「マリオが生きている…ですって?」

キャロンがその話を侍女の一人から聞いた時に感じた胸の高鳴りを、当時の彼女自身は説明出来なかった。
何故、自分がこんなに動揺してしまうのか分からなかったのだ。

曰く。ディメルンの森近くで働くとある木こりがそれらしい姿を見かけたのだという。
マリオとは顔なじみであったその木こりは後ろ姿に向かって声をかけたが、気づかなかったのかそのまま立ち去った…と。


「もうあれから1年以上経つのよ?それに…」

そう、マリオはラモー・ルーの依代となって村を襲い、ゴモロスの神殿へ押しかけた。
そしてラモー・ルーが本性を現すと同時に抜け殻となっていた彼は人としての姿を失ってしまった。
ラモー・ルーは自分が倒した。マリオが帰ってくることはない、はずなのだ。

侍女が退出して一人になってからも、キャロンの胸内には困惑が蟠っていた。

「もしかして、ラモー・ルーが復活…?ううん、そんなはずないわ。夜の女王だってもういないのよ」

ラルが再び平和を取り戻し、キャロンは王女として王宮に入っていた。
穏やかな日々、みんなそれぞれ幸せに暮らしている。何も不安に思うことなどなかったはずなのに。
夜も更けてきたというのに、キャロンは胸の奥がざわついてどうにも眠れそうになかった。



そして、その次の日からキャロンは皆には内緒で一人、マリオを探すために森を散策するようになった。

一人で薄暗い森を歩いていると、あの時の記憶がキャロンの脳裏をかすめてゆく。
それは伝説の剣士として戦っていた時のこと。
黒騎兵と戦い、村を救おうと走って、走って。そして…
キャロンはそこでかぶりを振って思考を止める。その先は、思い出したくなかったからだ。
そしてまたマリオの姿を求めて森の奥へと進んでゆく。
そんな日が幾日も続いた。



そしてひと月ほどが過ぎた。この日もキャロンは森を歩き続けていたが、その足には焦燥と疲労が感じられ始めていた。
夕暮れをとうに過ぎ、明るい月が木々の間から彼女を照らし始め、涼しい風が汗ばんだ肌を冷やしてゆく。

「あたし…何してるのかしら…」

疲れから歩みを止め、ふと零すように独り言を言う。
何故、ここまでしてマリオを探すのか。自分でもよく分からなくなってきていた。
王女として村人の一人である彼が心配だから?剣士としてラモー・ルーの依代だった彼を放置できないから?
なんだかそのどちらも彼女自身にとってしっくり来なくなっている。ではなぜ…?
整理できない気持ちに区切りをつけるように溜息をついて踵を返し、今日は帰ろう。と思ったその時。
がさがさ!という葉擦れの音が背後から響いて森の静寂を打ち崩した。
キャロンは瞬時に体勢を低くし、腰の剣に手をかける。

「誰!?」

応えるものはいない。鋭い眼差しで慎重に周囲を見回すキャロン。
そして彼女は見た。薄暗い木々の間に、背の高い、筋肉質な男の後ろ姿が佇んでいるのを。
その後ろ姿をキャロンはよく知っていた。

「マリオ!マリオなの?」

声を上げながらキャロンは自分の胸が高鳴っているのに驚いていた。
ようやく見つけたという安堵と喜びが一時的に少女の気分を高揚させていたのだ。
そして、駆け寄ろうと一歩踏み出した瞬間。彼女はその足を止めてしまう。

それは恐れだった。
自分が知っている最後のマリオ。それはラモー・ルーの依代であり、自分を犯した男である。
魔力に囚われていたとはいえ、その一部始終を忘れたわけではない。
いや、それどころか。こうしてその背中を見てしまった瞬間にそのすべてが脳裏によみがえってしまったのだ。


マリオの、あの身体に押し倒されて辱められ、純潔を奪われたあの夜。
乱暴に服を脱がされ、裸を見られた。大きい武骨な手で乳房を弄られた。下着を剥がれ、あそこを指で掻き回された。
舌で肌の至る所を舐められた。かさかさの唇で花芯に吸いつかれ、溢れる蜜を啜られた。
肢を広げさせられ、太くて熱い逸物で貫かれ、処女を散らされた。何度も激しく胎内を抉られて、悲鳴を上げさせられた。
そして最後には膣内で射精され、胎内を大量の熱い白濁で汚された…

そのすべてをキャロンは覚えていた。そして自分がどんな痴態でそれに応えてしまっていたのかも。
嫌だったのに、恥ずかしくてたまらなかったのに、まったく抵抗できずされるがままに犯されてしまった。
それどころか魔力に囚われた身体は愛撫に感じ入ってはしたなく燃え上がり、いやらしい声まで上げてしまっていた。
しかもそのすべては二人を取り囲む村人たちの目の前で行われたのだ。
それは少女にとって忌まわしい記憶。忘れたくて仕方のない、けれど忘れられない記憶だった。


「あ………」

自分が今、何をしようとしていたのかに思い至ってしまったキャロンは声を失う。
マリオと会う、という事はあの時の記憶と向き合うということだ。
それに気づいてしまい、恥ずかしさのあまり一気に顔が赤くなるキャロン。
大人の女としてはまだまだ未熟な彼女。覚悟も気持ちの整理もできているはずがなかった。
だから彼女は後ずさり、その場を逃げ去ろうとする。

その赤いブルマに包まれたお尻が、誰かの身体にぶつかってぽよん、と跳ねた。

「あっ…」


「どうしました?キャロン王女」


その声を聴いた瞬間、キャロンの足は動かなくなってしまう。
それはまぎれもなくマリオの声だった。
彼はいつの間にかキャロンの背後に回り込んでいたのだ。
ゆっくり振り返れば、そこには確かにマリオが立っていた。

