「はぁ、はぁ…はぁ…ん、んんっ…く……はぁ、はぁ…んぅっ…」

篝火に赤く照らされた肌が震え、豊潤に実った双果が揺れた。
炎にじりじりと炙られ、しっとりとした肌には玉のような汗がまた一粒浮き上がり、なだらかな丘を滑ってゆく。
白くきめ細かい肌の上に筋を引いて流れ落ちる汗、それはまるで熟した果実から溢れ出る蜜のようだ。
美しく咲き、豊かに実った少女の肢体はその隅々までが甘美なる蜜で満たされている。
触れずともその瑞々しく絹のような肌は芳しい薫りを放ち、優しく触れれば蜜を零れ落としてしまう。

「はぁ…はぁ…はぁ…ぁ……ふぅ…ふっ…ふっ…ん…ぅ…はぁ…っ!」

みじろぎをし、白い喉を露わにして、横たわる少女はまた悩ましげな溜息を漏らす。
柔らかで瑞々しい唇を薄く開き、そこから赤く艶めかしい舌を覗かせ、身体を震わせるたびに吐息を漏らしている。
堪えるような、切なげな呼吸は周囲の暑さと相まって少女の喉を乾かせてゆく。
少女は喉の渇きを癒すためか、無意識のうちに口の中で舌を蠢かせている。
その物欲しげな舌の蠢きは色気に満ち、見るものを欲情で吸い込んでしまうほど蠱惑に満ちた仕草になってしまっていた。

「あぁ…んぅっ……く…はぁ、はぁ、はぁ…ん…んぁぅ…っ…う…ん…ふぅ…ふぅっ…」

その少女の犯しがたいほどに滑らかな肌の上を、あろうことか汚らわしい獣の舌が這っていた。
赤く、長く、ざらざらして、ぬらぬらした粘り気の強い唾液をたっぷりと塗された淫らな舌が。
少女はぎゅっと手を握りしめ、唇を噛んでこの舌の汚辱を耐えようと試み続けていた。
獣の舌は構わず、神聖な少女の肌を存分に冒涜し、汚辱する。蛭のように貼りつき、滴る滴汗を舐めとり、味わいつくそうと隅々まで蠢きまわる。
すんすんと獣の鼻が鳴るたびに芳しい少女の体臭は吸い込まれ、代わりに獣臭のする生暖かい唾液が肌に塗り込められて穢される。
身体を汚辱する猛々しい獣の臭いが少女の鼻に届き、彼女は顔をしかめる。少女はこの臭いが、自分を徐々に牝へと貶めてゆくのを知っている。
しかしどんなに抗おうとしても昂奮に満ちた牡の吐息が吹きかけられるたび、柔らかく敏感な少女の果肉は震え、恐れに鳥肌を立てて感じ入ってしまう。
牡は怯える牝の反応に嗜虐的な獣性をより掻き立てられ、愉悦の赴くままに舌を這わせ続ける。
この場は二人きり。無粋な邪魔者が立ち入ることはない。そして少女は獣の腕から逃れることが出来ない。

「あぁっ……ぐ…うぅっ…ん…んぅぅっ……んぁ…はぁっ…あぁぁ……はぁ、はぁ、はぁ…」

今、少女の肌を守り、隠すものは何一つない。盾は失われ、鎧は砕かれ、聖剣は手元を離れ、下着も引き裂かれた。
石で出来た広い祭壇の上、四方は松明が点され、篝火は禍々しいほどに赤い炎を吹上げている。
炎は祭壇の上を明々と照らし、またその熱気で辺りを包んでいて息苦しいほどの暑さだ。
そして石造りの床には穢れた血で引かれた円形の妖しい魔方陣が敷かれ、赤い魔力光を時折放っている。
この光が裸の少女から無限に湧く聖なる力を少しづつ削ぎ、祭壇の外へ逃れることを防いでいた。
ここは女が蜜を捧げる生贄の祭壇だ。この床からは少女の体を狙う獣が無限に湧いてくる。倒し尽くさなければ犯される。
そして少女は今、生贄として横たわっている。彼女は運命を覆そうと挑み、果たせなかったのだ。

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…あ、はぁ…っくぅ…ん…んぅぅっ…はぁ、はぁ…」

全裸に剥かれた少女が暑い祭壇の上で艶っぽい身じろぎを繰り返す。眉根が歪み、額に浮かんだ汗がまた一筋零れ落ちてゆく。
多勢に無勢だった。次々と現れる敵。一体や二体ならまだ良かった。五体や六体ならなんとかなった。十体や十二体は流石に辛かった。
二十を越えてからは数えるのも厳しくなった。いつになったら終わるのか。疲れと焦りと松明の熱さが集中を奪っていった。
そして二十六体目。一瞬、ふらついた足に蛇の麻痺毒を受けた。そこからは劣勢に陥るばかりだった。苦戦が続き、身の守りは少しづつ失われる。
汗ばんで震えだし、握力を失った手で三十二体目を斬り伏せると同時に、魔王をも屠った聖剣は少女の手を滑り、祭壇の下へと転がってゆく。
あっ、となり思わず外へと伸ばした手は魔方陣の結界に阻まれる。武器を失ってしまっては非力な少女剣士に為す術はない。
青ざめ、振り返る少女の前に次の相手が床から這い出してくる。躱しきれずに腕を掴まれた時、彼女にはもうそれを振りほどく力さえ残っていなかった。
小さな体が宙を舞って石畳の上に叩きつけられる。それで終わりだった。こうして敗れた少女は祭壇の上で、望まぬ生贄の宿命を受け入れることになる。

「あぅっ…ん…はぁ…はぁ…はぁっ…ぁ…はぁ…はぁ…ん…っあ…ふぅっ、ふぅっ…うぅっ…」

うつ伏せになった少女の背中から獣は覆いかぶさり、背骨に沿って舌を這わせてゆく。
少女は密着した獣の肌から発せられるむせるような牡の臭いと体温に包まれ、生暖かい舌の感触が生む嫌悪感に身を捩り続ける。
噛まれた足は麻痺毒が蔓延して少女の行動の自由を奪っている。戦いの興奮と祭壇上の暑さもあって体の熱はどんどん増していた。
麻痺毒自体は直ぐに抜けてゆくが、疲労は抜けない。敏感な肌を苛む愛撫は彼女の意思とは関係なく体の芯を炙り、少女を剣士から牝へと導き、貶めてゆく。
堪えても堪えても舌が肌の上を這うたびに体は甘く痺れ、震えは止まらなくなる。毒ではなく、苦痛ではないが故に耐え難い、快楽の甘い痺れ。
祭壇の戦いの中で淫毒や媚薬、魔術を受けたわけではない。これは少女自身の肢体が元来持ち、目覚めさせられ、育てられてきた牝性。
身体だけ先に早熟して女になった少女。理性で拒もうとしても肢体はその悦びを覚えてしまっている。犯され、堕ちる快楽、その昏い甘美を。

「うぅぅっ…く…ぁ…んんっ…んぅ…っく…はぁっ…はぁっ…はぁっ…んっ…ぅ…はぁっ、はぁっ…」

背筋の骨に沿った皮膚の薄い個所をまるで舐め剥ぐように獣の舌が這い進む。
薄絹のような肌を擽り、浮き上がる甘露を啜りながら、背骨と肩甲骨の窪みを丹念に、執拗に、舌が蠢いてゆく。
皮膚の薄い所は例外なく敏感な少女の急所だ。むずむずとしたくすぐったさは身体を解し、緩んだ所から快感を滲ませる。
背中を熱い舌が這うたび少女はされるがままに背を震わせ、耐えようと歯を食いしばっては、また歯の根を緩ませて溜息を零す。
そのたびに汗ばみ、しっとりとした背は波を打つように艶めかしく蠢いて牡の獣欲を誘ってしまう。
少女は幾度も手を握りしめ、指で床を掻き、潤んだ瞳を強く瞑り、乳房を強く床に押し当てて擦りつけるようにしながらかぶりを振る。
しかしその唇から漏れ出る声は次第に高く、大きくなり、甘く蕩けてゆく。快感を隠しきれなくなっているのだ。

「くぅぅっ…ん…あ…はぁっ…はぁっ…はぁ…あくっ…む…ふぅっ…ふぅっ…ふ…うぅっ…ぁ…ぁぁ…」

祭壇上の少女の痴態をつぶさに見ているものたちがいた。一段高い豪奢な椅子には魔王の手先だった魔導士。この館の、祭壇の主だ。
魔導士の周囲を守るのは異形の魔人たち、そして祭壇を囲むようにして見物している獣人たち、更には小数だが人間までがいた。
彼らは一様に欲望にゆがんだ表情を浮かべ、少女の嬌態を見ながら手にした赤黒い酒を飲み、肉や女を貪って下卑た享楽に耽っている。
そう、これは魔王に捧げる邪教徒の魔宴、サバトだ。情報を得た少女はこの企みを防ごうと森深い館に密かに侵入したのだ。
しかし司祭である魔導士を斬り伏せる前に潜入は露見して囚われ、この堕落の宴の主賓として生贄の祭壇に送り込まれてしまった。
少女に情報を提供した村人は今、祭壇の最前列という特等席で酒肉に溺れている。全ては罠だったのだ。

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…ぁ…あぁっ…むぐ…ぅぅっ…ん…ふ、ぅっ…ふぅっ…ふぁ…っ…ん…はぁ、はぁ…」

じっとしているだけでも熱くて息苦しい空気。呼吸をするたびに篝火に暖められた空気が胸に落ち、喘ぐたびに喉はどんどん干乾びてゆく。
しかし身体には力が籠らない。満足に動くことが出来ず、牡の手の内で身じろぐ事だけでも精一杯だ。悶えるたびに乱れた髪が汗に濡れた背中に張りつく。
汗の滲む身体をくねらせ、纏わりつく牡の荒い吐息と舌の動き、べたついてくる唾液の臭いに全身を包まれてゆきながら少女は喘ぐ。
負けた悔しさと、逆転を狙う思考と、思うように動かない身体と、湧き上がってくる疼きと、熱さと、暑さと。汗と、唾液の臭いと、牡の臭いと。
桃のように豊かに膨らんだお尻を撫でまわされ、付け根中央、尾てい骨の隆起した肌を舌がつつき、ざり、となぞられて少女は再び震え上がった。
お尻を舐められて感じてしまっている。そんな自分を、疼いてくる身体を認めたくないとぎゅっと目を閉じて何度も首を振る。
しかし赤らんだ顔、朱を帯びた肌、何より獣の鼻先へ突き出して誘うように振ってしまっているお尻が少女の嘘を離れた場所からでも露わにしていた。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…はぁ、はぁ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…あぁっ…あぁ…ん…ぅぅ…っぁ…うぅ…」

