「はあ、疲れた」

一日の仕事が終わり、キャロンは自室に入るなりばったりとベッドに身を投げ出した。
ばふん、と音を立てて柔らかなベッドが少女の身体を受け止め、きちんと洗濯された清潔なシーツの匂いが彼女を包み込む。

ラルのお城で生活するようになってから数か月。キャロンは王女としての日々に慣れないまま過ごしていた。
元々村での暮らしが長かったせいでお転婆な少女に育っていた彼女。最初は豪華な城での暮らしに昂奮を隠せなかったのだが、
日々繰り返される王女としての作法や執務の勉強に堅苦しさを感じるのは時間の問題でもあった。
気楽な村での暮らしに戻りたいと思っても、自分はもうラルの王女であり好き勝手を言える立場ではないのも分かってはいる。
仕方なく今日もあくびをこらえながら政事の勉強をし、頬をひくつかせながら礼儀作法の時間を過ごしてきたのだ。

「もう、肩がこってしかたがないわ…ユリアさんも毎日こんなことやってたのかしら…?」

週に一度のストレス解消が乗馬や剣術の時間。あとは食事でさえすべて退屈な勉強の時間という現状に流石のキャロンも正直飽きて来ていた。
こんなことなら王女の立場をユリアに譲って村娘に戻ってしまおうかしらとさえ思いだす始末だ。

ベッドに身を投げ出したままごろごろと転がるキャロン。とても王女らしい振る舞いとはいえない。
しかし窮屈な城の中では自室の中だけが少女にとって自由な空間だった。ここだけは侍女に言っておきさえすれば人も入らないし、好きにできる。
キャロンは無造作にドレスを脱衣籠に放り投げて裸のまま浴室へ向かい、簡単にシャワーを浴びると戻って寝衣に着替え、またごろごろとする。
ふう、と深いため息をつき、豪華な天井を見る。いつしかキャロンは部屋の灯りを消すのも忘れたままうつらうつらとしだしてしまっていた。

部屋の隅。身支度用の金縁の豪奢で大きな鏡が無防備な少女の寝姿を映し出す。
その映し出された少女の顔が、いつしか笑みを浮かべると鏡の中でむくりと起き上がり、瞼を開く…



うとうととしていたキャロンだったが、ふと気配に気が付き目を開く。
しかし寝起きで軽く朦朧とした頭では目の前の光景に理解が及ぶには時間が必要だった。
いや、完全に目が覚めていたとしてもすぐに理解できたかどうかは怪しかっただろう。

「え?……だ、誰…?」

はっとして体を起こし、その人物に向き直る。夢ではないかと疑うが、どうにも自分自身が判然としない。
その人物…彼女は下着同然のビキニ姿で寝室の鏡の前に立っていた。誰?と問おうとして言葉が止まる。その出で立ちにキャロンは覚えがあった。
いや、覚えている…どころではない。背格好や顔。瞳や髪の色も目鼻の形に至るまで。それは他の誰よりも自分がよく知っているものだった。
そして着ているものも。あれは成長した今では少し恥ずかしい、半裸に近い大胆な赤白のビキニ。それは彼女自身が纏うラルの剣士装束を模した物だった。

「え…あ…あたし?…何故?どうして…?」

そう、それは紛れもない自分自身。毎日鏡で見る自分の姿そのものだった。それが鏡の外、自分の前に立ってこちらを見ているのだ。
唖然として身動きさえ忘れてしまうキャロン。目の前の人物、鏡写しのような少女が目の前にいて動いている事が信じられない。
いや、よく見れば一つだけ違う所があった。それは髪の長さ。目の前の彼女には常にキャロンの後頭部で揺れている大きなポニーテールがない。
少女のトレードマークである、いつも後ろで束ねている豊かで美しい髪、それを彼女はばっさりと切り落としてショートカットにしている。
その変化はキャロンの王女としての凛々しさや気品を薄め、快活で行動的な感じが強いものにイメージをがらりと変えていた。
ショートカットのキャロンはベッドの上で呆然としているキャロンに対しニコニコと笑いかけていた。

「こんばんは、キャロン。会いたかったよ」

普段するような陽気で、自然な挨拶。しかしキャロンはその声を聴いて更に驚愕する。それは全く自分の声と同じだったからだ。
あまりの事にこれは夢なのだと言い聞かせようとする。しかし、彼女にはこれが夢だと自覚することが出来なかった。

「だ…誰なの?…あなた…」
「あたし?あたしはロット。あなたの身体の人格。気持ちよくなりたいって願うあなたの心よ」
「ロット…?」

ロットと名乗った少女は明るい笑みを浮かべたままゆっくりとベッドのキャロンに近寄ってゆく。
キャロンはあまりの事に身動きをすることすら忘れてしまっていた。そして、ロットはベッドの縁に腰かけ、しなを作るとキャロンに顔を寄せる。
自分と同じ顔の、同じ瞳、同じ唇が、妖艶ささえ感じさせる所作で近づいてくる。キャロンは理解できず、まだ目の前の現実を受け入れる事が出来ない。

「キャロン、あなたがあたしを呼んだのよ。ま、せっかくなんだから細かいことは抜き。何もかも忘れて、自由になりましょ?」
「あたしが…あなたを…?……ひっ…ん…!?な、何するの?…んぅっ…むっ…む…んーっ!」

陽気な感じから一転、色っぽさを匂わせる仕草で耳元に口を寄せ、擽るように囁くが早いか、ロットはキャロンの頬に手をかけると唇を奪ってしまう。
理解できない状況のまま唇を奪われ、混乱するキャロン。柔らかで、しっとりとした唇の感触がキャロンの唇を包み込む。
暖かな吐息が顔にかかり、揺れるロットの前髪から自分がいつも使っている石鹸の香りがした。
そう言えばあの時以来、久しぶりのキス。それが女の子同士、いや、自分とになるなんて思ってもいなかった。
困惑を深めていく一方のキャロン。唇を啄まれ、頬を撫でられて思わず口が開いたところへロットの舌が滑り込んでくる。

「うふふ、目を白黒させちゃって…我ながら、かわいい反応……んーっ…ちゅっ…れる、んっ」
「やっ…やめて…むぅっ……ん…んぁ……ぁぅ…む…っ…ぅん…っ…」

口をこじ開けられ、為す術なく舌を絡め取られると唾液をたっぷりと含ませたロットの舌でぬるぬると扱かれる。
自分自身とは思えぬほど巧みなロットのディープキスにキャロンは舌から次第に全身へと痺れが走りだすのを感じてしまう。
嫌がっても体は勝手に反応する。跳ねのけようとする手がふるふると震えて次第に力がこもらなくなり、顔が熱くなってくる。
逃れようと舌を動かしても自然とロットの舌に絡み合ってしまう。それはまるで自分がどう動かそうとしているかを分かっているかのようだった。

(こんな…キスだけなのに……だ…だめ……こ、このままじゃ…あたし…)