「い、いや、あの、あの、あのね?これはね…あぁぁ、違う!えーと、あの、えーと…」

気が動転し、何を言っていいやら分からなくなるキャロン。剣を取り落としているのにも気づかぬままだ。
その様子をマリオはにやにやと笑いながら見下している。

「そ、そう!そうよ、生きてたなら生きてたって!連絡くらいしなさいよ!まったく、今までどこ行ってたのよ!」

そしてよく分からないままごまかそうと、マリオに苛立ちをぶつける。
とにかく、黙っていては何かがまずいと彼女の胸の内が全力で告げていた。

「まったく、仕方ないんだから!みんな心配してたのよ?聞いてるの?ねえ!…って……!?」

早口でまくしたて続けるキャロンの肩をマリオの手が掴む、それだけで少女はびくんと震えてしまう。
動揺のあまり何か言おうとする口がぱくぱくと動くばかりで声が出せない。
膝が震えている。いけない。このままではいけない。何がいけないのかは分からないけれど。

「……ま…まって……ちょっと待って…ね……離して…」

マリオの身体が近い。掴まれている肩が動かせない。大きな男の人の手の、ごつごつした感触。
顔が熱い。胸がどきどきする。あの時のことを思い出してしまう。
嫌なのに。絶対嫌なのに。もうあんなことしたくない…はずなのに。

「こんな所まで、私に会いに来てくれたのですね…それでは、お礼を差し上げなくてはいけませんなあ…」

囁くような声がキャロンの耳を擽ると、身体を竦めて「ひぅっ…」と弱弱しい声を漏らしてしまう。

「違う、違うの、これはね?…違うのよ?…お、お願い、待って…いや…は、離して…」

声が小さく、弱弱しくなってゆく。
悪い予感が現実のものとなりつつある。しかし、足が、手が思うように動けない。
既にキャロンの小柄な肢体はマリオの腕の内にすっぽりと包まれてしまっていた。
その様はまるで狼に捕らえられて震える子兎のようだった。



男の大きな手が纏わりつくようにして捕らえた少女の身体の上を滑り始める。
赤い服の上を、素肌の上を、むき出しの太ももを、ブルマに包まれた丸いお尻を、すべすべの内股を、引き締まったお腹を、
そして豊かに実りつつある柔らかな胸を。

「だめっ…やめて、なにするの?いやっ…ちょっと…触らないで!だめ、だめぇっ」

このままでは犯されてしまう。またあの時のように。自分にはもうペルルという恋人がいるというのに。
しかしここはどんなに叫んでも誰も来ない場所である。キャロンの心に絶望の影が差す。
たとえこの腕を振り切れたとしてもマリオの方が足が速く、キャロンの足は疲れてしまっている以上、追いつかれるのは時間の問題だ。
剣は取り落としてしまってマリオの後方にあり、取ることが出来ない。いや、そもそも人相手に剣を使えるのか?
つまる所、キャロンにこの状況を脱する方法はないのだ。

「いやぁん、触らないでぇっ…ダメ、マリオ、お願い、やめて、やっ、だめぇっ…」

キャロンはしきりに身じろぎをし、何とか逃れようともがくが、何故かその動きは次第に緩慢なものになってゆく。
どうしてもマリオの遠慮のない手の動きに意識を持って行かれてしまうのだ。
その武骨な手は時に強く、時に優しく、時にリズミカルに少女の肌に触れ、徐々に揉み解してゆく。
少女は触られているうちに胸が徐々に高鳴り、次第に速く、熱くなってゆくのだ。

「い、いや……や、やめて…お、おねがい…だめ……こんなの…いやぁっ…いやらしいこと、しないでぇっ…」

「どうして?ずっとこうして欲しかったのでしょう?」

後ろから抱きすくめるマリオの囁く声が耳に触れると眉根が震えてしまう。
そんなこと思っていない。と言い返したいのに言い返せない。
マリオの手に触れられている肌の柔らかい箇所が段々むずむずとして来る。
自分で触ってもこんな風にはならなかったのに。男の人の手で触られるとこんなにくすぐったくて、むずむずしてしまうのか。
キャロンは身体のあまりに敏感な反応に戸惑っていた。

「馬鹿、そ、そんなこと思って…ないっ…ひぅっ…やだ、やだっ……いやぁっ…だめ、あ、あたしには、ペルルが…」

「ここには王女と私しかいません。他に誰も見てませんよ」

断言され、最後の逃げ場は閉ざされる。最初から止める気はないのだ。
体中を弄られるくすぐったい感じが、徐々に肌の奥へじわじわと染み込むような感じに変わってゆく。
触られているだけなのに、胸のどきどきが収まらず、顔がどんどん熱くなって、身体の力が抜けてゆく。
やがて、もっと触ってほしいと思ってしまう。
男の手に触れられるのはあの時以来だというのに、この身体の変化をキャロンはよく覚えていた。
このまままじゃいけない。そう思うのに、何故か身体は思うように動けない。
マリオの手の内で弱々しく身を捩りながらキャロンは言葉でせめてもの抵抗を返そうとする。
しかし、紡ごうとするその言葉も手の蠢きによって寸断されてしまうのだ。