活発な少女の肢は筋肉と脂肪の割合が絶妙な配合で調和していた。そのカモシカのようにやや太めの引き締まった、健康的な太ももを獣の舌が這う。
その肉の一筋一筋、骨の窪みに至るまでをまるで炙った鶏の足にするかのように熱く、厚い舌先が味わい、啜り、しゃぶり、撫でる。
汗が肉汁のように滴る美味そうな肢肉へ獣は存分にむしゃぶりつき、膝裏や脹脛に至るまで舐め尽し、吸い尽くす。
啜られた柔らかい内腿には赤い痕跡が烙印のように残される。少女自身も自慢にしていた肢は汚らわしい獣にしゃぶりつくされ、唾液まみれに穢される。
悔しいのに、辛いのに、少女の胸の奥は高鳴るのを止めてはくれない。舌の動きに意識を集中させられ、足指はぴくぴくと震え、時折ぴんと張り詰めてしまう。
荒くなってゆく吐息。いつしか汗と唾液に塗れた内腿へ一筋、また一筋、汗や唾液ではない、透明な粘液が少女の奥から溢れ始めていた。

「あぁっ…あ…や…ひゃぅ…ん…く…はぁっ、はぁっ、はぁっ…だ、だめ…あぁぅ…んっ…あ…あぁぁ…っ」

少女の吐息に切なさが増し、一層猶予が奪われる。腕を掴まれて上に上げさせられると、あばらから腋下の窪みへ舌が這い進んだからだ。
溜まった汗の匂いを確かめるかのように鼻をすんすんと鳴らせ、昂奮に満ちた熱い吐息を吹きかけながら、獣の舌が少女の凹凸に満ちた無毛の腋を襲う。
腋は人が自然に生み出すフェロモンの発生源の一つでもあり、その自然な凹凸に女性器を連想する者も多い。そして勿論、性感帯でもある。
まるであそこの匂いを嗅がれてしまっているかのような羞恥心に少女は思わず顔を背けるが、視線から逃れることのできる場所はこの祭壇上のどこにもない。
腋の下、リンパ、あばら骨、乳房の付け根…皮膚が薄く、敏感な急所を獣の舌の眼前に晒したまま、逃れることも出来ず存分に味あわせてしまう。
舌が動くたび少女は悶え、指は虚空を掴み、肢はじたばたと震え、鳥肌を立て、剥き出しの乳果をふるふると揺らす。
くすぐったさと、じわじわと染み出してくる性感に耐え切れず、少女は翻弄される一方だった。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…だ…だめ…も……もう…ゆ…ゆるして…はぁっ…はぁっ…はぁっ…あぅ…っ…あぁぁ…んっぅ…」

犬が所有権を主張するように腋を唾液まみれにマーキングされ、更にぐったりと力を失った少女の背後から獣が迫る。
獣…とは言うがその姿は人型であり、全身は魔力で編まれたものなのか影のように黒く、人か狼か虎なのかも判然とはしない。
しかし獣人らしいのは、魔力や毒のような搦め手も、触手のような手数も使わず、力だけで少女の身体を押さえつけている事だった。
獣は少女より身体は二周りも大きく、影のように黒く、顔の中央には赤く光る眼と口、鋭い牙がのぞいている。
身体は筋肉と黒い体毛で包まれ、毛の生えた大きな手の指先には鋭利な爪が隠れている。この爪が少女の下着を切り裂き、裸に剥いたのだ。
読み取れない表情と荒い吐息が少女に恐怖を覚えさせる。そしてこの獣は言葉を発しない。この獣人は蹂躙し、犯す為だけに存在する魔物なのだろう。
その異形が少女の背中を包むように抱きかかえる。獣は捕らえた怯える獲物を眼に舌舐めずりをすると束ねた髪の生え際、うなじへと口を寄せていった。

「やぁっ……いき、息が…あぁっ…あたって…はぁ、はぁ、はぁ、くすぐった…やめっ…だめ……はぁ、はぁ、はぁ…」

背後から獣に抱きしめられた少女の身が総毛立つ。汗と獣の涎に塗れた背中が獣の筋肉に覆われた。
体毛から獣の熱い体温が直接少女の身体に伝わってくる。胴に回された腕の太さと力強さが逃れることは出来ない、と実感させた。
どうあっても敵わない。今から自分はこの獣に犯されてしまうのだ。と嫌でも認めさせられてしまう。絶望に目の前が暗くなる。
体を起こされ、座った姿勢になると首元に熱い息が吹きかけられる。ぞくり、と背中を冷たいものが走り、喉が鳴る。
そうして覚悟を決めるよりも早く、べろり、と首筋を舐められたのだ。

「あぁんっ!…」

眉根が震え、思わず声が上ずる。白く細い首筋は当然、敏感な少女の急所である。今まで幾人もの牡がそのうなじを味わい、たおやかな首筋に口づけてきた。
恐れでなく、甘くぞくぞくとした痺れが背筋を迸る。それは身体中を一瞬で駆け抜け、びくんと四肢が跳ねる。
その身悶えは当然のように獣の腕に抑え込まれ、発散しきらずに僅かづつ体内に蓄積される。
そして、跳ね上がったあごの下にまで獣の舌が伸びる。滲んだ汗が鎖骨の窪みへ滴り落ちる前に、その滴を舐め上げられたのだ。

「あ、あぁっ…あ、ん…ぅ…あぁぁぁ…っ…はぁっ…はぁっ…っ…っっ…ん…うぅっ…や…やぁ…っ…ああ…っ…いやぁっ…」

獣の口には牙がある。これを喉元に突き立てられれば少女はひとたまりもないだろう。
息が吹きかけられ、歯が薄い皮膚に当たるたびに少女の身体は捕食の恐怖に襲われる。自然、少女は身動きを制限されてしまう。
無防備な喉を牙の下に晒し、喉元を、首筋を、うなじを舐められるたびに少女は荒い吐息を吐き、獣の腕をつかみ、足を弱弱しくばたつかせる。
獣人の愛撫はその外見と戦った時の力強さに反して巧緻であり、少女の肌を舌と手が蠢くたびに迸る快感が肢体を苛んでゆく。
力ずくで荒々しいだけのはずの獣人が、性技に長けるなどと予測できる訳がない。少女は戸惑い、乱されてしまう。
少女の細い胴をしっかと抱きかかえる獣の手が蠢いて腋を撫でる。少女の手が腕を掴むが、その程度では動きを押し留めることはできない。
獣毛の生えた、肉厚の手が汗と涎に濡れた肌をなぞり、あばらを数えながら少女の乳房を腋から優しく寄せると少女は身体を大きくびくつかせた。

「あうぅっ!…だ、だめ…やめて…あぁっ…ひゃんっ!…あぁ…ぁ…っ…いや…あんっ!…ゆるして……おねがい…あぁっ…ひうぅっ!…」

少女の乳房が柔らかくたわんで形を変え、その頂にある桜色の尖りを強調すると、少女は堪えきれずにはっきりと嬌声を上げてしまっていた。
古来より女性の象徴にして最大の標的である乳房。少女の乳果も例外なく、数多くの牡を愉しませてきた。
見るものを愉しませてやまぬ美しい造形は少女らしい愛らしさとむしゃぶりつきたくなるような淫靡さが共存している。
その頂上で重力に負けずに上を向くように咲く桜色の蕾は吸いつきたくなるような小ぶりの乳首。色素の薄い、小さな乳輪が花弁のようにそれを飾っている。
艶やかに実った双丘は揉めば若々しい弾力に富んで手を愉しませ、快感で膨らむにつれて柔らかい感触を生んで飽きさせることがない。
白く瑞々しい乳肌は触れればすべすべして、舐めれば舌に吸いつくような極上の舌触り。尖った乳首を甘噛みすればコリコリとした弾力が歯を愉しませる。
この極上の果実は数多の牡たちによって幾度も触られ、揉まれ、舐められ、吸われて豊かに膨らみ育ち、また調教されてきた。
開発され尽くした乳肌に潜む無数のツボは敏感な性感帯となって少女の芯を痺れさせるまでになり、牡を愉しませる為の淫らな性器と化している。
その双丘は今、獣の執拗な愛撫に晒されて果汁のような汗が滲んでいる。昂奮に膨らみ、乳首が勃起する様は更なる愛撫を誘う。
少女が悶えるたびにその果実は揺れ、掴まれてたわみ、獣の指に弾かれて弾み、見るものたちを興奮させて止まない。

「ひゃぁぅっ!…だ、だめ…そこ…や…あぁっ…だ…だ…あぁぁ…っ…だめぇ…っ…や、やめ…てぇ…あぁぁぁ…っ」

乳房責めによって更に身体の反応が強くなってきたのを確認しつつ、獣の舌が少女の耳朶を襲い、戸惑うよりも早く少女の細い肩がびくんと跳ねた。
細くした舌が複雑な形をした耳の形をなぞり、産毛を剃るようにざりざりと、耳穴に熱い息を吹きかけながら這ってゆく。
耳朶は少女が最も弱点とする性感帯の一つだった。
ある時、少女は淫魔に犯されて耳朶を触手に弄ばれながら絶頂してしまったことがあり、その経験が身体に強烈に焼き付いたのだ。
以来ここを責められると、少女はどうしても我慢が出来なくなってしまう。
普段はどうということもないのに相手が意図を持って触れる時、そこは少女を牝へと不可逆に傾ける。
吐息を吹きかけられ、なぞられ、舐められ、甘噛みされ、囁きかけられる。その行為すべてが少女をどうしようもなく震えさせてしまう。
耳を責められた肢体は耐え難く甘い疼きに支配され、敏感になった肌は肉体を娼婦のそれに変える。少女を発情させ淫欲の虜へと引きずり込む嚆矢となってしまうのだ。
それを知る牡は多くはないが、知る牡は必ずそこを責めて少女を追い詰める。知性もないはずのこの獣は間違いなく、狙いすまして少女の耳を捉えていた。
どの強さでどのタイミングで攻めれば少女が堕ちるのかをも、この獣は察知している。
それは獣に相応しい嗅覚でありつつも、獣にはあるまじき繊細さ、似つかわしくないほどの狡猾ささえ備えていた。

そして罠の中にいる少女は知ることはない。この獣は今まで少女を犯した牡を少女自身の記憶から魔方陣が読み取り、融合させて生み出された魔物である。
最初からきりなどあるはずもない。そして少女は今、自分の内にある淫らな記憶に犯されようとしているのだ。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…っ…だめ………はぁっ、はぁっ……あぁぁ…だ…だめぇ…っ…」