自分にキスをされて感じちゃうなんて…!キャロンは焦るが、逃れようとする動きが全て読まれているかのように巧みに防がれてしまう。
力を入れればそれと同じだけ動き、体勢を変える事すら許されずに唇から口腔を蹂躙され尽くしてしまう。
そして今度は逆に舌をロットの口の中に吸い込まれ、唇と歯と舌で扱きたてられる。暖かなロットの口の中の感触が舌先から伝わりつつ、快感も流れ込んでくる。、
ぴちゃぴちゃ、ぬちゃぬちゃ、と舌の絡み合う淫猥な音がキャロンの頭に響き続け、息苦しさと熱が思考を徐々に奪っていく。
ようやく唇を解放された頃にはキャロンの力はすっかりと抜けてしまい、ベッドの上ではぁはぁと吐息を零してへたり込むばかりになってしまっていた。

「んぅっ…む…ぁ…はぁ、はぁ、はぁ…はぁっ…」
(だめ…頭、ぼうっとして…ち…力が…入らない……)
「む…ぁ…ぅんっ…我ながら柔らかくて、かわいい唇…自分とキスするのって初めてだけど、結構気持ちいいのね。さ、もっといっぱいしよ?」

ロットはベッドに上がると興奮を隠しきれないほどに赤らめた頬を寄せてキャロンを押し倒そうと迫ってくる。
情熱的なキスに力を奪われたのか、積極的なロットに気圧されたのか。キャロンが彼女を跳ね除けることはもう出来なかった。



「あぁっ…ん、んぅ…んんっ…ぁ…やぁっ…あ…はぁっ…はぁっ…」

ベッドに押し倒されたキャロンが薄い夜衣を乱れさせながら身悶えし、時折吐息を漏らしている。
押し倒した少女、ロットはキャロンの反応を確認するかのように身体のあちこちに触れ、キスの雨を降らせていた。
つるつるした寝衣の感触と素肌の感触をそれぞれ愉しむように外から触ったり、中へ手を滑り込ませたり、悪戯をするように擽ったりする。
唇も触れたり舐めたり啄んだり、歯を軽く立てたり、緩急も強弱も伴ったキスが少女の全身にくまなく降り注ぐ。
ロットの責めは巧みで、それでいてキャロン自身の敏感で気持ちよくなる所を、してほしい強さで確実に捉えてくるのだ。

「かわいい反応…もっと素直になっていいのよ?」
「あぁっ…う…やめ、やめてぇ…っ…あぁっ…はぁ、はぁ…」
(だ…だめ……気持ちよくなっちゃ…だめ…なのに…っ)

堪え切れぬように開いた口から喘ぎ声を漏らすキャロンにロットは笑いかけると抱きつき、太ももを撫でつつ首筋に舌を這わせる。
柔らかで、かつ弾力もハリもある少女の身体。自分の身体と同じ感触、同じ膨らみ、同じ体温の肌が敏感なキャロンの身体を包んでゆく。
優しく触れられるたびにキャロンの肢は悶えるのを堪えきれないようにベッドの上を蠢いてしまう。

「お肌、つやつやで……すべすべで……なのに敏感で、感じやすいのよねえ。ずっと触ってたくなっちゃう」
「あぁっ…だめ…そこっ……あ、あぁんっ…やっ…んぅ…っ」
(い…やっ……そんな…そんなにされたら…っ…あぁ…だめ、あたし…感じちゃうよぉっ…)

恥ずかしくなるような言葉をかけられながら背筋を指先でさわさわと撫でられ、ぞくぞくとした快感が走り抜けて眉が歪み、ぎゅっと閉じられた瞼が震える。
もはやなぜこんな事態になっているのかを考える余裕はない。今のキャロンは完全にロットにペースを握られてしまっていた。
背中を絶え間なく走る快感の波は徐々に強まり、全身に染み渡ってゆく。男の荒々しい手ではなく、少女の柔らかく優しい手が快楽の世界へ導いてゆくのだ。
抵抗しようとする動きはもう身悶えと蠢きに変り果て、ずれた夜衣の肩紐を直すことも、めくれて露わになった太股を隠すこともおぼつかなくなっていた。
剥き出しにされた、むちむちした健康的な両脚は愛撫の刺激を堪え、もがくようにベッドの上で艶めかしく蠢いて幾度もシーツを掴んでいる。

「もっと……気持ちよくなっていいのよ…ほぅら…こことか…イイでしょ…?」
「やぁぅっ…だ…だめ…そんなとこ…あぁっ!…ん…んんっ…く…はぁっ…ぁ…っっ!」

腋の下からずらされた肩紐の下、鎖骨周りの敏感な薄い皮膚までを擽るように、執拗に舐められて肩をすくめるように震わせるキャロン。
そのまま露わになった乳房の膨らみだす付け根にロットの舌がぴたりとあてがわれ、ゆっくりと這わされてゆく。
唾液を含ませた熱い舌の、触手さえ連想させる感触をキャロンに意識させたまま膨らみの外周に沿って舐め進み、腋と乳房の付け根に当たる箇所で止め、強く吸う。
「ひぅっ!」とキャロンが薄い悲鳴を上げて反応するのを見て楽しげに笑うと片方の手でキャロンの肩を抱き、そのまま手を滑らせてもう片方の肩紐もずらしてしまう。
弾力をもったキャロンの乳房がぷるんと音がするかのように揺れながら零れ、先刻から寝衣を突きあげるようにしていた乳首の尖りまでが露わにされた。

「うふふ、こんなに乳首が立ってる……感じてるのね……うん…あたしも、我慢できない…かも」
「あぁっ…やぁ…んっ…あ、ふ…んぅ…や…やめて……おねがい…あぁっ…」

キャロンの乳房の描く美しい丘陵に手を這わせ、桜色に尖った乳首の周りを優しく撫でるとロットはキャロンの寝衣を脱がせてパンティ一枚にしてしまう。
そうしてからロットは起き上がって自らの背中に手を回し、ブラの結び目を引いて胸当てを自らはずし、ベッドの外へと放る。
まろび出るその乳房はキャロンと全く同じ形で美しく弾力に豊んだ膨らみを持ち、桜色の乳首が昂奮で上向きにピンと屹立していた。
お互い下着一枚の姿になった所でロットはキャロンの素肌に更なる愛撫の手を這わせてゆく。

「すごくイイのよね……分かるわ…ほら、言っちゃお?……気持ちいいって……楽になるよ?ほうら…」
「や…やぁっ…そんな…そんなこと…あぁっ…うぅっ…く…んんぅっ…あぁ…ん」

ロットの、自分と同じ女の子の指が乳房の丘を麓から這うと、その柔らかな絵筆のようなタッチに思わずふるふると震えてしまうキャロン。
自分の記憶にある男や魔物の貪るような愛撫ではなく、どうされれば乳房をより気持ちよく高めていけるのかを知っている女の愛撫。
キャロンは身体を走る快感に囚われて混乱し、既に抵抗どころか声を我慢することが出来なくなってしまっていた。
自分と同じ声で責められ、ぷにぷに、むにむにと乳房を擽るように弄ばれ続け、こみ上げる疼きに押し流されて遂に言われるまま言葉を漏らす。

