「この手紙を送ってきたのはあなたなのですか?」
「ええ、そうですとも、ユリア”元”王女様」
夜、たった一人でユリアはとある商人の家を訪れていた。
誰にも…恋人であるライケにも気取られないようにマントを着ての訪問だった。
手にはその昼、届けられた手紙があった。その手は震え、村人に戻ったとはいえ王女であった頃から変わらない
気品に満ちた表情は不安に翳ってしまっている。
家の主、商人は椅子に腰掛けたまま慇懃に夜の訪問者を出迎えていた。

「これは…あなたが見た事なのですか?」
「ええ、そうですとも」
手紙を読んでしまったときの動揺が今なお、ユリアの心を締め付けている。
何故今頃になって!という気持ちと何故この事を覚えているのか!という嘆きが。
その手紙にはユリアの忘れたい過去が記されていた。
ラモー・ルーに洗脳されたあの時の事が…克明に。
あの時の記憶。ユリアは大本の洗脳者であるためか、完全には忘れる事が出来なかった。
村を徘徊し、数を忘れるほどに村人を犯し犯された自分の痴態を。
洗脳して、その結果傷ついてしまった者もいる。その結果による村の混乱を。
もう済んだ事とはいえ、それは純真なユリアには罪と恥の意識を植え付けるに充分すぎた。

「ウソです!あの時の記憶は誰にも残ってないはずです!」
そう、ラモーの洗脳を受けたものは皆グレイブの鏡の力で浄化され正気に戻り、記憶を失ったはずなのだ。
「あの時、私は運良くラモー・ルーの洗脳を逃れましてねえ…」
商人は下卑た笑いを浮かべる。洗脳されなければ記憶が消される事もない。
当たり前の話だが、まったくその通り。その言葉にユリアは絶望を覚えてしまう。
この男は難を逃れ、安全な所で自分の痴態を見ていたというのだ。
「そんな……」
「はっはっは、もし洗脳されていればイイ思いが出来たのかもしれませんがねえ…」
いやらしい目つきでユリアを見る商人。
上品なピンク色のワンピースに包まれた身体を視線だけで裸に剥いていくような、
じっとりとした目つきを感じてユリアの身体がおぞましさに震える。
「いや、まあこれはかえって運が良かったのですかな。で、しばらく様子を見ていたわけですが
ちょうどいい頃合かなと思いましてね。こうしておいで願ったのですよ」
商人はテーブルに置いた2つのグラスにワインを注ぎながら言う。
記憶がなくなっていないから、こうやって楽しめるのだとその目は雄弁に語っていた。

ユリアは自分の記憶と過去について恋人であるライケに告白していない。
王女であった頃にラモー・ルーに陵辱された事を知っているライケはユリアに対しては過去を詮索せず、
むしろ思い出させまいとあれこれ心遣いをしていた。
しかし、そのやさしさがかえってユリアの心の中にわだかまりを産んでいつまでも解決せずにいたのは確かだった。
時間が解決してくれる事、と2人とも考えていた。それが今、拭い去りがたい過去としてこうして突きつけられようとは。
ユリアはショックで倒れそうになる自分を必死で堪えた。

「それで…それで私に…どうしろというのです?」
せめてもの虚勢で気丈に振舞って見せるがどうしても語尾が弱い。
商人は立ち上がり赤い液体の入ったグラスの一つを取り、ユリアに手渡す。
「これはこれは、聡明な”元”王女様らしくもない」
言いながらユリアの背後へ回る。ユリアはグラスを持ったまま動く事が出来ない。
そう、なまじ頭が良いユリアだから分かってしまう。
自分には王女という地位もなく、財ならば相手の方がある。ならばその商人が取引として欲しがるものは
ユリア自身、その若く美しい体に他ならないのだ。しかも夜で、この家には2人のほかに誰もいない。