ぞくぞくした感触が少女の背中を次々に、とめどなく走る。その感覚の奔流は一気に少女の身体の奥まで届き、甘い痺れを生み、隅々まで広がってゆく。
耳穴に吹きかけられる息はまるで脳に直接響くかのように少女の身を震わせて止まらない。耐え難いほどの甘さに少女の芯が痺れ、蕩けだす。
唇が震え、声が震え、肩が震え、手が震え、腹が震え、背が震え、足が震える。流されてはダメだと必死で押し留めようとするが、どうしても身体は止まってくれない。
甘い痺れ…快楽を覚えた躰は水の沁みた紙のように在り様を変容させる。それは紙を乾かしても元通りにならないように、決して初心な身体には戻れない。
そして少女の身体はその操を失ってからもう幾度も幾度も貶めされ、その髄に至るまで昏く甘い快楽の虜となってしまっている。今更引き返せる筈がない。
本人が認めていなくとも、少女の身体は既に淫蕩な雌になってしまっているのだ。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…んぅ…ん…んんっ…は…っは…はぁ、はぁ、はぁっ…あぁぁぁ……っ…」

我慢しなくちゃ、負けたらだめ、と自分を励ます。諦めろ、堕ちてしまえ、と囁かれているような気がする。楽になれるよ、気持ちよくなれるよ、と自分の内側が囁く。
息をするたびに声が、身体が蕩けてゆく。獣の吹きかける熱い吐息が身体の内側まで入り込み、理性が砂山のようにさらさらと崩れていくような音がする。
牡の体毛に包まれた背中が熱い。太い腕に抱きすくめられた胴が熱い。毛むくじゃらな手に触れられているおっぱいが熱い。
顔が熱い。胸が熱い。息が熱い。お腹の奥が、身体の芯の、一番深いところが熱い。汗が止まらない。目がかすむ。息が苦しい。溺れてしまいそう。あたまが、ぼうっとする。
汗に濡れ、獣の涎に汚しつくされ、べたべたする身体が、炎に赤く照らされた熱い肌が、勝手に艶めかしく捩り、淫らに蠢いてしまう。
獣毛に擦られる密着した肌がどうしようもなく気持ち良い。切なくなり、自分から擦りつけたくなってくる。もっと触って欲しくなってしまう。
自分の身体が自分のものではなくなってしまうような感覚。怖いのに、いけないことなのに、身体が疼いて、止まらない。

「はぁっ………」

大きく口を開き、全身を包む獣の臭いをいっぱいに胸へ吸い込むと、汚らわしいはずの臭いが体に心地良く染み透って来る。
べたつく肌も、獣毛の痛痒も、身体の熱と馴染み、そのまま深い溜息をつくたびにゆっくりと解けて心まで陶酔してゆく。
(あぁ……あたし……もう…だめ………)
潤んだ目を閉じ、眉を震わせながら耳を舐める舌の感触に感じ入る。じわじわと染み込むように頭が痺れ、胸の奥が痺れ、胎の奥が痺れる。
耐え切れない。身体の芯が氷柱の様に細く蕩けてゆく。縋り付く手で握り締めるたびに溶け、滑り、零れ、流れ出す。
汗が、涙が、熱い吐息が溢れて止まらない。あそこの奥から蕩けて溢れ出るものを感じながら少女は再び震えた溜息を吐く。
暖かいものが体の中を流れてゆく。まるで自分が蝋燭になったかのように芯が燃え、指先に至るまでゆっくりと蕩け、染まり、混じり合ってゆくような気がする。
諦めが退路を断ち、牝の本能が背中を押す。そうして天秤は崩れ、少女の理性は砂時計の砂のように零れ堕ちる。
少女は舵を手放した。肉の小舟は快楽の潮流に浚われ、嵐のような感覚の奔流が遥か沖へと押し流してゆく。二度と陸に戻れない沖へと。



「ふぅっ、くぅぅぅっ!」

獣の太い腕を掴んでいた少女の片手が無意識に動く。獣の手はあえて逆らわずに手の導きに従い……少女の乳房をその手の内に収めた。
その膨らみは小柄な少女のスタイルに比すれば大きく豊かであり、大人の男にとっては手に少し余る位の程良さで、大柄な獣には小ぶりに映るだろう。
美しく熟した牡の目を引き寄せてやまぬ果実は、毛むくじゃらの大きな手の中にその膨らみをすっぽりと包み込まれる。
ぐにゅ、と獣の手が滑らかな果皮をたわませ、手の内で握るように果肉を揉み歪ませると、少女はくぐもった悲鳴を上げて頤を跳ね上げて震えた。
予想した通り、期待してしまっていた通りの強い痺れが乳房から胸の奥へ突き通る。体の奥まで突き通った痺れは波を打って全身へと鮮烈に響き渡った。
それは間違いなく悦びだった。少女の赤らんだ頬は緩み、涙が溢れ、唇は歪んで笑みを作ってしまっている。揉まれた胸が、身体がはっきりと快感を訴えていた。
獣は乳房に手をかけたまま、少女の背後から片手を回してあごを軽く押す。少女は軽く身を捩りながら首だけで横を向く。そこには獣の顔があった。
潤んだ瞳を開いて赤くぎらついた獣の目を見つめる。それは少女の身体を求めてやまない獣欲と昂奮に満ちていた。
胸の高鳴りが、身体の疼きが少女の心を欺く。獣の臭いに包まれ、官能の黒い蜜の味に誘惑され、少女は最後の一線を自ら踏み越え、牝になった。

「むっ…ん…んぅ…んんっ…!…ん…ぁ…む…ぅ…んっ…ふぐっ…んっ…むぅぅっ…んんっ…」

少女は頷くと、獣の分厚い胸板に身を委ねるようにもたれかかって目蓋を伏せ、唇を捧げるように軽くあごを上げた。
そのような仕草は本来恋する男を相手にするものであり、自分を犯そうとする獣を相手にするべきものでは断じてない。
獣の唇が誘われるまま覆いかぶさるようにして少女の唇を襲う。硬い唇と熱い舌が可憐な唇を蹂躙し、歯茎をこじ開け、唾液を塗し、少女の内側を犯そうと蠢きまわる。
熱烈というよりは乱暴な口づけ。唾液の臭いと息苦しさに少女は苦悶の表情を浮かべるが、獣の片手に少女の乳房を捏ねられると頬が緩んでしまう。
荒々しい口への愛撫とは裏腹なほど獣の手は繊細なタッチで柔らかくも弾力に富む乳房のツボを捉え、快楽を際限なく汲み上げてゆく。
コリコリに尖った乳首が獣の指の腹に挟まれて押し潰され、柔らかく捏ねられると少女は頬を朱に染めて喘ぎ声を漏らしてしまう。
既に少女は獣の手管に翻弄されて快楽の渦の中心へと巻き込まれ、流されるまま深い淵で溺れさせられてしまっていた。

「んあぅ…む…ちゅ……んん…んぁ…ふ…ぅんっ…む…ぁ……ぅぅ…あふ…うくぅ…っ…あぁぁ…だ…だめ……くるし……ぅむ…あぁぁぁ…」

獣の口づけと愛撫に耐えかねた少女の細い肩がふるっと震えて力が抜け落ち、唇を緩めて獣の舌を口腔に迎え入れる。
蛇のような、獰猛な舌が躍り上がるように唇をこじ開け、口の内側を舐め犯す。最早それはキスというより口への挿入と言うべきものだった。
赤く可愛らしい舌は蹂躙され、すっぽりと覆われた唇の端からは自らの物とも獣の物ともつかない涎が溢れて胸へと滴る。
舌を深く突き込まれて獣の唾液を飲まされ、少女の細い喉の奥が鳴ると、閉じた瞳の端から涙が零れ落ちた。
蹂躙されている。そう思うのに、それでも少女の身体は気持ちいいと訴えて止むことがない。むしろ陶酔したようにじんじんと痺れてゆく。
漸く唇を解放されて腕の戒めを解かれた時、少女は蕩けきった表情を浮かべて自ら身を捩り、獣の身体に抱き付いてしまっていた。
揉みしだかれて柔らかく息づいた乳房を牡の胸に押し当て、獣の太い首に縋り付くその様はまぎれもなく発情した牝。肉欲の虜そのものだった。


「あ…あぁっ…ん…ぅ…はぁ、はぁ、はぁ…ん…はぁ…はぁ…はぁっ……いぃ…ぁ…あぁっ…はぁっ、はぁ、はぁ、はぁはぁ…」

逞しい獣の身体の下に少女は組み伏せられ、無防備に晒された肉体を獣の舌と手が思うが儘に蹂躙していた。
乳房を揉み、乳首を吸い、お尻を撫で、あそこの襞を指でくつろげていく。首筋を舐め、お臍を舐め、腋を舐め、鼠蹊部をなぞるように舐める。
肢体に浮き上がる少女の汗を丹念に掬い採り、口移しに味あわせる。可憐な舌は弄ばれ、濡れた唇から涎が零れて首筋を伝う。
捕らえた獲物をねぶり尽くすかのような獣の愛撫に絹のような瑞々しい肌は隅々まで汚され、それに少女は切なげな喘ぎ声を上げて応えていた。
愛撫に身悶え、身体をくねらせるたびにその肢体からは少女の物とは思えぬほどの色気が溢れ、嗜虐心を誘い、獣欲を煽り続ける。
乳房も臍も、お尻も太股も腋の下も、全てが獣の手の内で歓びの声をあげて更なる愛撫を請い、猛々しい牡の肉体へと縋り付いてゆく。

「あぁっ、ん…はぁ、ぁぁぁぁっ…いや…あっ、あぅっ、ん、はぁ、はぁ、っあ…はぁっ!…ぅぁぁ…ひゃぁんっ…あ、ひぅっ!あっ、あっ、はぁ……」

重ねてではあるが、魔力を受けたから、媚薬を飲まされたからこうなったわけではない。彼女は彼女自身の成長によってここまでになってしまっている。
あの時。魔王は自分を倒しにやってきた少女の肉体に強い淫性と極上の蜜が秘められていることに気づいた。
そして魔王はその時、まだ幼かった少女の操を奪うと同時に肉体にあるきっかけを与えたのだ。そして発現させられたのは牡を魅了する力であった。
そのままであれば少女が女としての魅力を最大限に発揮する。ただそれだけの事なのだが、魔王の手にかかったことでその力は歪んでしまう。
少女が辱められるたび、犯されるたび、穢されるたび、貫かれるたびにその力は歪んだまま強まっていった。即ち、無意識の内に牡を『性的に』誘う力として。
時を経て、少女は牡たちの手によって数え切れぬほどの望まぬ性経験を重ねてしまった。
今や髪の毛から足指に至るまで牡の舌と指に触れられていない箇所はなく、挿入を受けていない孔は一つもない。
結果、少女の肢体はその年齢と精神に相応しくないほどに成熟して牡を誘って止まぬ体となり、その肌に潜む性感帯は残らず開発され尽くし、極上の果実と成った。