「…だ…だめ…ぁ…あぁ…き…きもち…いいっ……おっぱい…きもち…いいのっ…」
「うふふ、よく出来ました。じゃあ、ご褒美」

ロットは豊かで弾力のある双丘に爪と指の腹を巧みに使ってマッサージと擽りを繰り返し、唇と舌で更に変化を加える。
揉まれるキャロンの乳房がロットの手の中でふにふにと柔らかくされ、柔軟に形を変えられながら快感を蓄え膨らんでゆく。
そうして限界まで蓄積させてから、ピン、と乳首を指で優しく弾かれる。その刺激にキャロンは思わずぐん、と背筋を反らせて感じ入ってしまう。
気持ちいいと口にしてしまったことでキャロンの心理的防御は崩れてしまっている。後はもう堕ちるだけなのだ。

「あぁぁっ……だめぇ…っ…ち、乳首…そんなにしたら…あ、んんぅっ!…」
「ね、イイでしょう?……もっとエッチにしてあげる…」
(や…あぁっ……どんどん、よくなってる……ドキドキして……ダメ…とまらない……こんなの…がまんできない…っ)

右から左、また右へと何度も麓から乳首へと快感を絞り上げるようにロットの手と舌が導き、尖頂で交互に破裂させられる。
一度弾けされられても快感は減るどころか倍化してゆく。そして最初は指で撫でるような乳首への一撃が舌に変わり、爪で引っ掻くようになり、
唇で吸われるようになり、遂には歯が立てられる…といったように徐々に最後を強くされてゆき、快感は高まってゆく一方だ。。
されるがままに喘ぎ、かぶりを幾度も振って悶えるばかりのキャロンの額には徐々に汗が浮かび、肌にも汗が滲んでうっすらと艶を持ちだしていた。

「こんなのは、どう…?……少しくらい痛いの…好きなのよね…?」
「あぁぁっ!…や、やめて…いたっ…あぁぁぁ…お、おっぱい、し、痺れちゃう…っ…ふあぁぁ…っ」



悪戯っぽい笑みを浮かべながらキャロンの乳首を優しく噛み、豊かな乳房を釣り上げるロット。
乳首から走るじんじんとした刺激にキャロンは大きくかぶりを振りながら体を震わせ、唇まで震えて悲鳴のような喘ぎ声を上げてしまっていた。
ロットの言葉を否定することがもう出来ない。事実、キャロンの身体は快感にすっかり囚われてしまっている。
しかも自分が気持ちよくなってしまう場所をしてほしいと思うタイミングと強さで、確実に。
そんなことは自分自身にしか出来るはずがない。何故なのかは分からないが、もう認めるしかないのだ。

「かわいい…まだおっぱいだけなのにもうイっちゃいそうな蕩けた顔してるわよ…」
「や…そ、そんなこと…言わないで…ぇ…んっ!…ぅ…はぁ、はぁ、はぁ…っ…はぁ…ん…っ…ぁ…」
(あぁ…おっぱい、すごく感じちゃう……あたし…どんどんエッチになって…あぁ…だめ…もっと欲しいって思っちゃう…!)

歯から解放された乳房が重力のまま、ぷるん、と揺れ落ちるのに合わせ、背を反らせたまま震えていたキャロンの身体もベッドに崩れ落ちる。
左から右へ、また左へと続けられた乳首責めから解放されてもキャロンの双丘はじんじんと痺れ続け、切ない痛痒感さえ残したままだ。
ぐったりとして切なく荒い吐息を漏らし続ける少女。しかし、余裕のない状態なのに少し放置すると触って欲しいというように胸が軽く反らされる。
キャロンの顔は恥ずかしげに背けられ、目は耐えるようにぎゅっと閉じられている。しかし身体は無意識にして欲しい事をおねだりしてしまっているのだ。
ロットは少女のそんな様子を見て悪戯っぽく笑い、体を起こすと赤らんだ少女の頬に優しく口づけする。

「うふふ、気に入ってくれたみたいね。嬉しいわ……そうだ、次はこんなのはどう?」

いいことを思いついた、という風に言うとロットはゆっくりとキャロンの汗ばんだ身体に自分の火照った身体を重ねてゆく。
ぴったりと乳房同士が触れあい、しっとりした肌が重なり合う。乳首が絡みあいながら潰され、同じ質量の弾力ある乳肉が互いに押し潰される。
同じ形の美しい双乳がぐにぐにと潰れ、弾力でむにむにと反発する。そうして二対の柔肉が汗と涎を潤滑剤にして蠢き、淫靡に擦れ合う。

「あぁっ…」
「うぅんっ…」

互いの喉から切なげな喘ぎ声が漏れた。ロットはうっとりとした表情を浮かべながら胸同士を重ねたまま蠢かせ、硬く尖った乳首と形の良い乳房を擦りつける。
互いの敏感な乳首から走る刺激に加え、ぐねぐねと乳房を揉むように撫で擦られる刺激がキャロンとロットの身体へ同時に、同じ強さで走ってゆく。
擦れた熱と上昇する体温で汗が滲めば、滲んだだけ互いの乳房はぬるぬると淫靡な絡み合いを深め、刺激し合い、昂ぶってゆくのだ。
女同士でしか出来ない性技、乳房での相愛撫。キャロン自身の経験にない責めにぐいぐい引きずられていってしまう。

「はぁ、はぁ、はぁっ…あぁ…んぅんっ…ん、うぅっ…あぁ…っ…ち、乳首が…こすれて…あぁっ!」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……すてき…はぁ、はぁ……あぁっ…おっぱい…すごく…気持ちいいっ……あぁっ…感じちゃう!……」

自分のおっぱいが、自分のおっぱいに捏ねられてぐにぐに、むにむにと形を変える。柔らかくも弾力に富んだ乳房の蠢きが少女たちの性感を際限なく煽っていた。
責めながら、責められているロット。責められながら責めているキャロン。乳首を突き合い、互いの乳房を擦り合わせ、互いの鼓動を感じながら絡み合う二人。
いつしかキャロンは喘ぎながらロットの太ももに自分のあそこを擦りつけるかのように深く絡め、腕を背中に回して抱きついてしまっていた。



二人は夢中になって擦りつけ合っていたが、キャロンが快楽にすっかり飲み込まれて力が抜けきったのを見てロットはゆっくり体を離す。
その顔や身体には昂奮のあとが色濃く浮き出ていた。彼女自身もキャロン同様に快楽に身を委ねてしまっているのだ。

「はぁ、はぁ……まだこれからよ…もっと気持ちよくしてあげるから……いっぱい感じてちょうだい…」
「…あぁっ…だ、だめ、そんな…されたら…あぁんっ…はぁ、はぁ、はぁっ…ん…あぅっ…!」