「ふふふ、感じて来ていますね?」

「ち、違う…っ…の…こ、これは…っ…やっ…だ、だめっ……あっ…そんなとこ、触っちゃ…だ、だめぇっ…」

慌てて否定しようとする隙にマリオの手が服をめくり上げて潜り込み、お臍の周りを撫でつつ、ゆっくり上へと登ってくる。
キャロンは思わずマリオの手を掴んだが、その動きを押し留めることは出来なかった。
ブラをしていない乳房は、無抵抗にその豊かな膨らみを確かめるような愛撫を受け入れてしまう。
その豊かさを、瑞々しいハリを、肌の滑らかさを確かめるように、そして弾力を愉しむように双丘は男の手の内に包まれる。
キャロンは弱々しく首を振りながら胸を揉まれる懐かしい感覚に震えてしまっていた。
それは確かに快感だった。まだ経験も浅いはずなのに、胸を愛撫されて気持ちいいと思ってしまったのだ。
徐々に、キャロン自身も気づかぬうちに身体の奥底に小さな火が灯り、ゆっくりと燃え広がってゆく。

「はぁっ、はぁっ、はぁ、なんで…ど、どうして…?こんなに…マリオ、あなた…あたしに何かしたの?」

「別に何も?こうして触っているだけですよ…」

確かに魔術を使われたり媚薬を使われたりはしていないはずだ。それなのに、身体はどんどん熱くなってゆく。
力が抜け、マリオの腕に身体をゆだねたくなってしまう。この身体の奥から湧き上がってくる熱いものは何なのだろう。
どうしてこんな風になってしまうのだろう。何故こんなにいやらしい気持ちになってしまうのだろう。
キャロンは荒い息を吐き、身悶えながら戸惑うばかりだった。

「それは、あなた自身の心から生まれてくるものですよ。男に抱かれて、気持ちよくなりたいという…ほら、素直になりましょう…」

「あぁっ…や、やめて…っ…やだ…あっ…あ、だ、だめ…だめぇっ…あぅっ…んんっ…」

小さく悲鳴を上げるキャロン。いつしか「駄目」という対象はマリオではなく自分の身体に変わっていた。
愛撫に感じてしまう身体を押し留めようとするが、それが叶わないのだ。
マリオの腕をつかみ、引っ張ろうとするのだが、もはやその手には力が籠らなくなってしまっている。
そして。ブルマ越しにマリオのモノが硬く、熱くなってきているのをお尻に感じて、身体が震え、力が抜けてきてしまうのだ。

「柔らかくて、鞠のように手の中でよく弾む…あの時と変わらない、素晴らしいおっぱいですね…」

はだけかけた服の下に手を差し入れて乳房をいいように弄びながら、マリオがキャロンの耳元で囁いた。
キャロンは驚愕した。魔王がいなくなって村人達の誰もが忘れたあの時の事を、当の本人であるマリオは覚えていたのだ。

「マ、マリオ…あなた、覚えて…あぅぅっ!」

「フフフ、忘れるものですか。この感触……片時も忘れたことはありませんでしたよ…もう、離しはしない…」

振り向こうとする動きはマリオの腕に阻まれる。
服の下で勃ってしまっていた乳首を抓られ、同時に指がブルマの上からキャロンの内股へ滑り込み、強く押しつけられる。
びくん!と少女の身体が跳ねる。痛みを感じるほどの強い性感に震えあがってしまったのだ。
手が離されると一気に弛緩した少女の瞳には涙が浮かび、肌には汗が滲み出る。
汗に蒸れたブルマに蜜の染みが浮き、少女の膝が力を失う。そして彼女は悟る。もう、自分からも逃がれられないのだと。

「はぁ、はぁ、だ……だめ…そこ…や、やめて……はぁっ、はぁっ、はぁっ、も、もう、ゆるして…あぁぁっ…」

「さあ、貴女にもゆっくり思い出させてあげますよ…その身体にね…」

耳朶を舐められながら囁かれ、少女の身体が甘い痺れに支配されてゆく。
吐息が蕩けだし、腕の力が抜け、太ももが震え、顔が熱くなってゆく。
上着をゆっくりとめくり上げてゆくマリオの手にキャロンはもう抗うことが出来なかった。
夜風の下に晒された豊かな乳房は、愛撫に感じ入って乳首がすっかり勃ってしまっている。
犯される恐怖を触れられる快楽が上回ってしまったのだ。
片方の手が少女の頬に添えられ、首を傾けるとそこには男の顔があった。諦めたようにキャロンは瞼を閉じてしまう。
恋人ではない男の、かさついた唇が少女の小さな赤い唇へと重ねられる。こうして、少女は男の手中に堕ちたのだった。



柔らかい草の上にキャロンは押し倒される。
既に上着は脱がされ、ブルマも脱がされて下着一枚にされてしまっていた。
マリオもいつの間にか裸になり、逞しい男の身体が小柄な少女の肢体へと覆いかぶさってくる。

「お、おねがい…やめて、ねえ…っ…こ、こんなこと…んぅっ…だ、だめ…ぁっ…」

「いまさら何をおっしゃるのやら……キャロン王女。その美しい肌をもっとよく見せてください…」

恥ずかしそうに赤らんだ顔を背け、身体を懸命に隠そうとするキャロン。
しかし、その手を掻い潜るようにしてマリオの手と口が少女の柔らかな肌の上を滑ってゆく。
背中からお尻を撫でられながら、舌で腋の下から乳肌を這うように舐められ、屹立した桜色の乳首に吸い付かれる。
触れられることにまだ慣れていない少女は敏感な所に指や舌が触れるたびに身体をびくんと跳ねさせてしまう。

「やっ…ん…だめ、そんなとこ…さわっちゃ、あ、やぁっ…あ、いやぁんっ…」

二度目のセックス。愛撫に対する自分の身体のあまりに敏感な反応に戸惑うキャロン。
触れられて反応してしまうのに従って抵抗しようとする動きはどんどん緩慢なものになってゆく。
そして触れられれば触れられるほど身体の反応は強く、深いものになってゆくのだ。
マリオの動きはかさにかかってどんどん大胆になり、少女の反応を愉しむかのように柔肌を弄んでゆく。