「ああぁっ、やっ、んぅっ、そ、そんなとこ…やぁっ!あ、んんぅっ!だめ、あぁんんっ!舐めちゃ…くぅぅんっ、いやっ、うぅぅぅっ!ん、んんんっ!」

少女自身も薄々気づいていた。辱められるたび、牡に犯され、弄ばれるたびに身体が息づき、どんどん性的に敏感になり、感じやすくなっていることに。
胸もお尻も膨らみ、体つきは丸みを帯び、肌はどんどん艶っぽくなって、自分を視る男たちの目がだんだんと昂奮と欲望に満ちたものになってゆくことに。
その視線が恥ずかしいのに、どこかで嬉しいと思ってしまう自分がいることに。そう、自分が隠しようもなく「女」になってゆくことに。
そして…セックスが日常にあまりに深く食い込んだせいで、求められるままに身体を開き、貞操を与えることへの抵抗が薄れてきてしまっていることにも。
しかし、彼女はどうすることも出来なかった。それは度が過ぎているとはいえ、女として花開いてゆく事と変わりがないからだ。
そして少女の身体を狙う牡は絶えず、やがて強引に迫られることさえある種の歓びへとすり替わってゆく。それが人でも、魔物でも変わらない。
淫らに花開いた身体は夜ごとに疼いては少女を苛み、セックスをしなかった日は自ら慰めなければ熟睡できないほどになっている。
恥ずかしくて誰にも相談できない為、少女はそれが思春期の娘としては度が過ぎている事を知ることがなかった。
無意識に牡を誘ってしまう程強い淫性と、極上の娼婦としての身体とを持ったまま、いつも少女は剣士として危険な場所へと踏み込んでいたのだった。

「あううぅっ!んんっ、く、そ、そこ…やぁんっ!あぁっ、あぁっ、はぁ、はぁ、んく、うぅっ!あぁぁぁ!あぁ、だめ…い…いい…っ…」

獣の舌が少女のあそこへと這わされていた。両肢は獣の腕によって恥ずかしいほどに割り開かれ、閉じることを許されない。
無数の牡を受け入れたとは思えないほど鮮やかで美しいピンク色の肉襞は自らの愛蜜によってぐしょぐしょに濡れ、篝火に照らされてぬめった光を放っている。
その上部、薄い包皮に包まれた真珠のような花芯は昂奮に膨らんで自ら皮を捲って剥き出しになり、泣き濡れて凌辱者を誘っていた。
獣は芳しいほどに匂い立つ牝香をその鼻でいっぱい吸い込みながら淫らな陰核へと舌を伸ばしてゆく。
性感のみを役割とする女性最大の急所への責めは今までのそれとは比較にもならない。少女は電撃に打たれたかのように上体を跳ね上げ、悲鳴を上げた。

「あぁぁぁっ!やっ、あうぅっ!ん、んうぅぅっ!あぁぁぁーっ!か、はっ…ぁ…く…んぁんっ!だ…だめ、もう…いっちゃいそう…っ…あぁぁっ!」

ずるるるっ、ぴちゃ、くちゅくちゅ、ちゅるるるるっ、と淫猥な音を立てる少女の秘唇。
そのたびに背を弓なりに反らして胸を高々と突き上げ、手足の指を痙攣させて虚空を何度も掴み、おとがいを跳ね上げ、嬌声をあげながら首を振りたくる。
美しく長い髪は振り乱され、汗が飛沫となってキラキラと飛び散る。肢体は幾度も痙攣し、震えて地面に落ちてはまた跳ね上がる。
どんなに暴れても、少女の身体は獣の腕の中で捕らえられたまま、逃れることはできない。単純に力の差がありすぎるのだ。
ぐちょぐちょ、にちゃにちゃ、くちゅくちゅと粘液が捏ねられる音が悲鳴の合間から漏れる。獣は故意に音を立てて啜っていた。
その音が聞こえるたび少女が羞恥心に頬を染め、一層体を熱くしてしまうのを知っているのだ。

「だ、だめぇっ…あ、あぁっ!な、中…舐めないでぇっ…あ、そこ…はうっ!う、あぁぁぁぁ!はぁ、はぁ、あくぅっ!びりびり来ちゃうっ!あぁぁんんっ!」

舌が小陰唇を舐め拡げ、少女の内側へと潜り込んでゆく。ざらざらとした感覚が身体の内側から伝わり、胎を震わせる。
そして舌は少女の内側の構造を知っているかのように過たず入り口近くで折り返し、クリトリスのちょうど内側、恥骨で盛り上がった丘の胎内側の隆起へと到達する。
そこはざらざらとした凹凸に満ち、人の舌では到達できないため通常は指で触る他はない。しかし長い舌や触手を持つ魔物や獣たちはそうではない。
少女は幾度も味わってしまっている。Gスポット。その有名な性感帯がざらざらした獣の舌によって舐められ、凹凸同士が擦れ合うことで生まれる快感の極地を。
電流のような鋭い感覚と共に全身の力がどっと奪われ、膝ががくがくと震えだす。一度味わってしまえば、二度と忘れることの出来ないほど甘美な蜜。
それは少女をどうしようもないほどに内側から蕩けさせ、肢体を魔悦の鎖で縛ってゆく。

「あぁっ…あ…んんんっ…あ、はぁ、はぁ、むんぅぅっ…ぁっ…んっ…あはぅっ…う、あぁ!うぅぅぅ、あ、ま、また、いく、いくぅううっ!」

少女はあられもなく嬌声を上げ、快感を訴える。牝となった少女は周囲で見ているものたちの目などもう、気にしていられなくなっていた。
胎内を、内側から性感帯を舐められている。身体に力が入らない。代わりに感覚が鋭敏になり、獣の舌が蠢くさまがはっきりと感じ取れてしまう。
外側からクリトリスを、内側からGスポットを責められて我慢なんて出来るはずがない。少女は既に幾度も絶頂の高みに放りあげられてしまっていた。
しかし愛撫は止まらず、少女は休息をとる事さえ許されない。舌は汲めども尽きぬその甘露を存分に味わいながら少女を悶え狂わせる。
少女の本性を剥き、更なる高みへ引きずり込むために。そして少女の身体もそれを望んでしまっているかのように燃え上がり、襞をひくつかせて舌を飲み込もうとする。
もっと触って欲しい。舐めて欲しい。もっと啜って、イかせて欲しいとばかりに蠕動し、愛撫をねだってしまうのだ。

「あぁぁっ、あぁぁぁ…っ!ん、あふんっ…ぅ…んぅ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…あ!ぁ、ぁ…!あたし、も、もう、だめぇっ!…あ、はぁんっ!」

喘ぎ悶える少女の流す愛蜜が濃く、粘り気を強くしてゆく。彼女自身の官能が深まっているのだ。獣がそれを啜るたびに祭壇を包む瘴気が増してゆく。
愛蜜は邪教の主である魔王にとってこの上なき美酒であり、魔力の源である。ことに少女のそれは魔王自ら「十万年前の魔力が蘇るようだ」と評した極上品だ。
そして魔王の僕である彼ら、魔物たちにとってもそれは同様であり、彼らにとって少女は魔王への捧げ物であると同時に至上の御馳走でもある。
魔王自身がそうであったように、反撃を受けて滅んでしまう危険を冒してでも手にしたいほど魅力的な果実なのだ。故に魔物たちは次々と少女を襲い、身体を奪う。
その繰り返しが少女の内に潜む「女」を育て、調教し、熟成させ、収穫される性エネルギー、蜜を豊潤にする。
汲めども尽きぬ泉であり、貪れども枯れない果物であるが故に彼らは少女を壊さない。
しかし少女自身がそれを知ることはない。故に何度も剣を取って立ち向かい、そのたびに魔物に犯されて感じてしまう自分に翻弄されてしまうのだ。



幾度目かの絶頂を迎えようとしたその時、獣が両腕に抱え込んでいた太ももを手放し、少女は祭壇の石畳の上に身体を投げ出された。
篝火はいよいよ燃え盛り、床の魔法陣は瘴気に満ちた光を帯びている。その赤い光が獣の舌に穢しつくされた少女の肉体をこの上なく淫靡に彩っていた。
少女にはもう、抵抗する気力は残っていない。何度も絶頂した身体は痺れきり、子宮の奥が疼きにひくついているのを自覚してしまっている。
身体は完全に快楽に溺れて従順になり、絶頂の寸前で止められたことに対して戸惑いと飢餓感を覚えてさえいた。
だから手を離された瞬間、思わず不満げな言葉を口にしてしまう。

「あぁっ…あ…やめないでっ…いやっ?…え…なんで?……ぁ…いや…っ…そ、そんな…あぁぁぁ…だめ…あ、あたし…あ…ぁ…」

少女は言ってしまいながらはっとなり、暴走している身体に戸惑い震える。
嫌なはずなのに、止めて欲しいと思っている筈なのに、身体はこんなにも感じてしまい、欲しがってしまっているのだ。
そして首を起こし、獣の下半身から凶暴なモノが生え、反り返っているのを目の当たりにして、少女の目は釘付けになってしまう。
その太さ、長さ、ごつごつした節、その禍々しさ、おぞましいほどの牡の臭い。それを少女はあの時の魔王のモノとそっくりだ、と思ってしまう。
視線が忌まわしいモノに吸い込まれて離すことが出来ない。脳裏にあの時の記憶が一瞬で蘇ってくる。
貫かれた時の裂けるような痛み、肉茎と肉襞が擦れ合うあの熱さ、子宮口を叩かれる凶暴な感覚、その全てが生み出す恐ろしいほどの気持ちよさ。
襞が捲れる程に注挿され、蜜が泡立つほど膣内を掻き回され、胎内を白く熱い精液で染め上げられ、味わってしまった忘我の境地、魔悦。
アクメ、エクスタシー、オーガズム、絶頂、果てる、達する、イクといったさまざまな言葉で表され、なお表現しきれないもの。
浮遊し、飛翔し、爆発し、飛散し、融解し、落下し、消失し、至福と絶望、苦痛と悦楽、充足と喪失、生と死を一瞬で味わい尽すような感覚の暴走。
忌まわしい記憶なのに、忘れたい記憶なのに、それは少女をどうしようもなく虜にした。そして少女の身体は勝手に自分をあの時に戻してしまう。
深い溜息と共に目蓋を伏せ、再び目を開いた時、少女の瞳は快楽にすっかり曇ってしまっていた。

