかり快感に飲み込まれてしまう。
ばちばちと目の前で火花が散り、視界は明滅し、前後不覚になり身体の制御を失い、理性や慎みまでもが抜け落ちてゆく。
いつしかキャロンはもう自分が何を叫び、どう悶えているのかも分からなくなっていた。

「いやぁぁっ!イっちゃう!あたし、イきそうなのっ!こんなの、だめなのにっ、あそこ、ぐちゃぐちゃになって、もうだめなのぉっ!」
遂に決壊が始まった。キャロンの心の防壁がぼろぼろと崩れ、あられもない言葉が口から零れ、快楽への抵抗を放棄する。
すっかりくつろげられてしまった結合部がぐちゃぐちゃと蜜に濡れた淫猥な音を立てるとぶしゃっと潮が溢れてバモクの馬の背を濡らした。
「イイの、気持ちイイのっ!あぁっ!あたしっ、犯されてるのにっ!きもちよすぎてっ、おかしくなっちゃうのぉっ!あぁっ!はぁぁんっ!」
バモクが背後から快感に狂わされて乱れる少女を抱き、首を傾けさせると少女は抵抗なく目を伏せ、その迫ってくる魔物の唇を受け入れる。
獰猛に侵入する牡の舌に少女は小さな赤い舌を夢中になって絡み合わせ、唾液を口の中で混ぜては飲み下す。
胃の中までも魔物の蹂躙を許し、猛々しい魔物の腕の中に包まれ、体中を快楽で埋め尽くされながら少女は絶頂への道を駆け上がって行く。
「む……ちゅ…ん…はぁっ、はっ、はぅ、んっ…も…もう…あ…あたし…っ……あっ、あぁっ、んぅっ!だめ…と、とけちゃうっ…」
自分を貫き、抉り、引き裂こうとする肉杭がいとおしい物のようにさえ思えてくる。乱暴にされ、無理やり犯されているというのに
幸せさえ感じ出してしまう。頬が緩み、瞳が蕩け、唇が綻んでしまう。押し寄せる多幸感にかなわず、蕩けていってしまう。
「あぁっ!イきそうなのっ…だめ…こんな…すごいの…あたし、耐えられないっ…あぁっ!体中が…びくびくして…悦んじゃうのぉっ!」
バモクの馬体の一本角がぐぐっと青筋を立てるとキャロンの胎内の一番奥で子宮口を貫いている亀頭の先端が開かれ、噴射口が顔を出す。
そして挿入されていない性器たちまでもが一斉に勃起し、むらむらとした精の香りを放ち始めた。
「だ、だめっ、あたしっ、こわれちゃぅっ!も、もうがまんできないのっ!気持ちよくてっ、たまらないのぉっ!イく…イっちゃうぅっ!」
牡の臭い立つ精の気配に反応するように少女の胎が切なげにひくつき、更に強くぐいぐいと締め付け出す。
少女の胎内に収まったモノがその締め付けに抗うように膨らみ、どくどくと脈打ち始めると射精の予感にキャロンは本能で悦んでしまう。
最早無意識に体中が痙攣し、激しく喘ぎ、悶えながら牡の精液を求めて膣内を絞り上げ、射精を促してしまっている。
「あぁぁっ!きて、きてぇっ!あたしっ、飛んじゃうっ!あぁぁっ!!はぁっ、はぁっ!もうダメ!イっちゃうっ!イっちゃうよぉっ!」
ぜえぜえと喘ぎながらあられもなく快楽と絶頂を訴え、欲望に飲まれて求め続ける嬌態は既に少女のものとは呼べなかった。
それはもう性に爛れた淫乱な牝の姿であり、魔王の愛妾として契約の烙印を押された蜜奴隷の痴態であった。