「何を言ってるんですか…身体はもっと触ってほしいって言ってますよ?ほぅら、もうこんなに濡れて…」

「いやぁっ……そこは、だめ、だめぇっ…あぅぅっ!」

下着をずらされ、指先で濡れた襞を捏ねられてにちゃにちゃと音を立てさせられるとキャロンの顔がかっと熱くなる。
身体が反応しているのだという事を嫌でも意識させられてしまうのだ。
そして忘れていたはずの感覚が身体に広がってくる。あの時、記憶に強く刻み付けられてしまった感覚が。

「なんで…なんでこんな…あぅぅっ…あぁぁ、そんなにしちゃだめぇ……っあ!…はぁ、はぁ、はぁ…」

「なんと感じやすい身体だ……こんなに感じてもらえると愛撫のし甲斐があるというものですよ」

胸を揉まれて湧き上がってくる感覚も、乳首を啄まれる痛痒感も、太ももやお尻をさすられるむずむずした感覚も
あそこを触られる痺れるような感覚も、すべてが自分の中から湧き上がってくるという事が信じられなかった。
魔力に囚われていないのに。男の人に触られているだけで、こんなにも感覚が暴走してしまうなんて。
悶えれば悶えるほど愛撫を誘い込み、愛撫を受ければ受けるほど妖しい快感が身体中を支配してゆく。
息が上がり、体の熱が上がって頭がぼうっとし始め、涼しい夜のはずなのに肌には汗がにじんで来る。

「はぁ、はぁ、はぁ…ん…は…はぁっ…はぁっ…あぁぁ…っは……く…んっ…はぁっ…はぁぁぁっ…こ…こえが…でちゃう…っ」

「声を出していいんですよ……さあ、我慢しないで…もっとエッチになりましょう…」

男の身体に抱かれながら耳元を擽るように囁かれていると、言葉が身体に、心にどんどん染み込んでくる。
耐えよう、我慢しようと口を引き結ぼうとしても、どうしても唇が緩んでしまう。
荒く乱れる吐息は次第に甘く蕩け始め、そんな声を出すつもりなどないのに勝手にいやらしい声が漏れ始める。
声が我慢できない。どこを触られても気持ちよくなってしまう。思考に霧がかかり、何も考えられなくなってゆく。
自分の出してしまっている淫靡な喘ぎ声に戸惑いながら、少女は二度と戻れない堕落への坂へ導かれてゆくのだ。

「んうぅうっ…うむ……んぁ……ぁっ…ん…んむ……んんっ…」

緩慢に開いたキャロンの唇にマリオの唇が重ねられ、互いの舌が口腔内で絡み合う。
初めてのディープキス。予想もできない舌への愛撫にキャロンの思考が蕩かされてゆく。
キスされながら片手で下着を脱がされてしまい、キャロンの肌は全て晒され、包み隠すものはもう何もない。
乳房は手の内で縦横に捏ねられ、屹立した乳首も舌と指で存分に苛められている。
蜜に濡れた割れ目の奥には男の指が潜り込んでくちゅくちゅと音を立てて掻き回されてしまう。
恋人にもまだ触らせたことのない身体の全てを男の手の内に全て投げ出し、少女は今、男の性技の為すがままになっていた。

「ぷぁっ、あぁっ……だめ…いやぁっ…あぁっ、も、もうゆるして…あぅっ…おっ…おねがい…ゆるして…あぁぁぁ…」

「ふふふふ。素直になりましょう…もっと気持ちよくなれますよ…ほら、身体はこんなに正直だ…」

赤らんだ顔を隠し、かぶりを振るキャロン。その瞳は潤んで凛々しさの片鱗も感じられなくなってしまっている。
弱々しく、男の手管の為すがままにされ、自分の内側からとめどなく湧き上がる性感に翻弄されきってしまっていた。
遂には男の肩に手を回して縋りつき、愛撫に悶え、嫌々と言いながら腰を蠢かせ、その肢体を男の身体へと摺り寄せてゆく。
今、少女の身体はあの夜の時のように燃え上がりたい、と訴えてしまっていた。
それは牝としての本能であり、キャロン自身が知らない彼女の本性。淫蕩な雌性の発露だったのだ。

「あぁぁぁ…だ、だめ、だめ、も、もう…がまんが…あぁっ…はぁ、はあ、はぁ、がまん…できないよ…っ…あぁっ」

キャロンにとっては二度目のセックス。男の前で裸になるのも、愛撫されて声を上げてしまうのもまだまだ経験が浅い。
そんな羞恥と困惑でいっぱいな胸の内にマリオの手と舌が滑り込み、巧みに解きほぐしてゆく。
感じやすい少女の肌に快楽の味を覚えさせて女の身体へと導き、男の虜にしてゆくのだ。




「なんと美しい。まるで濡れた真珠のようですよ、王女。ここをこうすると……」

「あぁぁっ…恥ずかしいっ…見ないで…そんなとこ…なめちゃ…あぅんっ!…だ、だめっ…びりびりして…ぇっ…あたし…あたしっ…」

マリオが股間に顔を埋めている。濡れた薄い茂みをかきわけ、陰唇を開いてピンク色の膣口へ辿り着き、舌を伸ばして少女の秘部を舐めている。
男の人にあそこを見せるのだけでも死ぬほど恥ずかしいのに、股を広げて眼前に晒し、襞を開かれ、あまつさえ花芯を舐めさせるなんて。
キャロンは自分が許している行為に顔から火が出るほどの羞恥に襲われていた。
しかし、キャロンはそれ以上にその舐められているあそこから迸る快楽電流に打ちのめされてしまっていた。

「いい声だ……その声、もっと聴かせてください…そうら、そうら…」

「あぁぁ…だめ、だめぇっ…っあ!あくっ…感じちゃ…う、うぅっ!ん、んんっ!いやっ、もうダメ、も、いやぁぁぁっ!」

かぶりを強く振り、胸を大きく反らし、上体を震わせるキャロン。
強い刺激に涙が零れ、喉から洩れる嬌声が一際高く、大きくなってゆく。
あそこを舐められるとどうしてもラモー・ルーの時を思い出してしまう。
あの時はまだ幼く、恥ずかしいだけだったのに。気持ちいいなんてまるで思わなかったのに。
今こうしてマリオの熱い舌が花芯を捉えているのを感じると、全身に甘い電流が走り抜け、痺れてしまうのだ。
身体が震え、頭が真っ白になってゆく。ここがこんなにも妖しい気持ちよさを生むなんて!