「はぁ、はぁ、はぁ……ぁ…はぁ…はぁ…はぁ…っ…は…ぁ…はぁっ、はぁっ…」

荒い息を整えようとする唇が震える。お腹の底が熱くてたまらない。
胸の鼓動がどんどん大きく、早くなってゆく。息が苦しい。喉が渇く。自分の呼吸音が煩いほどだ。
心が必死に叫ぶ。拒みなさい、あれは忌まわしいものだと。身体がそれ以上の大声で叫ぶ。あれが欲しい、あれは甘美なものだと。
汗と涎にまみれた肢体をゆっくりと起こす。太ももを伝って流れ落ちる蜜が床に垂れ、魔方陣が喜んだように光を放ちながら吸い込んでゆく。
溢れ出ようとするものを押し留めようと必死に目を閉じ、震える自分の身体をぎゅっと抱きしめる。
しかし視覚を絶ったことで今度は嗅覚が鋭敏になり、陰茎から発せられる強烈な牡の臭いが強張らせた心をぼろぼろに崩してゆく。

「す…ん…あ、ぁぁぁ……はあっ、はぁっ、はぁっ……ん、ぁ…はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…はぁ……ん…はぁ…」

もう、どうしようもなかった。少女が快楽への誘惑に勝てた事は一度もないのだから。
再び目を開き、手が落ちる。はぁ、はぁ、と熱に浮かされたような荒い吐息を吐きながら膝立ちで前へとのめってゆく。
その顔はすっかり紅潮し、潤んだ瞳は焦点を失っていた。
これが欲しい、と思う心が止められない。牝の本能が、淫乱に堕ちた自分の肉体が、少女を牡の逸物へと引き寄せてゆく。
ふらふらと手を差し伸べ、太いモノを手にする。熱い脈動が伝わり、先走りの牡臭が鼻を刺激する。目蓋を閉じる。睫毛の先から涙が零れた。
ごくりと喉が鳴り、濡れた艶めかしい唇が震えながらしどけなく開かれると、そこから赤く小さな舌がおずおずと伸びてゆく。
そうしろと命じられたわけではない。身体が操られているのでもない。少女はそうしたくてたまらなくなってしまったのだ。

「はぁっ……あ…ん…む…ぅむ……んぐ…んぁ…はぁ…はぁ…む…ちゅ…ちゅぷ…ちゅぷ…んぁ…はぁっ…」

喉の渇いた獣が水を求めるように、荒く熱い吐息をモノに吐きかけながら、少女の震える舌が牡のモノへと迫る。
モノの先端と舌の粘膜が触れ合う。びくん、とした感覚が伝わる。身体が思い出し、同時に汗と先走りの濃厚な味が少女の思考を焼き切る。
次の瞬間から少女は、もう止まることが出来なくなってしまっていた。
唾液を含ませた暖かな舌が亀頭を撫で、次に柔らかな唇が包み込んでゆくとモノは嬉しそうに蠕動しながら硬度を上げてぬめり出す。
少女は舌をモノに這わせながら次第に獣の腰へ縋り付くようにして身を寄せてゆく。
快楽に蕩けた顔で獣を上目づかいに見上げ、モノを愛おしいもののように擦り、頬を寄せ、口づける。

「ん……ちゅ…ぁ…ん…んぅ…れる…れる…はぁ…はぁ…はぁ…むちゅ…んぐ、んっ、んっ、んんっ!」

反り返る凶暴なモノのごつごつとした裏筋を何度も舐め上げる少女。汗が幾筋も背中を流れ、お尻を伝って落ちてゆく。
まるで牡の臭いを顔に移そうとしているかのようにうっとりとした顔で頬ずりしてはまた口に含む。
ご褒美の御馳走を与えられた子供のようにモノにむしゃぶりつき、本能のままに奉仕を続ける淫らな少女。
大きすぎるモノは少女の小さな口には収まりきらない。しかし、顔をしかめながらも懸命に奥へと飲み込み、口腔全体で包み込んで扱く。
喉に絡みつくような先走りの粘液を啜って喉の奥へ幾度も落とし、涎を唇の端から溢れさせながら少女は一心に自らの口を犯す。
その浅ましいほど淫蕩な痴態を主宰席に座る魔導士をはじめとする会衆たちは満足そうな笑みを浮かべて見ていた。

「んふぅっ…ちゅぶ…ちゅぶ…んぅ…んんっ…ふっ…ふっ…ふっ…じゅるるっ…んぐ…ん……ふ…んぁ…む……ぅ…んぐ、んむ、むむっ…」

口腔の中でどんどん濃厚さを増してゆく牡の臭いに恍惚とした表情を浮かべ、少女の鼓動が激しく高鳴り、昂ぶってゆく。
おぞましい牡のモノに暖かな吐息を吐きかけ、柔らかな唇を這わせ、息づく舌を這わせ、歯で優しく掻き、ねっとりとした口腔で撫で擦る。
かつて男に教えこまれた技を無意識に駆使し、カリをこそぎ、鈴口を舌先で突き、亀頭に舌を絡めながら根元から強く吸い上げる。
それは並の牡ならば既に幾度も射精してしまっていただろう、強烈で熟練したフェラチオだった。
しかし獣はモノを屹立させたまま立ち、膝まづいてモノに隷属するように奉仕する少女を見下ろしている。
少女はなおも手で竿を扱きながら狭い口腔をいっぱいに使って大きすぎるモノを締め付け、精の滾りを飲み干そうとするように一心に啜り続けた。

「んぐ…ぅ…はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…ね…ねぇ…もう、あたし…したいの………ほしくて……たまらないの…」

漸く一段落したのか、モノから口を離し、俯いた少女が呟くように告白する。そしてゆっくりと赤らんだ顔を上げ、震えながら蕩けきった笑みを獣へ向けた。
唇の端にはモノから溢れた獣の粘液が白く滴っている。翡翠のような瞳は潤み、鳥肌の浮く肌は汗に濡れ、尖りきった乳首が震え、臍が震えている。
身体中を駆け巡る淫乱な性衝動が、膣奥の飢餓感が少女の心の堰を切り、溢れ出していた。
少女は自分が恥ずかしく、とんでもない事を口走っていると分かっているのに、もう止めることが出来ない。
身体が牡に負けを認め、屈服してしまったのだ。

「からだが……あそこが疼いて…もう、ダメなの……ねぇ…これ……ちょうだい…あたしの……はぁっ…こ、ここに……おねが…い…っ」

少女は震える片手をあそこに滑らせると自ら襞を指で開く。襞の端から溢れた蜜が指と太ももを伝って零れ落ち、魔方陣の中はより濃い瘴気に包まれる。
理性が焼き消え、性衝動に完全に飲まれたその姿はこの上なく淫靡であり、娼婦ですらなく発情した牝獣か淫魔のそれに近いものであった。
堕ちた少女は獣を誘い、懇願する。犯して欲しい。この身体の疼きを鎮めて欲しい。淫乱な自分の身体を思い切り貫いて、絶頂させて欲しい…!と。
獣は少女の手を取ると腰を下ろし、魔方陣の中央で仰向けに寝転がる。モノは身体の中央で屹立して天を指していた。
自ら、堕ちろ。獣はそう示していた。少女は震える笑顔で頷くとよろよろと立ち上がる。
膝を震わせながら肢を開いて獣の腰をまたぐ。モノに手を触れて位置を確認して膝をつき、荒い息を整えながらゆっくりと腰を下ろしてゆく。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ…ん…んん!…く…はぁ…はぁ…ぁ…く、うぅっ!…ん…あ…は…ぁ…っく……んっ!…」

モノが少女の手に導かれ、肉襞を舐めるように蠢いて蜜壺の入り口へとたどり着く。
濡れそぼつ肉襞にモノが触れ、襞を撫でるたび少女の身体には通電したかのような刺激が突き抜ける。
その度に少女は高い悲鳴を上げ、伸び上がるように震える。しかし、それでも止めずにゆっくりとお尻を下ろし、襞をひしゃげさせ、捲り拡げてゆく。
くちゅり、ぐちゅりと淫猥な音が鳴り、少女の顔が赤らむ。涎を零すはしたない下の唇が汚れたモノの先を包み込むと、少女は獣の胸に手を当て
大きく息を吸い、吐きながら、その大きすぎるモノを徐々に胎の中へ収めようとしてゆく。

「ぐ…ぁ…は…ぁ、はぁ、はぁっ…あ…あっっ…ぐ…ん、んぅ…んんっ…ふぅ、ふぅ…ふ、うぅぅっ!ぐ、うぁぁぁっ!」

それはまるで、モノの形を懐かしむようであり、忘れぬよう陰唇に刻みつけようとしているかのようでもあった。
大きく、太いモノは少女の襞を限界まで捲り、膣口を押し広げていた。そして少女の膣道は既にモノを飲み込もうとぬめり、蠕動している。
モノは蜜に濡れながら少女の膣孔を一歩づつ踏み慣らし、馴染ませるように侵入してゆく。その都度少女は何度もかぶりを振り、額の汗を獣の腹に滴らせる。
歯を食いしばっては蕩けたように緩み、また眉根をひそめる。また大きく深呼吸する。そうしてモノを半ばほど呑み込んだ所で少女はゆっくり体を起こす。
亀頭が入り口付近の性感帯を通過し切ったのだ。少女は泣きそうな顔で微笑むと、一気に身体を沈めて一番奥まで貫いた。

「うっ…ぅふ、ぐうぅぅぅぅっ!あ、かはぁっ!あっぐ……う…ぁぐ…あぁぁっ!あああぁぁんんっ!」

少女の胎内を歪なモノが襞を抉りながら突き抜け、子宮口まで貫き通る。その衝撃と痛みに少女はくぐもった悲鳴を上げた。
上体が弾けるように反り返り、跳ね上がったあごと白い喉が震える。胎の中に異物がすっぽりと収まり、それが自分とは異なる意思の下で脈打ち、蠢いている。
身体の内側からモノに触られる感触。その胎内の異物の蠢き一つ一つに身体中の感覚が全て支配されているような感覚が少女を襲い、広がってゆく。
結合部から蜜が溢れ、ぶちゅり、と淫らな音を立てた。その飛沫だけでも少女は軽く達してしまう。
それはありえないほどの多幸感だった。満たされ、全てを投げ出し、隷属してしまいたくなるほどの快楽の極地だった。