ロットは呟くように言うと再び胸を重ねながら手を使ってキャロンの身体を撫でてゆく。手が触れるたびキャロンはびくびくと敏感な反応を返してしまう。
体勢を変えて半身になったり、うつぶせにさせたり、ロットは全身でキャロンの身体へ絡みつき、様々な角度から愛撫を重ねてゆく。
指も舌も、歯や唇に爪、乳首まで使って身体中を愛撫し、自分自身だからこそ知るキャロンの秘められた性感帯を開発し、火をつけてゆくのだ。

「あぁぁっ…や…そ、そんなとこ…あぅっ!…くすぐった…ひゃぁんっ…あ…ぁ…だめ…だめぇ…」
「ほら…こんなとこも…こうされると、すごくいいの……ね?…ぞくぞくしちゃうでしょ?」

キャロンはロットの愛撫を受けて為す術なく身悶え、甘い声で喘ぎ続ける。瞳は潤んで視界がぼやけ、口元は緩みっぱなしで涎まで零してしまう。
そうして、ロットの手がキャロンのお尻のなだらかな曲線へと滑ってくるのを感じるとキャロンは枕を掴んだ手をぎゅっと強く握りしめた。
お尻を撫でている少女の中指がゆっくり焦らすようにしながら割れ目をなぞり、パンティの上を滑り降りてクロッチまで到達する。
既にキャロンのあそこはぬめりを帯びてしまっている。溢れた蜜が白いパンティに小さな染みを作ってしまっていた。

「や…やぁっ…やめて……そこ…だ…だめ…っ」
「うふふ、触ってほしいくせに。素直じゃないなあ」

事実、キャロンはロットの手の動きに合わせて腰を浮かせ、内股を軽く広げてしまっていた。そう、身体はもう触ってほしいと全力で訴えてしまっているのだ。
無意識の反応で期待してしまっているのを見透かされたキャロンの顔が俯き、羞恥心で更に赤く染まる。しかし肢を閉じることができない。
そしてロットの指が恥ずかしい染みの中央にくちゅり、と触れるとキャロンはびくん、と震えてあごを跳ね上げてしまう。

「あぁぁっ!」

悲鳴を上げて悶えるキャロンの前からも手が伸び、少し盛り上がったふにふにと柔らかな丘を撫でられる。
いやいやと首を振るが、もうその動きも弱弱しいものにしかならない。前と後ろから同時にあそこをパンティ越しに責められ、染みは徐々に広がっていく。
前から撫でられては腰を引き、お尻から撫でられては腰を前に突き出してしまう。そうして太ももはもどかしさと切なさに震えながらもじもじと動くばかりだ。

「だ、だめ、やめて…あぁっ!や、あぅんっ!…だめぇっ…んぅっ!…や…はぁっ…いやぁっ…」

徐々に触れる指が下着をずらしにかかる。後ろから迫る指が下着に包まれた部分に触れ、前から迫る手が少女の薄いしげみに手をかける。
キャロンは恥ずかしさに顔を真っ赤にし髪を振り乱して嫌がるが、苛める側のロットにははっきり逆効果だった。

「すごい、もうぐちょぐちょに濡れてる…あたしって、ほんとにエッチな女の子よね……」
「や、やだ…っ…そんなこと…あたしの声で…言わないでっ…あぁぁ…っ」

ぬるぬると蜜でぬめる指でお臍を弄られながら自分の声で耳元に囁かれ、キャロンは倒錯的な感覚にぞくぞくと背を震わせ、目を潤ませながら喘ぎ叫ぶ。
背中にはロットの乳房が押し当てられ、うなじに舌を這わされながら胸を苛められる。あそこを指でくちゅくちゅされながら同時に乳首を優しく抓られると
全身が痺れるような快感に包まれ、キャロンはもう震えることしかできない。身体が快楽を受け入れてしまっているのを完全に自覚してしまったのだ。

「ほら……こんなにびしょびしょ……どう?自分の蜜の味…」
「むぅっ…ん、やぁっ…あぅ…むぅんっ…」

蜜を掬った指がキャロンの口に突き込まれる。生暖かく、とろとろとして塩気のきつい、いやらしい味が口の中に広がってゆく。
こんなものをあの魔王は欲しがったというのか。顔をしかめ、首を振って嫌がるが口を閉じられず、舌はロットの指の動きに完全に弄ばれてしまう。
その間にもあそこはロットの指によって苛められ、胎の奥で熱い疼きがどんどんと生まれて身体中に広がってくる。

「あぁっ…も…、もうダメぇ…っ…はぁっ…はぁっ…はくぅんっ…」
「すごい……入り口が指、きゅうきゅうって締めつけてる………うん、もう邪魔よね…これも」

指を抜かれてぐったりと倒れ伏したキャロンの腰骨あたりに両手の指がかけられるとゆっくりとパンティが脱がされてゆく。
うつ伏せのキャロンは抵抗せず、むしろ自分が腰を浮かせて脱がせやすくした上、ゆっくりと剥かれてゆくお尻に僅かな解放感さえ覚えてしまっていた。
恥ずかしげに顔を赤くして枕に顔を埋めるキャロンの姿を楽しげに見つつ、ロットは自分もビキニを脱いで床に落とす。
裸になり、剥き出しになったロットのあそこから蜜が一筋密かに溢れて内腿を伝う。彼女も同じ体である。責める側とはいえ、肢体は昂ぶっていたのだ。
キャロンの太ももからお尻、尾てい骨から背中へ、起伏に富んだ曲線を愉しむようにつつ…と手を滑らせながらロットは囁きかける。

「さ、もっと愉しみましょ。本番はこれからよ…」



王女専用の大きな白いベッドの上でロットの身体が絡みつくようにしてキャロンの肢体を這っている。
共に全裸になった二人。キャロンは全身を使ったロットの愛撫にすっかり蕩けさせられ、切ない溜息と甘い喘ぎ声を止めることが出来ない。
同じ体の二人。当然の事だが肌の相性は最高である。その指の動き、舌の動き、触れる一つ一つの蠢きがたまらなく心地良い愛撫になる。
絡みつく腕と指、押し当てられる乳房の感触、絡め合う太ももの感触、どれもがキャロンに馴染み、虜にしてしまう。

「気持ちいいでしょ?ほら、もっともっと良くしてあげる…」
「あぁっ…はぁ、あんっ…あ…んんぅ…あぁんっ…や…はぁ、はぁ…うぅっ…く…んぁっ…」

半身で横たわるキャロンの背後からロットが愛撫を重ねている。乳房を揉まれ、お尻を撫でられてはあられもない喘ぎ声を上げるキャロン。
脇腹を強く吸われ、背筋に舌を這わされ、腋の下を舐め擦られては鳥肌が立つような快感にぶるぶると震える。
うなじを、耳朶を舐められ、首筋に赤い痕が残るほどのキスをされ、キャロンの目の前にはばちばちと快感の火花が幾度も散る。
そうして再び唇が重ねられて熱い舌が深く入り込んで舌を絡み取られる。自分の汗の味がロットの舌から伝わってくるのに気付き、キャロンの眉が震えた。
同時に指が背後からあそこへと滑り込み、くちゅくちゅと弄られるとキャロンは太股を幾度も震わせて快楽の電流を受け止め堪える。