肩に手を置かれ、ユリアはびくっと震える。赤いグラスの中身が心臓のそれのように波を打った。
「貴女も大人のオンナだ…お判りでしょう…?」
商人の手がワンピースの上を這い、ユリアの身体を抱きすくめる。それだけに留まらず
手は乳房と肢の付け根を捉え、背中に商人の身体が密着してくる。
「……っ…」
不快感にユリアの顔が歪む。あの時以来向けられることのなかった男の欲望。思い出したくない感覚に
逃げ出したくなる。しかし、逃げる事は出来ない。逃げ出せばこの男は皆に話してしまう。
そして一番知られたくない相手にまでも。そうなったらもうどう顔向けする事も出来なくなってしまう。
どんなに悔しくても、辛くても我慢するしかない。ユリアは覚悟を決めるしかなかった。
「さあ、素直になりましょう」
耳元で話しかけられ、吐息に身震いを覚えながらユリアは商人の腕から一旦逃れると、
グラスのワインを一気に呷った。せめて、お酒の力でも借りないと心が挫けてしまいそうだった。
「約束してください………この事は、誰にも…」
その姿に商人は満足そうに笑みを浮かべる。歩み寄り、ユリアのあごを掴んで軽く持ち上げる。
そして、ワインに濡れた苦悩に震えながらも美しいその唇を強引に奪った。

抱きしめられながら腰紐を解かれ、背中のボタンを外されてゆく。ユリアはなすすべなく立ち尽くすばかりだ。
両肩からずらされたワンピースが身体を滑り落ちるとパンティ一枚の裸身が商人の眼前に晒された。
王女であった頃から変わらぬ白い磁器のようなすべすべした肌、豊かに実った双丘とその頂上で苺のように咲く乳首
腰は育ちのよさを感じさせるくびれを持ち、瑞々しい桃のようにたわわなお尻からはすらりと長く
上品な肢が伸びている。絵画の中の女神が出て来たかのような豊満な、しかし調和の取れた肉体がそこにあった。
「ほう…」
思わず溜息をつく商人。ユリアは羞恥のあまり俯いて目を閉じたまま、長い睫毛を震わせている。
このまま、身を硬くし、じっと貝のように心を閉ざして嵐が吹きすぎるのを待つしかないと考えていたのだ。
「これは美しい。よくここまで花開いたものだ」
賛辞を送る。その口調にははっきり欲情がにじんでいた。極上の料理を目の前にした、まさにそれである。
両腕を掴まれ、ぐっと押されてユリアはベッドに倒される。裕福な商人のベッドらしく清潔な白いシーツが彼女の身体を
出迎えた。そしてゆっくり服を脱いで裸になった商人が覆いかぶさっていった。
(ああ…ライケ…ごめんなさい…)
ユリアは迫ってくる商人から顔を背け、ぎゅっと閉じた目蓋から涙を滲ませた。
我慢していれば、すぐに終わる。そう思っていた。
しかし、いつまで我慢すれば良いのだろうか?ユリアはそこまで考える事が出来なかった。

残念ながら、ユリアの我慢はすぐに限界を迎えてしまった。
無理もない。今まで快感の我慢などした事がなかったのだから。
「……は…ぅっ…うぅっ…んぅっ…」
大きく、柔らかな乳房を捏ねられ、舌を這わせられる。
ざらざらした感触が敏感な肌から伝わってユリアの口からは徐々に吐息が漏れてくる。
(だめよ…感じてしまってはだめ……)
しかし男の手に触られると、おぞましく嫌なはずなのに鼓動が高鳴ってきてしまう。
時折、いやいやと首を振るその額には汗が浮かび、肌がじっとりと熱っぽくなってくる。
「いや…いやぁ……やめて…もう、ゆるして…」
商人の手に動きに合わせてたぶたぷと乳房を揺らされながら懇願する。
肢体を弄られるたびに呼吸は荒くなっていき、固くしようと力を入れる身体が緩む。
首筋や腋を舐められるとどうしてもむず痒いような快感が沸いて抵抗力を削ぎ取られてしまう。
(どうして?嫌なのに…どうして身体は言う事を聞いてくれないの?)