「あぁぁっ!だ、だめっ、あたしもう、あぁっ!いや、何かきちゃうっ!あ、あ、こわいっ、うっ、くぅっ、ううんんんっ!」

どんなに暴れてもマリオの腕はキャロンの肢を容易に抑え込み、舌は花芯から離れない。
しなやかな太ももを逞しい腕が抱え込み、柔かな襞を指が揉み広げ、かさついた唇が襞の内側に吸いついている。
ざらついた舌が、濡れた真珠のようなキャロンの花芯をまるで飴玉のように弄び、唾液を塗り込め、絡みつき、突き、転がす。
胎の奥で燃え上がるような快感に飲まれて身悶え、男の手管に翻弄されるまま、キャロンは絶頂へと追い込まれてゆく。
やがて大きな波のような快感が押し寄せ、少女の心の防壁を打ち崩し、飲み込み、巻き上げる。
悲鳴のようなひときわ大きい声を上げると、キャロンは声にならない叫びを上げながら肢体を幾度も大きく跳ねさせた。

「だ、だめ、いやぁっ、あたし、飛んじゃうっ、あ、ああぁぁぁっっ!!…っぁ!…っっ!…っ!んんっ、んっ!……っ!…!……っ!」

キャロンは一瞬、自分に何が起こったのか分からなかった。
全身を貫くような痺れが駆け抜け、頭の中が真っ白になってしまったのだ。
身体が浮き上がってしまったような浮遊感とともにあられもない悲鳴が勝手に喉から迸っていた。
その強烈な感覚が過ぎた後も身体は小刻みに痙攣し、水が零れるように力が抜けていってしまう。
まるで全力で走った後のように息が上がり、至る所から汗が噴き出していた。

「イキましたね…キャロン王女。そんなに気持ちよかったですか?」

「い…イく……あたし…イっちゃった…の…これ…が…?んっ!」

「そう、それが「イく」という事ですよ。その味を覚えたなら、貴女はもう「女の子」ではいられない…」

ぐったりとしたまま、覆いかぶさってくるマリオを荒い息のまま呆然と見るキャロン。
全身に広がってゆく甘い電流に意識を白く蕩かされながら、これが「イク」ということだと無意識に身体へ刻み付けてゆく。
それはあの時、貫かれながら味わった感覚と同じものだった。
意識が朦朧としたまま、マリオの手に体のあちこちを触れられると肌が先ほどよりも敏感になっているらしく、
びくん、びくん、と震えるような反応を無意識に返してしまう。
最早どこを触られても痛いほど心地よかった。感じすぎて怖くなってしまうほどだった。



「さあ、肢を開いて……」

マリオの手が内腿に触れると、キャロンはもはや何の抵抗もなく大きく肢を開いてマリオを迎え入れた。
男のものが視界に入り、その逞しさと大きさに身体が恐怖に震え、同時にどこかで期待してしまっている自分にキャロンは戸惑っていた。
こんなものがかつて自分の中に入り、胎内を蹂躙したことがあるのか、そしてこんなものに貫かれたら自分はどうなってしまうのか、と。

「貴女を「女」にして差し上げます」

「…い、いや……いやぁ……だめ…あぁぁぁ…」

いきり立ったものが迫り、あそこに触れてくちゅりと音を立てるとキャロンの眉根が怯えに歪み、肩がぴくんと震えた。
しかしそこはもう溢れた蜜でしとどに濡れ、快感に蕩けきってしまっていた。
弱々しく首を振り、口では嫌がっていても、身体はもう完全に準備を整えてしまっているのだ。
濡れた襞をものが捲ると思わず腰が浮き、熱く煮えた内側が誘い込むように蠢いて先端に取り付き、引きずり込もうとする。
マリオはその蠢きをもので味わい、反応を愉しむようにしながら、キャロンの胎内へとゆっくり身体を沈めていった。

「分かりますか?今、あなたの中に私のものが入ってゆくのを…ほら…これが欲しかったのでしょう?」

「いや、あっぐ、うぅっ、んん、んぐ、ちがっ…ぅっ、ぅぁっ、あぁっ、あぁぁぁぁ……っ…は、はいって…くるぅっ…」

お腹の苦しさと、圧迫感、そして侵入してくるものの熱さに呻くキャロン。
どんなに蕩かされていてもまだセックスは2度目である。膣内がこなれているわけではないのだ。
少女の中に初めて侵入した太くて逞しいものが今、再び深々と狭い膣内を貫き、蹂躙してゆく。

「ほら、力を抜いて下さい……そう、大きく息を吸って…吐いて…」

「くぅっ、んぐ、うぅっ、んっ、んんっ、はぁ、はぁ、あぐっ、く、くるし…っ、あぁっ、や、やめて…」

2度目のセックス。魔力に囚われていない状態という事ならば初めてということにもなる。
身体を貫かれ、下半身から突き上げられて揺さぶられる感覚は記憶の中にしっかりと残されていたものだった。
処女ではないので痛みは感じなかったが、あの時は感じなかった胎内の異物感と息苦しさにキャロンは呻き続けていた。
あの時はただひたすら身体が熱くなり、気がつけばマリオの身体の上で貫かれたまま淫らに踊らされていたのだ。