そして長い疾走の末、バモクは止めとばかりに力強く踏み込むと高々と飛び上がった。
「!!」
はっっと息を飲むキャロン。見開いた目に赤暗く澱んだ中空が映る。まるで自分の胎内のようだとそんな事を少女は思う。
飛び上がった浮遊感を充分に感じる暇もなく、馬体は落下する。重量のある巨大な身体が地面に着地する時の衝撃は想像を絶する。
そしてその衝撃はすべてキャロンのあそこへと到達するのだ。それが、最後だった。
ズズン!と馬体が着地をしたその瞬間、到底耐え切れないほどの、まるで爆弾のような快感が彼女の奥底で爆発した。
それは一瞬で全身に連鎖して広がりつくし、脳裏にまで稲妻を迸らせて砕けて飛び散り、意識を粉々に破壊する。
同時に熱く粘ついた魔物の精が噴水のようにキャロンの胎内を駆け上がると砲門を開き、その凶悪過ぎる牡の主砲が至近から火を噴いた。
キャロンの子宮へと解き放たれた忌まわしい精液のその圧倒的な量と勢いに少女の最後の砦はあっけなく崩壊し、四散した。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!!」
身体が一瞬でばらばらにされたかのような、あまりにも強烈過ぎる感覚に少女の魂はもうこれ以上耐え切る事は出来なかった。
全身をびくびくと硬直させ、獣のような高く長い嬌声を上げてキャロンは甘く、底のない絶頂の極みへと堕ちていく。
挿入されていない性器からも噴出した精液を全身に浴びせられ、身体を汚しつくされながら再び訪れた快楽の極みを味わいつくす。
意識を真っ白に消し飛ばされ、肉体の檻から解き放たれたような浮遊感と解放感、どうなってしまっても構わないという自棄、
胎内を溢れるほどの精液にすっかり埋め尽くされた充足感、そしてこのまま死んでしまってもいいと思えるほどの究極の多幸感に満たされ、
少女は魔物の手に心までをも明け渡してしまった。
「~~~~~~っ!~~~~~っは………っ!!……!~~~~~っ!!」
叫び続けて声を失ってもまだ叫ぶ。そうして叫びつくすと少女の肢体はひとしきり伸び上がり、その後ぶるぶるっと激しく痙攣した。
痙攣が全身に行き渡るとがくがくと顔を震えさせる。見開いたまま涙を零す瞳は光を失い、わなわなと震える口元からは涎を零し、
全身の穴という穴が弛緩して少女の全てが幸福の中に崩壊して行く。息も出来ず、真っ白から真っ黒へと塗りこめられるようにして
閉ざされてゆく意識をあっけなく手放すと、少女はまるで安堵したかのようにそのままゆっくりと馬の背の上へ倒れこむ。
その最後の瞬間、汚しつくされたあそこからずるりと抜けてゆく牡の逸物に彼女は名残惜しささえ感じてしまっていた…

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…ん……は……ぁ…」
汗と涙と蜜と精液でどろどろになるまで汚され、魔物の手によって絶頂に追い堕とされた少女。
人間相手では味わえぬ禁断の快楽を再び味わってしまった伝説の剣士にして魔王の生贄。
ぐったりと身体を馬体に預けたままのキャロン。その未だぴくぴくと痙攣を続けるお尻の肉をバモクは満足気に見下ろしている。
彼の目には少女の胎の奥で魔物に犯され精を浴びて絶頂した少女自身の体液によって脈動を始めたラモー・ルーの契約の印が見えていた。
そこまでしてこの少女を求めるのか、と魔王の執念に感服すると共に先刻まで味わった少女の痴態と蜜の味を思い返し、納得するバモク。
「フフフフ、キャロンよ。盟約は成り、ラモー・ルーの刻印は起動した。これでもうお前は我々の手から逃れることはできぬ」
意識もなく、細い吐息を吐くばかりのキャロン。未だびくびくと震えながら時折あそこからごぼりと精液を溢れさせている。
バモクの宣告は彼女に聞こえていないが、夢の中でむき出しになった魂の底へと刻まれてゆく。
「目覚めた時、お前は全てを忘れているであろう。しかし、お前の堕落はここから始まるのだ。キャロンよ」
力尽き、安らかな顔さえ浮かべているキャロンの身体が次第に透明になってゆく。夢から覚めようとしているのだ。
バモクは薄れてゆく少女のうなじに鋭い爪を立て、そうして滲んだ血に自らの体液を混ぜる。
それは瞬時に魔術の文様のような形を取るとすぐさま消えていった。
「夢の中は我が領域にして我が力の源泉。これからお前の夢の世界は私のものとなる…フフフ」

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目が覚めるともう朝で、キャロンは全裸でベッドに横たわっていた。
シーツが汗まみれになっていたのでよほど寝苦しかったのだろうと彼女は思う。
なんだか酷く疲れていて、悪い夢を見たような気がするが内容は思い出せなかった。
起き上がり、鏡を見る。髪は乱れ、汗の痕が残り、顔も少しやつれている。
「ひどい顔。お風呂はいってスッキリしなきゃね」
一人ごちて少女は浴室へとむかってゆく。鏡に映ったその首筋にうっすらと青い刻印が浮かび上がり、すぐに消えた。

キャロンが夜毎、淫夢に悩まされるようになったのはその日からのことである。
そしてその日以降、キャロンはそれまで楽しんでいた乗馬を何故か嫌がるようになったという。