「あぁぁっ…はぁ、はぁ…お、おねがい…も…もう…!…あぁっ!は、んぁっ…く…くぅんっ!…」
「はしたない声出しちゃって……でも、まだよ…まだイっちゃだめよ…もう少し…」

充血したピンク色の陰唇を掻き回され、キャロンの喘ぎが次第に切なさを強め、徐々に切迫したものになってくる。
ロットはあそこを弄る手の動きを巧みに調節しながら更にキャロンの性感を煽ってゆこうと愛撫を重ねてゆく。
仰向けにさせて腋の下から脇腹、お臍へと啄むようなキスをしながら舌を滑らせる。ぴくぴくと反応を返すキャロンの動きを愉しみつつ
太股の間に身体を移動させてからそのまま下へ滑ってあそこへ到達し、濡れた繁みの奥へと顔を埋めた。

「あたしのあそこ…こうなってるのね…こうやって見ると何か新鮮…」
「あぁっ…や…やだぁ…っ…見ないで…っ」

キャロンのあそこは既に蕩けて蜜を溢れさせ、襞は赤く充血し、ひくひくと痙攣している。その中央上部では花芯が真珠のように濡れた光を帯びていた。
ロットの感嘆するような吐息がかかり、羞恥も相まってキャロンの顔が真っ赤に染まる。その目はもう快感に潤んで涙を溢れさせてしまっている。
しかしキャロンのむちむちした太ももは開かれたまま閉じようとする意思もなく、これから迎えるであろう快感への期待に内股を震わせてしまっていた。
ロットは太ももを優しく撫でるとその付け根にキスをする。そのまま舌を伸ばして腿の筋を舐め擦りながらキャロンの身体の芯を目指す。

「…そろそろイっちゃおっか…?」
「あ…あ…あぁ…っ…お…おねがい…っ」

わななくような、はしたない喘ぎ声を上げつつ頷いてしまうキャロン。もう、イキたくてたまらなくなってしまっていたのだ。
熱い舌が大陰唇を捲り上げ、外周をなぞり、小陰唇に溜まる蜜を掬い取りながらぐちゅぐちゅといやらしい音を立てて混ぜ、花芯の包皮を優しく剥いてゆく。
今、ロットの舌の動きがキャロンの意識のすべてを手中にしてしまっている。シーツを強く掴み、唇を震わせ、目蓋をぎゅっと閉じ、身体の抵抗も全て放棄した少女。
快楽の極みに到達する、その瞬間を今か、今かと待ってしまっている。当然、ロットもそれを理解してわざとゆっくり、じらすように舌を動かしてキャロンを導く。

「あぁっ…だ、だめ、もうっ…もうあたしっ…あぁっ!やっ…い、イっちゃうっ…あぁ、い、いくっ…うぅっ!」

絶頂を最大限に味わえるよう、ロットによって巧みに導かれた、キャロンにとって待ち遠しい、その到達点が遂にやって来る。
苛められ、焦らされ、煽られ、弄ばれ、泣き濡れるようにトロトロした蜜を溢れさせるキャロンの真珠のような快楽中枢がロットの唇の中に含まれた。
暖かな感触に包まれ、次にぬめるような熱い感触が押し当てられる。舌が、触れ、吸われた。と感じた次の瞬間。

「ああああああーーーーーーーっ!」

キャロンの身体が思い切り爆ぜた。稲妻があそこから脳天へと走り抜けたかと錯覚するほど途轍もない感覚が意識を白く染め上げる。
びくんと全身が波打つように跳ね、同時に跳ね上がったおとがいから歓喜に満ちた甲高い嬌声が迸る。
ぎゅっと絞られた目からは涙が溢れ落ち、手足の指がぴんと引き攣って握りしめられたシーツに強い皺がよる。
大きく胸を反らし、背中を浮かせたまま、キャロンの身体は痙攣するようにぶるぶると震え続ける。
大きな波が突然現れて全てを奪い去ってゆくような強烈過ぎる快感に少女はすっかり押し流されてしまっていたのだ。

「------っ!…っ!ぁ…っ…か…あ…はぁっ…っ…」

キャロンにとっては途方もなく長く感じたであろう刹那の後、体はがくりと崩れ落ちる。
後には漣のように残る絶頂の余韻と途方もない脱力感。それはかつて感じてしまった快楽の極み。忘れることのできない、暗くて甘い記憶。
はぁ、はぁ、と荒い吐息で乳房が上下するその視界の下からロットが顔をのぞかせ、こちらへとやってくる。
自分と同じ体の、自分と同じ顔が近づいてくる。目を閉じると自分の蜜で濡れたその唇が合わせられ、薄く開いた唇の間から舌が入り込む。
キャロンは自然に舌を差し出し、ロットの舌を受け入れていた。自らの蜜の味が口の中に広がり、喉へ落ちてゆく。

「素敵よ………すごくかわいい……む…ん…」
「んぅっ…ん……ん…む…」
(ああっ…お、おいしい…)

先刻は嫌がっていたはずの自分の蜜の味にうっとりとしてしまうキャロン。快楽に思考が塗りつぶされてしまったのだ。
身体中がどこもかしこもふわふわとして飛ぶように心地良い。長い絶頂の余韻がいつまでも続くような気さえする。
睦み合うようなキスに夢中になりながらキャロンは自然にロットの背中に手を回し、ロットは受け入れるように太ももをキャロンの肢に絡める。
キャロンはロットの太もものむちむちした感触を味わいながら、やがて自分の太ももに触れているロットのあそこが蜜を溢れさせているのに気が付いた。
彼女も自分と同様に昂奮していたのだ。そして夜はまだこれからであると二人の王女はどちらからともなく悟っていた。



「うふふ、今度はあなたがしてみてちょうだい…面白いことに気が付くはずよ?」

少しの休息の後、ロットはキャロンを抱きしめたまま下になった。キャロンは言われるまま何気なくロットの乳房に手を触れ、え?となって思わず手を離す。
ロットは笑顔のままキャロンの狼狽する顔を見ている。悪戯っぽい、分かっていて面白がっている顔だった。
もう一度触れる。そして自分の胸を確認する。不思議な感覚だが、間違いない。ロットの身体に指で触れた所と同じ場所に触れられたような感覚があった。
理屈は分からなくとも身体が理解する。二人の身体で感覚が共有化されているのだ。