「くぅっ…締め付けがすごいですね…流石は王女だ……そうら、いきますよ…」

「あぁぁっ、や、やめて…動かないで…ぐぅっ!んぅ、んっ、んっは、はぁっ、はぁっ、くっ、う…んんっ、ひうっ、んっ、んっ」

褒められてもまるで嬉しくないのだが、言い返す余裕もないキャロン。
ピストンされると自分のお腹の中でマリオのものが脈打ちながら蠢いているのがはっきり分かる。
ぐちゅ、ぐちゅと水音を立てて出たり入ったりしながら襞を掻き分け、狭くて凹凸に富んだ膣道を押し広げている。
そのたびに陰唇が捲れてどんどん熱くなり、身体がぶつかるたびにぞわぞわと花芯から痺れるような感覚が走る。

「あぐぅっ、んっ、あ、はぁっ、はぁっ、あ、あくぅっ、は、あぁっ、あぅ、うんっ、ん、うっく…あぁぁっ!」

マリオが抉るように腰を振り、身体が揺さぶられるのに従ってどんどん息が切迫し、苦しくなってゆく。
体がどんどん熱くなり、汗が滲んでくる。マリオの体も熱くなっているのが分かる。
繋がっているあそこが火のように熱い。胎内を抉られ続ける感覚が苦しさから熱さへと変わってゆく。
自分の膣内がマリオのものの形に馴染まされつつあるのだ。
魔力による一気に吹き上げるようなものではなく、人の身体同士の触れ合いから生まれ、徐々に満たされてゆくような快楽。
身体が揺さぶられ、熱い疼きがお腹の底から湧きおこり、波を打ち続けながら徐々に膨らんでゆく。
その熱い波がキャロンの身体を蕩かし、心を押し流しつつあった。

「あぁぁぁぁっ、や、やめないで…あっ、あっ、あっ、あぁっ!あ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、んはぁっ、あぁんっ」

悶え、喘ぎながら何度もかぶりを振り、額を、乳房を、太ももを、汗が滑り落ちてゆく。
声が、吐息が蕩けてゆく。汗にまみれ、草と土の匂いにまみれ、男の汗と体臭に包まれてゆく。
無意識のうちに背中に手を回して縋りつき、腰を浮かせ、開いた肢を男の身体に絡みつかせる。
身体同士を擦り合わせ、全身で男の身体を、その脈動を感じようとする。
波のようなリズムが一致してゆくと、二人は抱き合ったまま高まってゆく。
いつしかキャロンの表情には歓喜が浮かび、目からは涙が零れ落ちていた。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ…あ、はぁっ、あ、あぁっ、うあぁぁっ…あんっ、あ、はぁんっ、お、おかしく…なっちゃうっ…」

「気持ちいいのでしょう?もっと、おかしくなっていいんですよ…?」

ぐちゅっ、ぐちゅ、ずちゅっ、ぶちゅっという淫猥な水音がキャロンの耳に響く。
自分の身体から鳴っている音だという事が恥ずかしくて、更に身体が熱くなってゆく。
硬くて太いものに一突きされ、胎内を掻き混ぜられる毎に理性が溶かされてゆく。
そして膣内は身体を抉るものをいとおしむ様に抜かれれば襞で吸い付き、突かれれば奥で握り締める。
マリオの言う通りだ。気持ちよくてたまらない。体が軽くなって、飛んでしまいそうになる。
少女は徐々に意識が混濁してゆく。自分が探しに来た男と出会って早々こういうことになっている。
自分はこうなりたくてこの男を捜しに来たのではないのか?という考えが頭をよぎる。

「あぁぁっ、はぁ、あぁっ…あたし、あたしもう、わかんないっ…あぁっ!どうにかなっちゃう、はぁっ、はぁっ、あぁんっ!」

「ほら、もっと素直になりましょう…どうして欲しいのですか?さあ、声に出して言ってごらんなさい……」

耳元で男が囁く。男の荒い吐息が耳朶にかかり、ぞくぞくとした震えがキャロンの背中を走った。
心の枷が一つ外される。快楽を肯定しろ、という男の声に心が傾いてゆく。
裸にされて全てを見られ、処女を奪われて体の中まですべて知られてしまった。
そして今、再び押し倒されて快楽に耽り、心の中までを男に明け渡そうとしている。ペルルの顔も、今は浮かばない。
従わさせられ、すべてをさらけ出し、支配される。キャロンには何故かそれが震えるほど気持ちの良いことに思えてしまった。
だから、うわごとのように口が勝手に動いてしまう。

「はぁ、はぁ、はぁ、き…気持ちいいの…もっと…激しく…して…もっと…あぁっ、も、もっと…いっぱい…突いて…欲しいのっ…」

言いながら、そうだったのかも知れない。と思ってしまう。
あの時の、あのセックスが忘れられなかったから。もう一度したいと思っていたから。
あの身体に押し倒されて、あの手に弄られて、あの舌に舐められて、あのモノに貫かれて…
あの気持ちよさを体が覚えていたから。もう一度味わいたいと思っていたから。
こうしてこんな森の奥まで来てしまったのだと。
そして望みは叶えられた。ならば、後は…