戸惑うユリアを商人は嬲るような口調で心までをも責めたててくる。
「フフフ…嫌がっているふりをしても、ここは正直だ」
「ああぁっ!」
商人の手がパンティ越しにあそこへ触れる。瞬間、電気が走ったようにユリアの身体がビクンとはじけ、
背中が反り返ってしまう。そこはもう汗とは違う液体でぐっしょりとぬめってしまっていた。
「こんなに濡らして…いい感度をしている…」
「ああっ…いや、いやぁっ…やめて…うむっ…んぅ…」
力なく上げられた手を掴まれ、拒絶を口にする唇に商人の舌が差し込まれる。
ライケにもまだ許していない口づけは、心を許してもいない男によってまたも奪われてしまった。
そしてされるがままに口腔を陵辱され、舌を弄られていくうちに、互いの唾液が絡み合う。
ディープキスにユリアの思考がどんどんと溶かされてゆく。拒んでも拒んでも甘さはユリアを解放してはくれない。
息苦しくて荒い呼吸をするたびに鼓動は高鳴り、力は抜けて快楽に飲み込まれてしまう。
「うっ、あぁっ!んむっ…んあぁっ…ああ…ライケ…ライケ…」
快楽と悔しさに潤んだ目で思わず縋るように恋人の名を呼ぶユリア。
それは助けを求めているのか、詫びているのか、もう彼女自身にも分からなかった。
しかし商人はそれをも嘲笑う。
「しかし彼氏もだらしない。こんなにアンタの体は男を欲しがってるのにまだ一度も手をつけていないとはな…」
「ちっ、違うの!ライケはあたしの事を…あぅっ!」
ライケは恋人だったが、ユリアを抱いた事はなかった。それはラモー・ルーの陵辱の記憶が濃く
まだ心の傷が癒えない恋人への彼の優しさによるものだったし、そしてユリアもそれに甘え、受け入れていた。
「分かってないな。魔物にヤられたのが忌まわしいならそれを上書きしてやればいいんだ」
桜色に充血して尖る乳首を啄ばまれ、反論を封じられてしまうユリア。
甘美な痛痒感が胸の奥に染みとおって来ると身体が震えて声が出せない。
身体の芯から跳ね返ってきた快感が魔物の愛撫によって大きく育てられてしまった乳房に充満し、
はちきれそうな甘さがぞわぞわと体中に広がって肢体を溶かしに来る。
「あぁ……ぅっ…ぅぁっ…あぁんっ!」
ライケの優しさを嘲笑われ、言い返せず悔しさに唇を噛むが、身体を玩ばれるとすぐ、口元が緩んでしまう。
自分の肢体は商人の言う事が正しいと認めてしまったかのように反応を返してしまっていた。
そうして抵抗も反論も出来ないでいるうちにユリアのパンティへと手がかけられ、ずるりと引き下ろされた。
薄い草むらに覆われた恥丘が露わにされ、一糸纏わぬ身とされたユリアの顔が朱に染まる。
「忘れちまうんだな。その方が気持ちよくなる」

「……あっ…あくっ!くぅ…んっ…は、はふぅっ!だめ…だめぇ…もう…ゆるして…」
胸を弄られながら恥丘を愛撫されて喘ぎ悶えるユリア。商人の愛撫は執拗かつ辛辣だった。
それに一度緩められてしまった肢体はもうどこを触られても気持ちよかった。
そう、魔物に開発されてしまった体は気持ちいい。と思ってしまえば、もう止められなかったのだ。
白い柔肌はピンク色に上気して唾液と汗に濡れ光り、指と舌が触れるたびにぶるぶると震えて感じてしまう。
秘裂は甘美な蜜を流し、勃起する肉芽を愛撫されるたびに体に電流を走らせてユリアの脳を焼く。
「あ、あっ、あっ!…ひゃぅ…あああっ、んああっ!」
首を振る力も拒む腕も、もう弱ってしまい、愛してもいない男の体の下に組み敷かれて喘ぎ鳴くのみ。
元々非力な少女は陵辱の魔の手から逃れる事は許されず、助けも来ないままでは男の力に屈するほかないのだ。
膝を押し広げられ、恥ずかしい所をすべて見られてしまう。恥ずかしいと思うまもなく
そのまま、商人の体が割りいって両脚の間へ迫ってくる。
「いやっ…やぁ…やめっ…て……ぇ……」
股間の逸物が目に入り、ユリアは魔物に犯された記憶が蘇りそのおぞましさに鳥肌が立つ。
逃れようと身を捩るが、ろくに力が入らない体では男の力から逃れることは出来なかった。
そうして、恥ずかしい股間に商人の顔を迎え入れてしまう。
鼻息が当たってむずむずとしてしてくる。見られてしまっている。思うだけで恥ずかしさで死にたくなる。
何をされてしまうのか、分かってしまうのが悲しい。そしてそれが気持ちいいということも。
「ふふ、いい色だ。何人も咥えこんだようには見えんな」
薄いくさむらの下の白い肌が捲れ、秘裂は赤く充血していた。その爛れた肉の色が男をどうしようもなく誘ってしまう。
(あぁ…どうして?…恥ずかしいのに…嫌なのに…なんでこんなにどきどきしてしまうの…?)