「面白いでしょう?身体が同じって、こういう事も出来るのよ」

キャロンは笑ってみせるロットの顔が赤らんで余裕なさげに吐息を漏らしているのに気づき、その理由に思い至る。
そう、二人は今感覚を共有している。とすればロットもキャロン同様に絶頂したばかりの身体になっているのだ。
で、あれば。キャロンの脳裏に悪戯っぽい考えが浮かぶ。それがロットの思惑でもあることもなんとなく分かってはいたが、
彼女は結局それに乗ることに決めた。自分同士とはいえ、やっぱりやられっぱなしは性に合わないのだ。

「…いいわ、さっきまで好き放題にされた分、思い切り苛め返してあげる」

言うなりキャロンはロットの乳房を掴む。自分の胸にも痛みに似た感覚が走り、思わず顔をしかめる。しかし構わずそのまま乳首を口に含み、吸い上げた。

「あぁんんっ!い、いきなり…強すぎっ…ぁぁぁっ!」
「く、んぅっ…!」

身体を走り抜ける強い刺激にロットのあごが跳ねる。喘ぎ、首を振るたびにショートカットの髪が乱れて汗ばんだ額に張りつく。
そしてキャロンも今まで経験したことのない、ありえない感覚に当惑しながら飲み込まれようとしていた。
コリコリと尖った乳首を口の中で転がす度に何もされていない自分の乳首に舐められたような強い刺激が刺さり、胸の内に走り抜ける。
自分の乳房を自分で犯せば、その感覚が自分に返ってくる。犯す側の加虐的な快感と、犯される側の被虐的な快感が同時にやって来るのだ。

「あふ…あぁんんっ…や…ぅ…んんっ…んぁ…っ…く…ひゃぅんっ…」
「く、くぅっ…んんっ…」
(す…すごい…あ、あたしのおっぱい…こんなにすべすべで柔らかくて、むにむにして、暖かくて……いやらしくて……気持ちいいなんて…っ)

敏感な自分の胸の生み出す快感に自身で驚きながら、キャロンはどこかで納得する。
これならロットがどうして自分の気持ちよくなる所を責め続けられたのか、不思議な事ではない。相手の感覚が自分の支配下にあるのだから。
今どこを、どのように、どんな強さで、どのタイミングで、何度責めたら気持ちよくなるかは自分が一番分かる。
自慰に似た、しかし自分ではないゆえの容赦ない快楽責め。これはキャロンが抵抗できるはずもなかったのだ。

「あぁっ!も…もっと…きてぇ…あぁっ!そ、そう、上手よ…あぁっ!ん、うぅんっ!はぁっ、はぁっ…あぁんっ!」
「くぅっ、ん、ふう、ふぅ、うぅんっ…く…ぁぁ…っ…」
(あ、あたしって……してる時…こんなにエッチな声…出してたの…?……何か…恥ずかしい……)

乳房を揉みしだき、お尻を撫で、うなじを舐めまわす。かつてその身体にされた行為を蘇らせるようにしてロットの身体を蹂躙するキャロン。
ロットはたまらず顔を歪めて喘ぐ。しかし、キャロンの身体にもロットの感じている快感はそのまま返ってきている。
キャロンのうなじを汗が流れ落ち、表情に余裕はない。必死に責め続けていなければ自分の方がまいってしまいそうになるのだ。
そしてロットもまた同じ感覚に喘いでいた。気を抜けば溺れてしまいそうになるほどの快感が既にロットの胎の内で渦を巻いている。
互いに犯しあいながら、同時に犯され合う二人の行為はもうエスカレートするより道はないのだ。

「はぁっ…はぁっ…はぁっ……あぁっ!む、ぅうんっ!だ、だめ…も…もうあたし…あたしっ…はぁっ…はぁっ…」
「っ…くぅぅっ!…か…ぁ…っ…は…はぁっ、はぁっ…ん…っ」
(イきそう…なのかな…?……ああ、あたしって…さっき…こんな、はしたない顔してたんだ…)

乳首を啄みながら手をあそこへと滑り込ませる。内股が自然にきゅっと締められるが構わずに指で襞を捲り上げるとロットの身体がビクンと跳ねた。
キャロンは自分のあそこにも走る強い快感に痺れながら、ロットの不安と期待が入り混じったような切なげで被虐的な表情を見て思わず笑みを浮かべてしまう。
胸の内に浮かんだ嗜虐的な衝動に流されるようにキャロンは蕩ける襞の内側に指を突き入れ、ぐいっと曲げてGスポットを抉った。

「ああぁぁっ!!」
「くぅうううっ!」

二人の身体が同時に跳ね、汗と蜜が飛沫く。お尻をふるふると震わせながらキャロンは思わず笑ってしまっていた。
感覚共有で受ける快感は同じだが、最後の所では実体で触れられている分、されている側の方が若干強いようだ。
その証拠にロットの方は身体を痙攣させ、絶頂感に打ちのめされてしまっている。さっきイかされた自分がそうだったように。

(なら、主導権はまだあたしよね…!)

まだ息の荒いロットの身体に覆いかぶさると、乳房の麓や腋腹、首筋などに口づけして身体に快楽の火を点してゆく。
それはとても容易い事だった。自分が先刻教え込まれた自分の性感帯へ、自分がされたようにすればいいように行うだけなのだから。
ロットも抵抗する力なく悦んで愛撫を受け入れ、全身を襲う快感に震えて喘ぎ、悶えている。
いつの間にかキャロンはこの事態がなぜ起こっているのかを追及することを完全に忘れ、目の前の勝負?に夢中になってしまっていた。

「あぁっ!ま、まだイったばかり…あぅんっ!きゃ…ひゃぁんんっ!ああ、ダメ、そこ敏感になって…あぁっ!」
「くっ…ふ…うんっ…ま、まだまだよ…っ…ひゃ…んぅ…はぁ、はぁ、はぁ…っ」

自分がされたように背筋を指先で撫でるとロットはキャロンがしたように背を反らしてびくびくと体を震わせ、キャロンの身体をかき抱くようにしながら悶える。
キャロンは従順なロットの反応に嗜虐心を煽られるようにロットの身体を追い詰める。胸が自然と昂ぶり、胎の奥が熱くなって来るが、もう止めることが出来ない。
うつぶせになった少女の背中に舌を這わせ、片手を胸に、片手をお尻からあそこの襞に滑り込ませ、キャロンは熱に浮かされたように自分の身体を犯してゆく。
自分のあそこがどうしようもなくむずむずして耐え切れず、無意識に太ももを擦り合わせるようにしてしまっているのに少女自身は気づいていなかった。

「あぁぁんっ!やぁ…っ!!だめ、あぁ…ぞくぞくしちゃうっ…ひぃんっ…あ、そこ…あぁっ!」
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…ど、どう?もっとしてあげるわ!はぁっ、はぁっ!」