「あぐぅっ、ふ、うぐぅっ、ふぁぁんっ、んっ、くあぁっ、あああ…ひゃぁんっ、すごい、すごいのぉっ!」

もう、止められなかった。
身体を支配する快楽が心のタガを外してしまったのだから。後は呑まれるだけだ。
喘ぐその声は更に高まり、男の身体に縋りついて自分から身体を擦りつけてゆく。
マリオが応えるように手を這わせれば身をくねらせるように悶えて男を悦ばせる。
腰は突き込みに合わせてくねるように動かし、ものを膣内で握りしめるように締め付ける。
それらは誰に教えられたのでもなく、無意識に気持ちよくなる方向へと傾いた結果である。
王女であり、伝説の剣士であるキャロン。彼女はその実、天性の娼婦でもあったのだ。
マリオは発情した少女の痴態に半ば舌を巻きつつもキャロンの身体を更に導いてゆく。

「どうです?ほら、奥にあたってるのが分かるでしょう?ぬるぬるした中がきゅうきゅう締め付けて歓んでますよ?」

「あぁっ、奥に…あたって…イイの、すごく、イイのっ…あぁっ、もうダメ、あたしまた、まっしろになっちゃうっ…あぁぁっ!」

蕩けた顔で嬌声を上げながら髪を振り乱し、浅ましく身悶えるキャロン。
その痴態を誰がセックスはまだ2度目の経験浅い少女のものだと言えるだろうか。
ラモー・ルーによって開かれ、マリオによって導かれた少女の淫性はこの森の奥深くで鮮やかに開花してしまったのだ。
そして彼女は本人にも止められない程に昂ぶり、絶頂へと一気に駆け上ってゆく。

「そうら、イってしまいなさいっ!」

「あぁぁっ!い、イクのっ、あたしっ、イっちゃうのっ!あぅっ、ぁっ、イクっ…あ、い、イクうぅぅぅぅぅっ!」

キャロンは叫びながら全身でマリオの身体にぎゅっとしがみつく。
教えられた「イク」という言葉を声に出すたびに身体はぞくぞくと震え、自分がどこかへ飛んで行ってしまうような感覚を覚えていた。
そして最後の一声を叫ぶと同時に意識は糸の切れた凧のように快楽の渦に飲み込まれながらどこまでも高く舞い上がってゆく。
全身を痙攣させ、意識が真っ白な霧の中に溶けてゆくのを感じながらキャロンは今まで味わったことのない程の快楽を味わっていた。




そして、しばしの後。

キャロンは四つん這いになってマリオに後ろから挿入されていた。
お尻がマリオの身体に叩かれると視界ががくんと揺れ、同時に腹の奥を深々と突き通されていた。

「あっ、あっ、あっ、あぅ、んっぁ、うっ、うっ、あ、あぁっ、あぁっ」

喉から勝手に息と声が漏れ、頭が揺さぶられ続ける。
下を向けば釣鐘のような乳房が揺れているのが見える。
体中がマリオのモノの動きに支配され、揺さぶられていた。
キャロンの背中に薄い鳥肌が浮く。手足が震え、乳肌を汗が伝った。

「あぁっ…」

艶めかしい喘ぎ声を上げて背中を反らすと、腕の支えが崩れて胸から草の上へ倒れこむ。
それでもマリオの腰の動きは止まることがない。
高く突き上げた格好のお尻はマリオのモノに支えられるような形になり、豊かな乳房は草の上で潰れてぐねぐねと蠢く。
溢れた蜜が地面へ滴り、滲んだ汗がお尻から背中を逆に伝ってゆく。
キャロンは顔を地面に擦りつけながら、そばの草を掴んでは苦悶とも快楽ともつかぬ声を上げ続けた。

「あぐぅっ、うっ、くぅっ、んっ、あぁぁっ、や…やめちゃ…いやぁっ…あぁ…はぐぅっ、うっ、うっ、んんっ!」

獣のように後ろから腰を抱え込む様に掴まれ、乱暴にされる。
この体勢ではマリオの視点からはお尻の穴まで丸見えになってしまっている。
お尻を高く突き上げて、マリオの身体に、マリオのモノにお尻を叩かれ続ける。
恥辱的で、屈辱的で、苦しいのに、身体は熱く燃え上がり続けているのだ。
縦横に膣内を抉られ続けたキャロンはいつしか、このモノに身体を自由にされる事を受け入れてしまっていた。

「あぁっ…あぁぁっ!だめぇっ…あたし、もうダメぇっ…あっ、あっ、は、うぅっ!ふ、んくぅんっ!」

顔が見えない体勢であることにキャロンは少し安堵していた。きっと、ひどく蕩けてしまっているからだ。
後ろから乱暴に胎内を抉られているのに。あそこもお尻も丸見えにさせられているのに。獣のように犯されているのに。
ものすごく恥ずかしいのに。身体を貪らせて雌犬のような声を上げている自分がいる。
貫かれているあそこが熱い。マリオの腰に叩かれているお尻が熱い。振動がお腹を震わせ、おっぱいにまで届いてくる。
身体が、顔が、頭が熱い。だんだん頭が真っ白になってゆく。何も考えられない。今はただ、気持ちよくなりたい。

「あぁぁっ!はぁ、はぁ、はぁ、む、んぁぁっ!あぐ、うぅぅっ!いっちゃう、いっちゃうよぉっ、あたし、またイっちゃうぅっ!」

膣内を抉るモノが更に太さと硬さを増し、激しく脈を打ち始める。それが射精の兆候だという事をこの時のキャロンはまだ知らない。
しかし本能的に胎が震えて膣内が蠕動を始め、モノを締め付け、吸い付こうとする。
ぐちゅぐちゅ、ぶちゅ、じゅくじゅく、ぐちゅん。蜜とカウパーの和合液が膣口で泡立つような激しい水音を立てる。
マリオもキャロンの絶頂を察してスパートをかけ始めた。互いの腰が早く、激しくぶつかりあい、パンパンと高い音を立てる。
二人はまるで獣のつがいのように相手の身体を貪りあい、昂ぶりあってゆく。