「うぅぅぅ……んっく…あ…か、はぁっ!あっん…すごい…いっぱい…んぅっ!は、はぁ、はぁ、はぁ、うっ…くぅんっ!…ん、あはぁっ!」

呼吸を整え、ゆっくりと腰を動かしてゆく。ずるり、ぬるり、と蜜を掻き混ぜるように胎内でモノが蠢き、少女の背筋は震え、乳房から玉のような汗が飛沫く。
狭い膣道の中で幹の凹凸は数の子状に粒立った天井と絡み合い、注挿すれば擽るような感触を内側から響かせる。
蜜でぐしょぐしょにぬめる膣中は少女が喘ぎ、悶えるたびに痙攣の回数を増やし、襞で絡みつき、きゅうきゅうとモノを締め付けてより内側へと誘っていた。
貫けば充足感と刺激が、抜けば解放感と至福が、代わる代わる少女の身体を駆け抜け、リズムが渦を巻き、肉悦が夢中にさせてゆく。
少女は快楽の底なし沼に嵌ったまま、淫らに喘ぎ、悶え、身体は更に深く、もっと深くと嵌りこんでゆく。

「あっ!あっ、あ、っく、うぅっ!あっ!お、奥まで来て…ぅあぁぁっ!ふ、ぅん、深いっ…んはぁっ!うんっ、うんっ、んんぅっ!あぁぁっ!」

獣の身体の上で甲高い声をあげ、少女が喘ぎ、悶えている。獣は身体を支えるだけで何もしてはいない。少女が自らの手で自らを犯しているのだ。
徐々に抜き挿しする高度も、速度も徐々にエスカレートし、少女は天へと舞い上がるような高揚感さえ覚えながら騎乗位に夢中になってしまう。
捩じりあげるように身体を上げ、腰を下ろして深々と貫き通す。前へ、後ろへ、右へ、左へ。身体を傾けては胎内の隅々をモノに擦りつけ抉る。
身体が上下するにつれて乳房は激しく縦横に揺れ、尻肉はたわんでばねのように弾む。束ねた髪はその名の通り馬の尻尾のように乱れ跳ねていた。
前へ倒れ込んでは獣の胴に乳房を擦りつけ、牡の肌に舌を這わせながら腰を振り、後ろへ倒れ込んではGスポット近くの浅い性感帯を重点的に突き上げさせる。
少女は牡のモノをしっかりと咥え込んで離さず、犯されている身でありながらその実、快楽を味わい尽そうとしてしまっていたのだ。

「イ…っく、うぁっ!あぁぁぁ…だ、だめ、あたし…あぁっ、すごく感じちゃう…っあ!あぁっ…き、気持ちいい…気持ちいいのぉっ!あ、はぐぅっ!あぁんっ!」

あられもない嬌声を上げ、あごを跳ね上げて中空を向いたまま目を閉じ、腰を振りながら全身で牡の逸物にむしゃぶりついている淫らな少女。
獣は軽く膝を立てて少女の腰に手をやって固定し、あくまで動きやすく誘導するのみ。少女は身体の求めるままに蜜を溢れさせ、快楽を貪り続ける。
自分の乳房を自ら揉み立て、髪を振り乱しながら、あそこから迸る悦楽電流に全身を痺れさせていた。
もう、何度達したのかもわからない。頭は真っ白でもう、何も考えられない。身体が飛んで行ってしまいそう。気持ち良くてたまらない。
だから少女は気づかなかった。魔方陣を描く線が血のように赤く浮き上がっていたことに。獣の姿が少しづつ地面に沈みつつあったことに。

「イクぅっ!イっちゃう、あぁっ!あたし、たまらないの、もっと突いてぇっ!あぁぁっ!イク、イク、イっくぅぅぅっ!あぁぁぁーーーーっ!!」

篝火の焔が赤く吹き上がる。中央では獣が横たわり、その上に跨った全裸の少女が一心に腰を振って悦楽に耽っている。
熱に浮かされ、汗を飛沫かせ、牝獣のような喘ぎ声を上げて牡の逸物を咥え込んでいる。その姿はまるで邪教の巫女が狂信的な踊りを奉納しているかのようだ。
捧げられた少女の胎内から溢れた蜜が魔方陣を構成する線の隅々にまで行き届き、満たされたエネルギーがゆらり、と波を打つ。
獣の身体は少女の身体をモノで縫いとめたまま、徐々に魔方陣の上に沈むように溶けだしていた。



「その者」はまだ実体を持たない。実体がない為、現れることの出来る場所は魔方陣の中に限られる。そして肉体を得る為には生贄と依代が必要になる。
そしてここは生贄の祭壇である。生贄を捧げたなら、そこへ何かが召喚されるというのが儀式の節理だ。
捧げられたのは性エネルギーが濃縮された少女の蜜。そして喚ばれるのは性エネルギーを力の源とするもの……



「あぁっ!あぁっ!もっと…もっとして、あぁぁっ!、あ、あたしの中、掻き回してぇっっ!あぁんんっ!ひゃぅ、うぅぅんっ!ああダメ、ヘンになっちゃうぅっ!」

少女はまだ異変に気づかないのか、牡の身体の上で淫らな嬌声を上げ、淫らな舞を踊り続けている。
いつしか魔方陣の書かれた石畳は柔らかくなって騎乗位の動きに合わせて波を打つように揺れ、牡獣の背中は魔方陣と一体化していた。
少女の放つ性エネルギーを限界まで吸い込んだ祭壇の魔方陣が飽和し、召喚術式が起動したのだ。
そして魔方陣から何かが浮かび上がると実体化して少女の肢に絡みつき、丁度獣の尻の下にあった魔方陣の中央部が獣の身体と同化しながら盛り上がってゆく。

こうして儀式は完遂し、その時が至る。祭壇は幽世と繋がり、実体を失っていた邪悪な魂が形を得てここに顕現する。

とぷん、と水面が揺れた。
水面?と思う少女。少し冷静さを取り戻し、下を向くと獣の姿が水面の模様のように広がり、薄れてゆく。え?となる少女。
いつの間にか祭壇は浅い水たまりのようなものに覆われていた。水は体温と同じくらいの暖かさで生ぬるく、妙にぬるぬるし、牡の臭いがする。
座り込んだ肢は何かに絡みつかれて動かない。自分を貫いているモノは変わらず固く、その存在感を胎内で存分に主張していた。
思わず片手をつくと、ぱちゃ、という粘ついた音がして濁った水のようなものが飛沫き、手に纏わりついてゆく。
ふくらはぎに、太ももに、その水は絡みついている。異変に気付くにはもう、遅すぎた。もっとも気づいたところで逃れることは出来なかっただろうが。
水は盛り上がり、少女のお尻を舐めるように撫でるとゆっくり割れ目を滑り、股座へと流れてゆく。そうして逸物と一体化するとぶるぶるっと蠕動した。

「あくぅぅぅっ!!」

振動が胎内へと伝わり、内臓を揺さぶられて少女は苦悶と恍惚の表情を浮かべながら水を掴む。
水は少女の反応を歓ぶようにびちゃびちゃと波立ち、やがて俯く少女の目の前の水面に赤い目を浮かび上がらせた。

「え、この目……ま、まさか!…はぅぅっ!……ぁ、ぁ…」

少女はその目に覚えがあった。忘れるはずもない。そしてこの水…触手の感触も。それは少女にとっての最大の敵。
ようやく我に帰り、立ち上がろうとする少女。しかし、それを許すような相手ではなかった。触手の蠕動が蕩けきった少女の襞を捲り、胎内を抉ったのだ。
胎内の蜜を攫われ、快楽によって生み出される性エネルギー…魔物たちが魔力の源泉とするもの…が吸い取られて少女の力が一気に奪われる。
立ちくらみにも似た脱力感に一瞬、少女は気が遠くなってしまう。

「ひゃぁんっ!や、ダメ…やめて、そんな…あぁんんっ!中で暴れて…あぁっ、こんなの嫌…あうぅぅっ!身体、また…くぅうんっ!はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」

いつの間に最大の敵が現れ、いつの間に自分はその陥穽の内にいたのか。少女は必死に立ち上がろうとする。
しかし触手の水たまりの上で力が抜けてへたり込んだ状態。さらに足を拘束され、貫かれたままの体勢からでは抵抗などできるはずもない。
水面の赤い目が満足そうに光ると水が飛沫いて少女の身体へと取りつき、あっという間に少女の身体は再び追い込まれてしまう。
それらは手を繋ぐようにくっつくと蛭のような細い触手となり、少女の上体を這い回ってゆく。
舐められているような、撫でられているような、擽られているような感触に一度は冷えた肌の熱が急速に上がってゆく。
乳房、腋、臍、耳たぶ、うなじ、背中…今まで散々獣の舌に愛撫された所。そこへ少女を知り尽くした触手の愛撫が始まる。
少女は指を噛んで快感を堪えようとするが、既に堕ちた身体がそれに耐えられる筈もなかった。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…も、もう…ゆるして…おねがい…あぁっ……そんなにしないで…ひゃう!…あぁぁ…だめ…がまんできなくなっちゃう……」

少女が音を上げてしまうまでに殆ど時間は要しなかった。元より勝てる相手ではないのだ。
触手が蠢きだすと少女はすぐに悲鳴を上げて喘ぎ悶え、やがて蹂躙され続ける肌を震わせながら弱弱しく首を振り、俯いて涙を零し、あっけなく負けを認めた。
すると水面がぐん、と持ち上がり、少女は仰向けにひっくり返される。そして触手によって拘束された肢が左右に大きく広げさせられた。

「あぁぁっ!い、いやっ、こんな……はずかしい恰好…やめて、あぁぁっ、だ、だめぇ…っ…あぁぁぁ…いや…み、見ないで…おねがい……っ…」

同時に腕も拘束され、少女は逸物を咥え込んだままの恥ずかしいあそこを晒されてしまう。会衆から歓声が上がり、辱められた少女は一層顔を赤らめて首を振る。
その顔を見下ろすように足の間から持ち上がった水面が顔を形どった。少女はその顔を忘れられるはずがなかった。自分を犯し、自分が倒したはずの、その魔王の顔を。

「あぁっ…やっぱり、ラモー・ルー……!」
「フフフフ…コノキカイヲマッテイタゾ………コノヨウナカラダニシテクレタレイ…オマエノカラダデツグナッテモラウ…」
「あぐぅっ!あ、い、いやぁぁぁぁっ、あ、くぅんっ、はぁっ、はぁっ、あっ!あっ!あぁぁっ!ぐ、やめて…あぁっ!ゆるしてぇっ!あぅっ、だ、だめぇっ!」