汗と蜜に蒸れたその真珠に男の淫らな舌が迫る。瞬間、ユリアはラモー・ルーの城に攫われた時の事を
思い出してしまっていた。無意識に彼女は手を上に伸ばし、ベッドの金具を掴んで自分自身を拘束してしまう。
ぺろり。
一舐め。ざらりとした、熱い唾液に濡れた肉の感触。蜜と絡み、ぬめって、ユリアの花芯に鈍く、鋭い一撃が
加えられた。柔らかく敏感な肉のスイッチは一瞬で通電し、ユリアの全身を甘い痺れで焼き尽くしてしまう。
「ひゃあああああああぁぁぁぁんっっ!!」
あごを跳ね上げ、体を弓なりに反らして高い悲鳴を上げるユリア。慎みとか、気品とか、そういった女性のすべてが
打ち捨てられた、雌の体の本能のままの叫びだった。
我慢など出来ようはずもない。ひと舐めされるごとにたわわに実った乳房を震わせて体がのたうち、
あられもなく声をあげ、汗も涙もとめどなく零れ、足の指までが痙攣して感じ入ってしまう。
それは最早甘い拷問だった。ひとりでに腰が浮き上がり、男の顔が更に密着する。そうしてまた舐められてしまう。
こんなに叫んでいるのにあそこを啜られる音が、ぴちゃぴちゃと舐められる音が、耳から離れてくれない。
「いやぁぁぁっ!あああぁぁんっ!う、あはぁんっ!ひぃっ!」
クリトリスを抓られ、ぷしゃっ、と音を立ててユリアのあそこから潮が迸る。
体を震わせ、喘ぎ叫びながらユリアはだんだんと頭の中が白くなって、意識もはっきりとしなくなっていた。

そして、ひとしきり悶絶させられ、ぐったりと力の抜けてしまったユリアに商人が囁く。
「魔物にヤられまくったお前の身体はもう何が気持ちいい事かを知っている。だが、相手が魔物だったから、
お前はそれを認めたくないんだ」
「え…ふぁっ…」
力の入らないユリアの体。広げられた股の間に男の体がある。お互い裸で、最早何の障壁も持ち得ない。
気づくと同時に、淫唇にモノが当たる。熱く、固いその感覚に思わず声を漏らしてしまう。
「認めるんだ。お前はこれが欲しいんだろう?」
「そんな…あっ…ぁ……」
ぐり、と蜜に濡れた秘裂がこじ開けられる。ぞわり、と腰骨から脳髄へ、そして全身へ鋭い感覚が走った。
この感覚は覚えてしまっている。疑いようもない快感の頂への一歩目。それは悦びだった。
「お前は男のモノが欲しくて仕方ないんだ。だから魔王の洗脳を喜んで受けたんだ」
「いやぁ…違う…ちが…あ…ぁっ…」
商人の声が耳朶をくすぐり、脳に染み込んでくる。鳥肌が止まらない。
さらにモノが進み、先走りに粘る先端が陰唇をぬるりと押し開く。感覚が全部あそこに集中してくる。
目が潤み、口元が緩み、頭の中が蕩ける。あそこを貫かれ、内部を抉られ、子宮を叩かれる鮮烈すぎる感覚が
思い出されて、自虐的な期待にもどかしさを覚えてしまう。
「お前はこうやって男に犯されたいんだ。淫乱な女め」
「ぁ…ぁ……ぁ…」
奥底で芯がどろり、と蕩け落ちる。蜜が溢れる。ぞわぞわと震えが止まらない。
腰がひくついてしまう。自分の体から何かが溢れて堪え切れない。
商人の言葉がさっきから悪魔の囁きのように胸の奥に刻み込まれていく。
守るべきだった貞操。恋人ライケへの思い。それらが快楽によって突き崩されてゆく。