幾度も背を弓なりに反らせてロットが嬌声を上げる。キャロンの手がロットの乳房をぐにぐにと揉みしだき、花芯を執拗に擦りあげているのだ。
かぶりを振り、赤らめた顔で快感に潤んだ瞳から涙を零しながらロットはキャロンの愛撫に感じ入り、幾度も軽い絶頂に到達してしまっている。
ロットのあそこは弄られるたびにひくついて弄ぶ指をきゅうきゅうと締めつけ、犯すキャロンを夢中にさせてしまう。
犯され、荒い吐息を漏らしながら、ロットは快楽の熱に浮かされて荒い息のまま自分を犯すキャロンの赤らんだ表情を見て微笑んだ。



何度かロットが達し、キャロンが少し疲れを覚えて手を休めたその瞬間、ロットはそれまでの緩慢さが嘘のように素早く動いてキャロンを押し倒し返す。
そして自分のあそこをキャロンの眼前に晒したまま自らの顔をキャロンのあそこに埋めた。いわゆるシックスナインの体勢である。
加虐と被虐が一手で逆転してしまった。とっさのことに狼狽えて対応できないキャロン。

「はぁ、はぁ、はぁ…そ、そろそろ…反撃しても…いい、かしら?」
「あっ…や、だめっ…」

荒い息のまま言うとロットはキャロンの濡れたあそこへ唇で触れ、花芯へと熱く火照った舌で愛撫を加える。
既にぐしょぐしょになるほどに蜜を溢れさせ、熱く蕩けてしまっていたキャロンの身体は実態を伴う急所への愛撫に敏感に反応してしまう。

「あぁっ!」

びくん、と身体が跳ね上がり、キャロンの肢体が全身を駆ける電流に震える。一撃で参ってしまう程彼女の身体は出来上がってしまっていたのだ。

「うふふ…もうイっちゃった?…すごくエッチなのね。キャロン」
「く…うぅぅ…んっ…」

ロットが笑う。しかしその額には汗が浮かび、表情に余裕は少ない。
キャロンは震える口元をぎゅっと絞るとロットのお尻を掴む。ロットの尻肉がぐにっとたわみ、トロトロと熱い蜜を零れさせる淫蕩な陰唇が露わになる。

「やんっ!だめ、お尻…そんな強く掴んじゃ…」

剥き出しになったぬるぬるの陰唇にキャロンの吐息が当たると、ロットの声に少しの怯えが加わり動きが止まる。
そしてどこかでそんな冷静な感想を持ちつつ、首を起こしてさっきされたようにロットのあそこに口づける。ロットの震えが唇に伝わってくる。
いやらしい蜜の味を再び舌に感じながらキャロンは花芯を舐め上げた。最大の快楽中枢への一撃にロットが耐えられるはずもない。

「あぁぅぅっ!!」

今度はロットの身体が跳ねる番だった。背中をぐんと反らして目を見開き、全身を貫く快感にびくびくと震える。ロットの身体も同様に出来上がっているのだ。
キャロンはしかえししてやった、と言わんばかりの笑みを浮かべつつ自分の唇に纏わりつく蜜を舐め、飲み下した。

「はぁ、はぁ、ど…どう?…ロットも…ずいぶん、よさそうな声出しちゃってるじゃない…」
「や…やったわね…はぁ…はぁっ…」

ロットはひとしきり体の震えを味わうと、また仕返しのようにまたキャロンのあそこに舌を伸ばす。やられたら次はキャロンが、そしてロットが…やがて同時に…
二人は互いに競い合うようにして互いの陰唇にむしゃぶりつく。お尻を抱え合い、太ももを撫でまわしながら襞に指を突き込んで掻き回す。
お互いがお互いの身体の中心を抉って犯し合い、翻って来る強烈な性感で自らの身体を蝕み、苛んでゆく。

「あぁっ!あ、く、んぅっ!はぁっ、はぁっ…む…ちゅうっ…ん…く…あはぁっ!…れる…んん、うぅんっ!」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…む…ちゅるっ…くぅっ…う…ふぁんんっ!…あぁ…ぐ…うぅぅっ!はぁっ…はぁっ…」

ベッドの上で互いのあそこを舐め合いながら二人の王女が絡み合い、上になり、また下になる。それは戦っているようでもあり、愛し合っているようにも見える姿だった。
二人の喉からは切なげな喘ぎ声がとめどなく、同時に溢れている。どちらが主導権か、ということはいつしか二人の脳裏からは外れてしまっていた。
犯し、同時に犯される。嗜虐と被虐の愉悦が同時に、しかも2倍に膨れ上がって肢体に叩き込まれるという通常では決してありえない快楽に呑まれてしまったのだ。

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…あ…あたしのあそこって…こんなことになってるのね…はぁっ…はぁっ…ちょっとびっくり…」
「はぁ…はぁ…はぁ…すごく……エッチでしょ?…綺麗なピンクで…触られるときゅんきゅん締めつけて…た…たまらなくなっちゃうのよね…はぁ…はぁっ…」

二人は同時にあそこから顔を上げると正常位に戻り、互いの太ももを挟み合い、肢を深く絡みつかせる。それはすなわち、互いのあそこ同士を触れさせる体位だ。
肢と腰を動かし、むちむちとした太ももと内股を押し付けて互いのあそこを締め付け、擦りつける。蜜に蒸れた繁みが捩れ、襞同士が触れ合い、互いの媚肉と蜜が絡み合う。
お互い髪は乱れ、顔は昂奮に赤らみ、汗と蜜、涙と涎でぐしょぐしょに濡れたはしたないものになってしまっている。
しかし、肢体の全てを解放した二人の少女が睦みあう姿はこの上なく淫らで背徳的ではあるが、美しいとさえ思える光景でもあった。

「はぁ、はぁ、はぁ……あぅっ…ふっ…くぅんっ…んぅぅっ!」
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…んぅぅっ…ひ、あぁんんっ…!」

抱きしめあい、手を絡ませ、息を弾ませながら、快楽に染まり切ったしどけない顔のまま見つめ合い、そしていつしか笑い合う。
互いの弾む乳房が触れ合い、汗まみれの身体が密着する。どちらからともなく唇を重ね、二人は腰を蠢かせてあそこを擦りつけ合いはじめた。
むちむちした太ももが、ひくついた内股が、薄い繁みが、充血した襞が、蜜を溢れさせるその奥が、互いに擦れ合って二人の快感を際限なく煽り、燃え上がらせてゆく。

「あぁぁっ!…あ、く、うぅんっ…ん、あはぁっ!ぅ…ひゃぁんんっ!」
「うぅぅっ!ん、はぁんっ!はぁ、はぁ、はぁ…ぁ、あぁんんっ!」

昂ぶった二人の同じ嬌声がシンクロし、エスカレートしたまま部屋中に響き渡る。大声を出しても誰も来ないのは二人ともよく知っていた。
舌を絡ませて唾液を交換し、乳房を押し潰しあって汗を交換し、太ももを深く絡ませ、ひくつく肉襞と泣き濡れる花芯を擦り合わせて蜜を交換する。
同じ肉体が同じ性感に同じだけ溺れ、二人の身体が溶け合って一つになってしまうような錯覚を覚えながら二人はもう止めることも出来ずに犯しあう。
もとより射精による解放がなく、快感だけが積もってゆく女性同士のセックスは互いが行くところまで行かなければ終われはしない。