まだ力が弱いのだろう。その姿は魔法生物のように不定形で、声もはっきりとは聞き取れない。それでも無力な少女を拘束し、強姦するには充分すぎる力だった。
赤い目が光ると触手と一体化した逸物が激しく突き込まれる。蜜を啜って硬質化し、柔軟性をも備えた触手ペニスが一度陥落した少女の胎内を更に撹拌してゆく。
陰唇の襞を捲り上げ、膣道の凹凸を擦り、Gスポットとポルチオを同時に抉りつつ高速でピストンし、形を変え続けて胎内を蹂躙する。
そして同時に肌に取りついた触手たちが一斉に蠕動し、少女の性感帯を腫れあがるほどに刺激し続けるのだ。
それは最早暴力的とすら言える性感の嵐だった。少女は呑み込まれて悶え、叫びながら首を振り、よがり泣くほかはない。
ラモー・ルーはそこが弱点と知っていてわざと耳元に口を寄せて囁くように少女を嘲笑う。
もはや少女は魔王の嘲る声にさえ震えて歓んでしまう身体を押し留めることが出来ず、蜜奴隷へと貶められてゆく。

「ラモー・ルーノショクシュノアジ、カラダハワスレテイナカッタヨウダナ…キュウキュウトシメツケテキオルワ。ハハハハハハ!」
「いやぁっ…こんなの、ダメなのにっ…あぁっ!いや、いやぁっ!あ、くぅんっ、あひぃっ、あぁぁぁ、だめ、あたし、感じちゃう…はぁ、はぁ、あぁぁっっ!」

太い触手が少女の陰唇を無理やり拡げ、膣口を抉り、奥へと突き込まれるたびに粘液の混ざりあう淫らな水音がじゅぶ、じゅぶと響きだす。
少女は苦痛と快楽に苛まれ、苦しげに髪を振り乱し、粘液触手に覆われた床を掴み、足指をぴんと張りつめさせて喘ぎ悶え続ける。
やがて水音は激しさを増し、少女は無意識に腰を蠢かして触手の注挿を受け入れてしまう。涙を浮かべ、喘ぎ続ける顔もすっかり緩み、蕩けだしていた。
初めての時もそうだった。敵なのに、乱暴にされているのに、痛くて、辛くて、悔しいのに、どんどん気持ちよくなってしまう。
快楽に負ければ敵に力を渡すことになると分かっているのに、身体はこんなにも感じてしまい、あろうことか魔王に身も心も捧げたくなってしまう。

「フフフ、マダマダコレカラダ……サア、ゾンブンニヨガリナクガヨイ…!」
「ひゃぁぅっ!ぁ…あぁぁ…だめ…吸っちゃダメ…きゃぁぁっ!…ああっ…そ、そんなにされたら…あたし、あ、あたし…あぁぁぁ…おちちゃう…は…うぅっ…んんっ!…」

全身に取りついた触手が吸盤のようなもので一斉に少女の肌を吸い上げていた。熱烈なキスのように、その性感帯の全てを。外だけでなく、内側までも。
魔王は愛蜜を栄養源とし、性技の頂点にある。そもそも彼女の性感帯の殆どは魔王に開発されたものだ。少女を狂わせる事など、児戯にも等しい。
乳首も、腋も、耳朶も、臍も、首筋も、Gスポットも、ポルチオも、痕が残るほどに吸われ、体液を啜られる悦楽に少女の感覚が混線させられる。
そして再びピストン。愛蜜を掻き混ぜられ、呻き、喘ぐ少女の声が乱れ、蕩けてゆく。痛みも痒みも苦しみも、全てが快感に統合されてしまうのだ。
甲高い嬌声を上げ、いやいやと首を振りながら、少女の身体は全速力で快楽へと逃避してゆく。

「ドウダ…カラダガトロケルダロウ?……ウマイミツニオレサマノショクシュモヨロコンデオルゾ……」
「あぁぁっ、だ、だめ、あたしもう、いく、イっちゃう!あ、あ、あ、あぁ!く、はぁ、はぁ、はぁ、い、イく、イく、いっ、あ、あぁぁぁぁーーーっ!」

凌辱に翻弄される少女を嘲笑うようにお腹の中でめちゃくちゃに触手が暴れ、蜜を啜りながら膣内を抉りまくる。
身体を吹き荒れる暴風のような快感に飲まれながら少女は悲鳴を上げてあっけなく絶頂へ達した。
充血し、捲り上がった襞から蜜を溢れさせ、あそこから潮を飛沫かせ、昂奮に染まった身体を反らしてびくびくと震わせる。
獣の時とは比較にならないほどの絶頂感。満たされながら奪われ、支配されながら解放されるオーガズムの極地を味あわされてしまう。
外の触手は満足げにのたうちながら愛蜜を水面で吸い取ってゆく。しかしこの程度で満足するような魔王ではなかった。

「モットダ…マダタリヌ……モットミツヲナガセ……ソシテミモココロモオレサマニササゲルノダ……フハハハハハ!」
「ひぃっ!や、いやぁぁぁっ!ま、まだイったばかり、あぁぁっ!だめ、ゆるして、ああんっ!はんんっ!ひゃうんっ!あぁっ!あ、あ、あ、あ、んぅぅぅぅっ!」

分かってはいたが無慈悲な宣告に少女は絶望の嬌声を上げる。
じゅぷじゅぷ、ざくざく、ぐちゅぐちゅ、ぶちゅぶちゅ。淫猥な水音は鳴り止まず、少女の喘ぎ声も収まることはない。
幾度も絶頂させられた少女の瞳からは完全に光が失われてしまっている。心を封じられたのではない。心が昏い快楽に呑まれてしまったのだ。
身体を縦横に駆け巡る快感に手足の指までをぴんと張りつめさせて震えるその姿からはもう希望を感じ取ることが出来ないだろう。
蜜を奪うことで魔王は徐々に力を取り戻して少女の身体を意のままに翻弄出来るまでになり、逆に少女には抵抗する術がない。
少女は魔王の手の内で快楽に溺れ、完全に堕ちてしまったのだ。


そして、儀式の最終局面がやって来る。


「フフフフ、ツイニコノトキガキタ……サア、タネヲウイケイレヨ……」

暴れ狂う逸物が一際大きく脈動する。その根元に赤く光るものが生まれ、触手の中を伝って流れてくる。
少女は本能的な恐怖に震える。触手と化した逸物は少女のあそこを深々と貫いたまま注挿し、子宮口を擦りあげながら蜜を吸い取っている。
そして透ける触手の管のような内部を通って、赤い蛙の卵のようなものが徐々に少女のあそこへと迫っていた。
何かは分からない。しかしそれが決定的なまでにいけないものだということは理解できてしまった。

「いやぁぁっ!やめてぇっ!そんなもの、いれないでぇっ!あぁっ!ゆ、ゆるしてぇっ!あぁぁっ!だめぇっ!いや、いや、いやぁぁぁぁっ!」
「フハハハハハハハ!モウ、オソイ!……オレノアタラシイカラダヲハラムノダ!ユカ!」

昂奮した触手ペニスが太さを増し、一番激しいストロークで少女の胎内を抉る。
千切れそうなほどに首を振り、泣き叫ぶ少女。しかし身体は少女の心を容易く裏切って凌辱を受け入れ、至上の悦楽で全身を染め抜いてゆく。
限界まで押し広げられた膣内はきゅうきゅうと収縮して圧力を増し、モノに絡みつき、締め付け、子宮口は下がって子種を待ち望んでしまう。
赤く腫れあがった花芯から迸る快感は思考を焼き、弄ばれ続ける身体は歓びの大合唱を指先にまで響かせている。
苦しい息で喘ぎながら見開いた目に、根元で膨れ上がり、射精の準備を整えた赤い瘤のような塊が映り、少女は遂に絶望する。
あんなものを、あんなに大量に入れられたら、絶対に孕んでしまう…

「やめて!いやぁぁぁっ!や、あぅ、うぅっ!っあ、あ、ぁ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!!」

赤い瘤が崩れて流れ出し、ずりゅりゅりゅりゅぅっ!と音がするような勢いで触手内の管を流れ落ち、胎内へと雪崩れ込む。
どくん!どくん!と音が身体の中でしたのが聞こえる程の、滝のような勢いの射精が少女の子宮に直接浴びせられた。
小柄な少女の胎内はあっという間に赤い種で埋め尽くされる。そして襲ってきたのはありえないほどの熱さ、そして快感だった。
胎が膨らむ程に蹂躙され、逆流し、穢し尽くし、染め抜き、犯し尽くす。赤い種の後にやってきた白濁の精液が更にその上から少女を蹂躙する。
火花が散って視界が消え、思考が真っ白に染め抜かれ、意識が飛んではまた引き戻される。昇天と堕天を一瞬のうちに何度も味あわされてしまう。
少女は千切れてしまいそうなほどに首を振り、唇が裂けてしまいそうになるほど口を開いて絶叫し、暴力的な絶頂に堕ちてゆく。

「あぁぁぁっ!あ、熱い、あついのぉっ!お、おなかっ、くるしっ、あぁぁぁぁーーーっ!ダメぇっ!おかしくなる、おかしくなっちゃうぅぅっ!!」

赤い子種。その正体は祭壇の魔方陣そのものだった。魔王の血で描いた文字が蜜をたっぷり吸い込んで膨れ上がり、触手の中へと取り込まれたのだ。
それが射精と共に少女の子宮の中へと注ぎ込まれ、突き上げるように再展開される。膨らんだ下腹部は赤く発光し、聖なる少女の胎は穢されて魔の受胎装置と化す。
そして胎内に入り込んだ子種…魔王の分身たる魔力体は意思を持ったように卵管を蹂躙し、逆流して少女の卵巣から卵子を奪い去る。
子宮内で蹂躙される少女の卵。抗しきれず、遂に内部への突入を許してしまう。胎内に展開された魔方陣が受精卵を受け入れ、祝福する。
羊水と白濁に満たされた子宮の海中で朱に染まる少女の卵。そして…胎内へどくん、という邪悪な脈動が小さく響いた。
自分のものではない、自分の肉を使い内側から生まれようとする者の足音。それが自分の鼓動とずれて、胎内から、徐々に大きくなって来る。
不幸にもそれらの一部始終が少女には本能的に感じ取れてしまった。
妊娠。その言葉が脳裏に浮かんだ次の瞬間。ばちん、と音がしたような気がして、少女の決定的な何かが切れた。

「あぁぁぁぁぁっ!!イく、イっちゃう!あたし、もうダメ、こわれちゃうっ!あ、イっくうぅぅぅっ!うぁぁっ!あぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!!」