そうなのかもしれない。認めてしまえば楽になれる。気持ちよくなれる。自分は淫蕩な女なのだと…
「止めて欲しいか?」
「!」
体の動きを止め、商人が蕩けかけたユリアの心に冷や水をかける。
冷然と投げかけられたその言葉にユリアは衝撃を受けた。
この男はもし止めてと言えば本当にやめてしまうだろう。そう思えたのだ。
それほどその言葉には説得力を感じてしまった。
「やっ…やめないでっ……ぁっ…」
そして。ユリアは思わずその言葉にそう返してしまった。
言ってしまってから彼女は自分の浅ましさに気づき、一瞬で赤面し、そして絶望した。
自分はもう犯されることを受け入れてしまっていたのだ。商人の言葉どおりの女なのだと。
絶望に歪むユリアの表情を見ると商人は満足したように笑って腰を進めた。
「あぁっ!…いや…ぅ、あっ、これはちがうの…ちが…あぁっ!」
「フフフ…良いだろう。望みどおりたっぷりと味わうといい」
ずちゅ、と音を立ててモノが膣道へ侵入する。ぬめった襞が歓喜を隠せぬとばかりに呑み込んでゆく。
その一枚一枚が押し広げられ、潰され、抉られるたびにユリアの心が後戻りが出来ない向こうへ押し流されてゆく。
(あああ…もうだめ…たすけて…ライケ…たすけて…)
足の指がぴんと張り詰め、持って行き場を見失った手がすがりつくように商人の体を掻き抱こうとする。
しかし、商人はその手を振り切って体を起こす。一人で堕ちろと言わんばかりに腰を抱え込み、上体を自由にさせると
腰から最後の一押しをユリアの陥落寸前の膣口へ叩きつけた。
「……あああああああっっっ!」
その瞬間、最奥までが貫かれ、征服された体が歓喜に爆発した。
脳天まで振動が、衝撃が駆け抜け、ユリアはその大きな胸を突き出し、背中を弓のように反り返らせる。
目を見開き、喉からは今までそんな大声を出した事はなかったであろう嬌声を上げる。
元王女であった少女が、魔物の手によらず女に堕ちた瞬間であった。

ユリアは処女ではない。魔物に全身を犯され抜き、洗脳された時には何人もの村人とセックスを
してしまっている。だから経験だけはあるが、自分の意思で体を許した事がない。
それが今、恋人がいるのにもかかわらず、初対面の男のモノを受け入れてしまっている。
彼女の体は男の言うとおり魔物によって開かれ、堕ちやすくされてしまっていた。
しかし奥手な彼女はそれに気づかず、また溜まってゆく性欲を彼女の恋人は発散させることをしなかった。
このような形であっても性欲を意識させられてしまった時、堰を切られた彼女は堕ちるしかなかったのだ。
「……ああっ…あぁっ…あっ…ああんっ…ああ…ふああぁっ……!」
貫かれ、最奥を肉棒で叩かれる強烈な感覚に飲み込まれてゆくユリア。無様に足を広げ、はしたなく股を開いて
汗のにじみ出る太ももで男の体を抱え込んでしまっている。その柔らかく白い肌は商人の手と唇で餅のように捏ねられて
朱に染まり、熱を持って少女の体を苛んでゆく。内臓を押し上げられるような鈍い痛みに悲鳴のような喘ぎが止まらない。
「ははは、良い具合だぞ。吸い付くようだ!まだ幾分固いが、久しぶりだからかな?」