「あぐっ、んっ、んんっ、はぁ、はぁっ、はぁっ、ぅっ、あぁダメ、イく、イくの、あぁぁぁ、イく、イく、あたし、あたしっ、あぁぁぁっ!」

全身に震えが走り、息が苦しくなってゆく。胎内を貫くモノがお腹の一番奥を何度も叩いている。モノが自分の中でどくどくと脈打っている。
何かすごい波が、さっきよりすごい波が、押し寄せてきている。こんなものを知ってしまったら。自分は帰れない気がする。
でも、もう止まれない。こんなにも気持ちいいのに。ここで止められたらそれこそ自分がどうにかなってしまいそうだった。

「さあっ、イきますよ。王女。これで貴女は私のものだっ。それっ、それっ」

「あぁっ!き、きて、きてぇっ!おねがい、あたしを、イかせてぇっ!はぁ、はぁ、はぁ、ひぅ、うんっっ!あぁぁ…あ、あぁぁぁぁっ!」

自分が何を口走っているのか良くわからない。身体の中で渦を巻き、溢れ出そうとする熱い奔流に押し流されながら、
キャロンは切迫した嬌声と共に絶頂へと駆け上がってゆく。
やがてマリオの身体が震えると、熱い何かが胎内の最奥を貫きながら溢れ出した。
それがあの時と同じものだと感じる余裕はもうキャロンにはなかった。
粘ついた熱い、大量の奔流が子宮へと流れ込むのを感じた瞬間、キャロンの意識ははじけた。
そして静かな森の夜空を切り裂くように、少女の悲鳴のような、しかし歓喜に満ちた嬌声が響き渡ったのだった。

「はぁ、はぁっ、あぁっ、あぅぅっ!あついの、きてっ、あぁ、あっ、おく、にっ、あぁぁぁ、あっ、あぁぁっ!はぁあぁぁぁぁーーーっ!!」


やがて。モノを抜かれたキャロンはぶるぶるっと震え、力なく地面の上に倒れこんだ。
汗まみれの美しい肌は土に汚れ、痙攣を続けるあそこからは逆流した白濁が溢れて太ももを汚していた。
しかし、犯されつくしたその姿は美しく、瞼を伏せ、涙を零すキャロンの顔にはうっすらと笑みが浮かんでいた。



夜は更け、4つの月は天高く登っている。
静かな森の奥深くに、発情した牝の喘ぎ鳴く声が響いている。
明るい月の光が木々の間から差し込み、乱れ散る汗と美しい髪を輝かせていた。
男の身体に跨り、太く逞しいモノをその内股で咥えこみ、自ら深々と突き通しては悶え、喘いでいた。
踊るようにそのしなやかな身体をくねらせ、豊かに実りつつある乳房を弾ませ、首を振り、俯き、あごを跳ね上げながら。
後ろで束ねた美しい髪はその名の通り馬のしっぽのように縦横に乱れ、跳ね、染み込んだ汗を振り撒いていた。
少し日焼けの残る健康的で美しい肌は汗にまみれて紅潮し、その顔も赤く染まり蕩けきった表情を浮かべている。
翡翠色の瞳からは強い快楽による涙が溢れ、喘ぎ続ける唇からは赤く小さな舌が覗き、涎が零れてゆく。

「あぁっ、あぁっ、はぁ、あうぅっ!く、うぅっ、うっ、う、んんっ!ふかい…っ、くぁぁっ!も、もっと…もっと…ちょうだいっ…あぁぁっ!」

彼女は今、発情しきった身体を慰める為、自ら望んで男に身体を貫かせている。
身体の角度を変え、貫かせる深さを変え、気持ちよくなる所を探し始めてさえいた。
やがて男の身体に被さって口付けをせがみ、自ら舌を絡ませ、強く抱きつきながら腰を振りたて始める。
男も調子を合わせるように膝を立てて腰を動かし、彼女の肌に優しく擽るように触れてゆく。

「あぁぁ…いい…すき、すきなのっ…こ、これ…あぁぅっ!すきぃっ、あぁ、イく、もっと…もっとイかせてっ、はぁ、はぁ、あっ、あぁぁぁぁっ!!」

あれから幾度達しただろう。既に彼女は淫らに染まった身体に心を流されてしまっていた。
快楽に飢えていた身体は何度達しても満たされることがなかった。だから彼女は満たされるまで男を求め続ける。
彼女はまた体を起こすと、輝く汗を振り撒きながらあの夜と同じように男の身体の上で淫らに踊り続けた。
あの夜とは違い、魔力による淫蕩でなく、自らの内から溢れた淫性によって彼女は果てしなく溺れてゆく。
やがて、踊り続けた彼女は身震いして嬌声を上げ、反らせた肢体をびくびくと痙攣させながらまたオーガズムに達していった。

「熱いの…もっと…ほしいの…あぁっ、きて、おねがい、あたしを…あぁぁっ、いっぱいにしてぇっ…はぁ、んくっ、ぐ、あぅ、んっ、あぁぁぁぁぁーーーっ!」

おそらくは互いが力尽き、眠ってしまうまでこの二人のセックスは続くのだろう。
そして夜が明け、城へ戻ってからも彼女は男を手放すことは出来ないだろう。
その男が体内にラモー・ルーの因子を受け継いでいることを薄々感じながらも。
セックスの快楽を覚えさせられてしまったのだから。その身体に刻まれた絶頂感は決して忘れることのできないものだから。
少女はもう、少女ではなくなってしまった。ここにいるのは男を知り、快楽の味を覚え、牝へと堕ちてゆく戻れない道を歩み始めた女なのだ。