「あぁぁっ!も、もうダメ、あたしっ…とけちゃいそうっ……あぁ…イくっ…はぁ、はぁっ…あ、あたしぃっ!やっ…あぁぁっ!」
「くぅぅっ、あ、あたし、も…我慢できない…っ…あぁっ!…はぁ、はぁっ、あぁぁ…いく、いっちゃう…イっちゃうよぉっ…!」

髪を乱してかぶりを振り、快感に震える互いの身体をきつく抱きしめ、もう無意識で腰を蠢かしあいながら二人は共に絶頂へと駆け上がる。
蜜を溢れさせる互いの花芯の包皮が捲れ、充血して膨らんだ陰核が直接触れ合い、くちゅくちゅと擦れ合うたびに大波のような快楽が二人を持ち上げ、容赦なく叩きつける。
その落差はどんどん激しくなり、胎の奥からこみ上げるような衝動が絶頂への希求以外の思考を二人から奪ってゆく。
視覚も聴覚も嗅覚も味覚も触覚もすべてが快楽を受容するために全力で活動し、ぜぇぜぇと荒い吐息も、激しくなる一方の胸の鼓動も、汗も涙も涎も蜜もすべてが蕩けてゆく。
感覚をリンクした二人の少女は絶頂へと堕ちてゆく嵐のような性感の渦の中でお互いの境界さえあいまいになる程に責めあい、同時に受け入れあう。
そうして、二人のキャロンはぐちゃぐちゃになって混ざり合うような感覚の果てに同時に絶頂へと到達した。

「「ああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」」

絶頂の歓喜に至った甲高い嬌声のユニゾンが部屋を埋め尽くす。きつくお互いの身体を抱きしめあいながら、二人は長い時間びくびくと体を震わせていた。
互いのあそこから噴出した潮が互いの下半身を濡らし、溢れてシーツに大きな染みを作ってゆく。
痙攣する二つのシンクロした肉体は全身を蹂躙しつくす快楽電流を心行くまで味わい尽くし、人形の糸が切れるように同時に脱力して、ようやく離れた。

「はぁ、はぁ、はぁ…ん…はぁっ…はぁ…はぁっ…あぁぁぁ…っあ…ん……ぅ…」
「はぁ、はぁ、はぁ…ん…はぁっ…ん…ふぅ、ふぅ…っく…ぁぁ…はぁ…はぁ…」

共に絶頂に達し、身体の疼きを心行くまで慰め合った二人がベッドに横たわる。互いに力は尽き、今は快楽の余韻に浸り続けていた。
やがて溶け合った二人の身体はゆっくりとまた二人へ戻ってゆく。時折手を触れ合い、キスを交わし、身体に触れ合いながら荒くなった呼吸と鼓動を休めてゆく。
その姿は双子の姉妹のようであり、睦まじい恋人のようであり、旧知の友達のようでもあった。やがて二人は心地良い疲れに身を委ね、深い眠りに…



つくはずだったのだが。


「……まだ、イけるわよね?」
「…もちろん。こんどは、先にイかせてあげるわ」

一休みを終えると二人はどちらからともなくからかうようなキスを交わし、互いの肌を擽り、悪戯するように乳房を弄り、あそこに指を這わせだした。
互いに絶頂後の敏感になった肌は苛まれてびくびくと震わせ、やがて二人は熱烈に舌を絡ませ、手をきつく握りしめて幾度も抱き合う。
汗に濡れた肌を擦り合わせ、蜜を溢れさせるあそこを穿りあい、熱を交換し、溶け合うようなキャロンとロットのセックスは二人に睡眠さえ忘れさせた。
時には相手ではなく自分達の身体を弄って感覚だけを伝え合ったり。もはや自分の手かそうでないかさえ二人の間では曖昧になっていた。
自分とセックスするというありえない、究極の自慰。同じだけの快感を同じ身体が受けるのだからどちらが先に参るか、なんていうのは最終的には愚問に過ぎない。
蕩けた喘ぎ声と汗まみれの身体のぶつかり合う水音は結局朝になるまで止むことがなく、二人の少女は本当に動けなくなるまで抱き合い、蕩けあった。
後には互いの汗と蜜と潮でぐしゃぐしゃに乱れたベッドと、全身を愛撫とキスの痕跡だらけにしたまま気を失ったように裸で眠る少女たちの満たされた笑顔だけが残された。



窓辺から朝日がさしこむ頃。ショートカットの少女は一旦姿を消し、ポニーテールの少女だけがベッドに残る。そして――――



別の日。とある昼下がり、フードのついた粗末な服装をした小柄な少女が元気に裏街を歩いている。
服に袖はないので腋の下がチラチラ見えるし、胸元が深く抉れているので豊かな双丘の谷間が見え隠れし、裾が短いため歩くたびにむちむちした太ももが眩しくのぞく。
すれ違う男たちはそろって少女をチラ見し、行き過ぎてはくびれた腰のラインとその下着が見えそうで見えないお尻の揺れるさまをを見送ってゆく。
大胆に過ぎる服を着てなおその少女は堂々と、むしろ見て欲しいと言わんばかりの悠々とした歩みで、健康的な色気を振りまきながら街を歩いてゆく。
近くに寄ればフードの下からはショートカットの美しい髪がのぞき、好奇心の強そうなくりっと大きい翡翠色の瞳が可愛らしい少女だった。

「♪~」

鼻歌交じりで裏街を歩く少女。誰もその少女が王女と瓜二つであるとは気づかない。何故か見咎められることもない。
王女がこんなところにいるはずがないという思い込みなのか、あるいは王女は特徴的な大きなポニーテールをしているはずだという認識からなのか。
しかし彼女はまさしく王女自身である。いや、正確には彼女は王女ではないのかもしれない。彼女は「王女の身体の人格」と自身が名乗った存在だ。
あの夜キャロンがセックスを通して繋がり、彼女を同居、あるいは同時存在として在る事を認めて受け入れ、肉体と感覚をひとつに溶けあわせた少女。
キャロンが王女であるために解放しきれない奔放な性衝動が、無限の力を持つリバースの魔力で具現化した自由な存在。それがロットという少女である。
だから今の彼女はキャロンであり、ロットでもある。自由に入れ替わり、現れては消え、同時にさえ存在する。その正体はキャロン本人しか知りえない。

そして、彼女の望む事は常に一つ。

「んー、やっぱりこういう所も一軒くらい体験してみたいよね」

キャロン=ロットは独り言を言いつつその店の前で足を止める。夜も灯りは最低限しか点けず、看板も出さないその店は男たちの間では少し知られた店だった。
扉の小さな貼紙にはそっけない字で『高級妓楼・新人募集・日当銀貨三枚(応相談・能力昇給有)』とある。少女はよし、と明るく頷くと元気よく扉を開けた。

「こんにちはー」