「いやぁっ、あっ!…言わないでぇっ…あっ!あ、ぐっ、あはぁっ!」
図星を突かれて恥ずかしさにいたたまれなくなるユリア。羞恥に満ちた表情に愉悦を覚えた商人は角度を変えながら
ユリアの中をくつろげるように掻きまわしてゆく。
「あぁっ、いやぁっ、そんな、あっ!かきまわさないで、えっ、ああんっ!」
突きこまれる度に違う場所を責められる感覚に戸惑い、溺れるユリア。
「じっくりと馴染ませて、このモノじゃなきゃ満足できない体にしてやるよ」
商人が無慈悲に宣告する。ライケには返すつもりがない、と。
ユリアの胸の奥がずきん、と痛む。こんな事ならライケに捧げるんだった…と後悔が浮かぶ。
それを嘲笑うように商人のモノが突き込まれ、浮かんだ涙は快楽が混じって感情の判別ができなくなってしまう。
「あうっ!うっ、はぁっ、はぁっ!んっ…あぁん、も…ゆるして…あぁっ!」
突かれるたびに姫鳴りの水音が大きくなってくる。息が苦しい。揺さぶられて踊る大きな乳房が痛みさえ覚える。
涙が浮かんでしまって視界がはっきりしない。だんだん体が、頭が熱くなってきて何も考えられなくなってくる。
開きっぱなしの喉は渇き、喘ぐ声が自然と高くなっていた。

「あぁ…ライケ…ゆるして……ああっ!」
無意識の内に恋人への謝罪を口にする。そのとたんに、ユリアは自分のあそこが急激に切なくなってしまう。
その変化に彼女は戸惑い、商人は確信したようににやりと笑う。
彼女自身は知らないが、男はその反応を知っている。それはマゾヒズムの現れである。
恋人への、村人への贖罪意識がユリア自身を快楽への泥沼に引きずり込んでしまうのだ。
「おっ…急に締まりがよくなった。そんなにライケがよかったのか?抱いてもくれなかった不能者が」
「いやっ!そんなこと言わないで…あぁっ!う、あ、はぁんっ!」
嫌がり、抵抗しようとしながらもユリアの体は更に熱くなり、乱れ、蜜を流してしまう。
「こんな淫乱な体、恋人が欲しがるかね?そら、こんなにヨガリ泣いて、はしたないったらありゃしない。これでも”元”王女かね?」
「あぁっ!ごめんなさい、ごめんなさい…あぁっ、はぁっ、あ、はぁんっ!はぁ、ぁぅんっ!」
言葉で責められ、ユリアの頭の中が混濁してゆく。理性の抵抗を失い、肢体はより悦楽へ沈み込んでゆく。
縦ロールの美しい髪を振り乱して喘ぎ泣き、謝罪を口にしながらユリアは解放されていく自分を感じていた。
「そら、気持ちいいんだろう?言ってみろ!犯されて気持ちいいですってな!」
「あぁっ!はっ、あっ!あぁぁぁぁっ!!」
もう、訳が分からなかった。体を肉棒に、心を心無い言葉に抉られ、ずたずたに引き裂かれているというのに
間違いなくユリアは気持ちいいと感じてしまっていた。体を切開され、蜜と血と汗と涙を流しながらどんどん体は軽く自由になり
飛んでいってしまいそうになる。
「ああ…ライケ…ごめんなさい…あたし、気持ちいいの…きもちよくてたまらないの…」
言ってしまって、ユリアはもう自分が理性の命綱を手放してしまい、戻れなくなってしまった事に気づく。
貞淑に慎ましく気品を持って。王女として生きてきたはずの自分が何故。どうしてこんなにもあっさりと陥落してしまうのだろう?