泣き叫び、同時に蕩けきり、折れそうなほどに背中を反らし、手足の指先を痙攣するほどに引き攣らせ、少女は絶頂の咆哮を上げ続けた。
触手たちは歓喜にうねりをあげながら少女の身体を持ち上げ、次々に少女の胎内へと突入してゆく。
精液を吐き出しきった後の半透明の魔法生物である触手たちが雪崩を打って少女の身体の中に潜り込む。
そして産道を踏みならし、子宮の海へ飛び込むと躍り上がりながら胎内の受精卵の中へ全て吸い込まれてゆく。
少女は身体を貫き通されるような激痛と快感に絶頂し続ける。
魔方陣の上の全ての触手がいなくなり、胎内へ収まってしまうまで、少女の絶頂は終わることがなかった。
この時、少女の意識はとうに失われていた。少女の心が耐え切れなかったのだ。それ程に少女の肉体が受けた絶頂感は凄まじかった。
祭壇の上で意識もないまま絶頂に叫び続ける少女の姿は断末魔のようでありながらも、幸福に満ちた表情を浮かべていた。
事実、この時の少女が得た絶頂は人生で最大級の物だったと言えるだろう。それは、これなら狂ってしまえると思えるほどの多幸感だった。
少女の心は絶頂の果てに逃げることを選んだ。魔物の子を孕み、産むくらいなら正気を失い、イきまくり、狂ってしまいたいと願ったのだった。


しかし、残念ながら彼女は狂ってしまえなかった。


あそこから収まりきらなかった白濁液がごぼりと溢れる感覚に震え、少女は甘い地獄のような陶酔から意識を取り戻す。
目覚めた時、少女は祭壇の上で一人倒れていた。全裸で、石畳の上。獣も、触手も魔王もいない。
篝火は消えているが会衆はまだ残っており、魔方陣はくすんだ赤色の筋を残すのみで光を帯びてはいない。
疲労は色濃く、穢された痕跡は残っているが、汗も引き、身体の熱もおさまっている。どうやらそれ程時間は経っていない様子だった。
起き上がろうとして果たせず、少女は下腹部の違和感に漸く気づく。恐る恐る俯くと…そこには自分の物とは信じがたいほど大きく膨らんでしまった下腹があった。
そして悪夢のような出来事を思い出す。あの凌辱と受胎儀式のすべてを。

「うわぁぁぁぁぁぁっ!な、なんなの、これ!?……い、いや、ま、まさかそんな、そんなの嘘よ、嘘よぉっ!」

戦慄が迸り、血の気が一気に引く。まさかこんなに早く卵が孵化するなんて思いもしない。これが自分のお腹だなんて信じられるはずもない。
狂乱し、涙を流しながら自分のお腹を叩く。受胎の事実を認めたくないとばかりに。夢ならば醒めて欲しいと願いながら。
二度、三度。しかし手ごたえはない。五度、六度。それくらいではお腹の中にいる者に届きはしないし、痛みはこれを現実だと無慈悲に告げている。
そうしているうちに、どくん!と大きな胎動が鐘のように少女の全身へ響き渡った。

「あぐぅっ!…え、何?…い、今の……何なの…あぐっ、う、ぐぅっ!うっ、うぅっ、あ、い、や、やめて…そんな…あぐっ、いや…うぅっ!」

戸惑いを覚える間にも、どくん、どくん、という鼓動は胎の中から次々に響きだし、大きくなってゆく。次第に少女は恐怖に動けなくなってしまう。
もう、取り返しがつかない。全て手遅れなのだ。胎内の鼓動はもう、ここを出せと喚きたてているようにすら聞こえていた。出産が…始まってしまう。
ずくん、と大きく下腹が疼き、痛みを覚えた次の瞬間、秘襞が勝手に決壊する。破水だ。ぷしゃあ、とあそこから潮のような、血のような羊水が迸る。

「あっ、ぎぃっ!あ…あぁぁっ!はっ…ぐ…はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、あぐぅ!ん…んぁぁ!ひっ、ひっ、ふぅ…んっひ、いぃぃぃ!ぐ、あぁぁぁんっ!!」

破水の瞬間、少女はあろうことかそれを気持ちいいと思ってしまった。その直後に陣痛が襲う。現実を受け入れる暇もなく、少女は脂汗を浮かべてのたうち回る。
お腹の中で魔王が蠕動し、脈動し、子宮口をこじ開けようとしている。同時に膣内を触手がのたうって産道をめちゃめちゃに掻き回していた。
大きく広げた肢の間、膣口からは細い触手がはみ出し、襞をくつろげようと蠢いている。それが少女に痛みとそれ以上の快感を与え、掻き乱してゆく。
苦痛と快楽、絶望と至福が交互に、やがてないまぜになって少女を打ちのめす。必死に息を整え、胎が裂けてしまわないようにするだけでも精一杯だ。
人間のどころか家畜の出産に立ち会った経験すらないのに、少女はたった一人でこの現実を受け止め、望まぬ出産をしなければならない。
しかも、生まれようとしているのは自分の敵。魔王ラモー・ルーなのだ。

「産みたくない、産みたくないのにっ…あぁぁぁ、だめ、気持ちよくなっちゃダメェっ!あぐぅぅぅっ!ん、あはぁぁぁっ!い、いや!イっちゃう、イっちゃうよぉっ!」

混乱した叫びと喘ぎ。未だ愛も恋も知らぬまま肉欲の虜となり、魔王を孕まされた少女。
衆人環視の中、一人全裸で膨れ上がったお腹を抱え、悶え苦しみ続けている。
現実を受け止めきれぬまま錯乱し、悶え苦しみながら、肉悦に喘ぎ続ける少女の姿は凄絶でありながら例えようもなく美しく、神聖なものにすら見える。
一度は魔王を倒した少女が魔王の種を受肉し、今、魔王の母となろうとしている。なんという因果の巡りあわせであることか。
生と死、愛と憎しみ、喜びと絶望、苦痛と快楽の全てがこの祭壇の上にあった。
邪教の徒にとっては神話の再現にも等しい受肉と降誕の場面だ。会衆たちも思わず息を潜め、涙さえ流して至尊たる儀式の完遂を見守っていた。

「あぐぅっ!う、ぐぅぅっ!あ、があぁっ、イ、イク…んぅぅぅぅっ!!あぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!!」

胎内を強く抉られ、少女は遂に出産の苦痛と快楽に錯乱状態になりながら絶頂してしまった。喉が涸れ、唇の端が裂ける程の断末魔が祭壇に響き渡る。
直後、少女の膣口を押し開いてずるりと歪な青黒い肉が頭を出す。無理やり拡げられた襞からぷしゃあっと血のような潮と蜜が飛沫を立てた。
そして粘液をまとったグロテスクな肉塊がそのままずるずるずるるるっと少女の胎内から這い出していった。
胎児を失い、急速に萎んでゆく胎。そのありえないほどの解放感に少女はまた昇天してしまう。
出産絶頂の果てに放りあげられた少女は全身をびくびくっと痙攣させると失禁のように羊水をあそこから溢れさせる。
やがて力尽き、糸が切れた人形のようにばったりと倒れ、そのまま意識を幸福な闇の底へ沈めていった。

「…あぁっっ…………かはっ……ん……はぁぁぁぁっ…………」

肉塊は外へ出ると少女の身体の上を這い、膨らみきった乳房へと取りつく。赤い蕾のような乳首からは既に母の印である母乳が溢れ出していた。
肉塊は赤子のようにそれを啜り、徐々に膨らんでゆく。死んだように意識を失った少女は肉塊に母乳を吸われても、時折びくん、と痙攣するのみだった。
芋虫のような肉塊は母乳を吸い続けるうちに徐々に形を変えてゆく。胎児のような形になり、虫のような形になり、獣のような形になり、みるみるうちに大きくなる。
少女の体から溢れた性エネルギーを母乳として吸収し、肉体を再構築しているのだ。
そしてゆっくりと立ち上がる。その姿はまごうことなき魔王ラモー・ルーの姿であった。

「我はラモー・ルー。今、肉体を取り戻したぞ!」

厳かな再臨宣言に沸き立ち、昂奮し、立ち上がった会衆の歓声が上がる。
魔王はぼろぼろになって倒れ伏している少女を見下ろし、次に力を確認するように自分の手を握りしめた。


魔王が使ったのは少女の肉体を借り、受精卵と胎内を使って肉体を再構成するという転生の禁呪だった。
(蜜が豊富で相性のいい体でなければ力は戻らないうえ、最悪母体と共倒れになってしまう賭けのような魔術だったが、どうやら成功したようだ。
まあ、蜜奴隷として優秀なこの娘の身体ならまず間違いないと踏んではいたが。
しかし悠久を生きるこのラモー・ルーが、油断したとはいえ聖剣に倒されて肉体を失うなど、思ってもいなかったことだ。
まだまだ私の力も足りんということか……ふむ。永遠の魔力を持つと伝え聞くリバースの剣、探し出して我が物とするべきか……)

「魔導士よ、ユカを丁重に扱うがいい。胎を借りただけとはいえ、我が母となったのだからな。フフフ…」

ラモー・ルーは冗談のように言い残すと姿を消す。後には魔王の母となってしまった異世界から来た少女剣士、ユカの力尽きた裸身だけが残された。
閉じられた瞼からは涙を、裂けた唇からは血を、乳首からは母乳を零し、全身を汗と唾液に濡らし、肌の至る所に擦り傷と凌辱の痕跡を残している。
あそこからは白濁と羊水の混ざった赤白い粘液を大量に溢れさせ、秘襞は激しい出産の残滓に未だ痙攣を続けていた。
汚辱の限りを尽くされ、極限まで蜜を奪われ、その果てに無残な出産をさせられたはずの少女の寝顔は、不思議なことに安らかなものであった。


その後、ユカは森の奥で目を覚ますと、ぼんやりする頭と疲れ切った体を不思議に思いながら家路についた。
あれだけの目に遭ったというのに、彼女は儀式前後の事を覚えてはいない。記憶を失ってしまっていたのだ。
それはラモー・ルーが蜜奴隷としての彼女を壊してしまう事を避けるため、魔導士に命じた措置だった。
あるいは、それは自分の母体となった少女に何らかの感情を持った為なのかもしれない。しかしそれは誰にも分からない事だろう。
そして彼女は自分が魔王を生み落したことを忘れたまま、これからも戦いと性に満ちた変わらぬ日々を送ってゆくのだ。




そして…時は過ぎ、リバースの剣を求めてラルという国を訪れたラモー・ルーはキャロンという少女に出会う。
それは彼女がユカと瓜二つであったことを魔王自身が忘れてしまう程、遥か遠い未来の話であった。

超次元伝説RALL/ZERO
 ~fin~