そして快楽を肯定してしまったユリアはもうすべてを受け入れるしか道が残されていなかった。
「ふはははは!よく言ったユリア。褒美にイかせてやるぞ!」
イかされる。あの時魔物に犯され、頭の中を真っ白にさせられたあの感覚に。
ユリアはもう知ってしまっている。それは圧倒的な略奪であり、解放であり、絶頂であり、快楽である。
全身がぶるぶるっと震えて鳥肌が止まらない。こんなにも体は望み、欲しがってしまっていた。
「あぁ…ぁ……いや、やめてください…これ以上されたら、ああっ、あぁんっ、はぁ、ぁ…」
商人の体が更に激しく動き、小船を飲み込もうとする濁流のようにユリアを攻め立てる。
その波がぶつかるたびにユリアの砂城は崩され、海の向こうへと引きずられて行く。
せっかく訪れ、守ろうとしていた平穏な日々もろとも突き崩され、引きずり出され、
少女のすべては攫われて途方もない高みへと運ばれてゆく。
それは王女であった最後の日々、暗く甘い快楽の渦の中。またあの中に帰されてしまう。
心は絶対に戻りたくないと思っていたのに、体は疼いてどうしようもなく戻りたがってしまっている。
「あぁぁぁっ!う、あはぁっ!はぁんっ!はぁ、あぁんっ!!」
肺まで押されているようで息が出来ない。目の前でちりちりと火花が散る。
あられもなく嬌声をあげ、赤らみ、涙でぐしゃぐしゃな顔を振り、ライケの事さえ頭から追い出してユリアは快楽の海に身を投げる。
「…あぁっ!だめ、もうだめです…あぁっ!あぁぁぁっ!」
全身に電流が走った。脚の筋肉が痙攣し、足指までがぴんと突っ張る。
甘い痺れがすみずみまで行き渡り、逃げ場を失った強烈な感覚が敏感な乳首やクリトリスに集中して弾ける。
それに合わせてびくん、びくんと肢体が跳ねて背中がぐんと反り返る。
これでもかというほど眦を見開き、裂けんばかりに口を開いて悲鳴を上げた。
「あぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっっっ!!」
強風に煽られた凧のようなユリアの心の糸がついに切れ、吹き飛ばされてどこまでも舞い上がってしまう。
魔王に犯された時以来味わうことのなかった、その時はまだその甘美さを知ることのなかった絶頂だった。
頭の中は真っ白に染め抜かれ、汗が混じり合う雄と雌の匂いの中で全身を恐ろしいほどの多幸感が満たしてゆく。
魔の手によって育てられてしまったユリアの肉体はこの妖しい桃色をした幸福にどうしようもなく弱かった。
「ぁ……ぁぁ…っ…っ…はぁ、はぁ…」
大きく息をつき、時折またびくっと体を震わせながら、どこまでも弛緩し沈んでゆく。
解放され、蕩け、全てを忘れて…

「おい。」
ぎゅっと痛いほどに乳肉を掴まれてユリアは急激に現実に帰らされる。
虚ろな目を開くとそこは自分の家でもなければ、そこにいるのはライケでもない。
目の前では商人が嘲るような表情で見下ろし、自分は組み敷かれてあそこには肉棒を咥え込んだまま。
そう、自分は犯されているのだと今更ながら思い知らされてしまう。
「ずいぶんと気持ちよさそうだったなあ。勝手にイっちまうとは…とんだ”元”王女様だ」
「あ…ぁ……」
怯える。苛立ちが肉棒から、乳肉を掴む手から伝わってくる。
イかせてやるといったのは商人の方なのだが、冷静に考える余裕が既に無い。
「おねんねにはまだ早いぞ。こちとらまだ満足しちゃいないんだ。もっとつき合ってもらわないとなあ」
「…は…はぃ…」
涙目で頷くユリア。理不尽であったとしても従ってしまう。王女であった頃の気高さはどこへ行ったのか。
堕ちてしまった今のユリアの振る舞いは虜囚の、あるいは性奴隷のそれであった。
商人はユリアの片足を抱えるとぐるりと体勢を180度変えさせ、四つん這いの姿勢にさせる。
「ちょっとお仕置きが必要だな」
「ぁ……い、いや……ゆるして…」
商人が嗜虐的な口調で宣言する。不安げな表情で振り返るユリアの背中は汗に濡れて震え、
突き出された大きく白いお尻が揺れる。商人は瑞々しい照りを帯びた果物を撫でると軽くパシッと叩いた。
「あぅっ!」
悲鳴を上げるユリア。柔らかな感触の尻肉がぷるん、と揺れる。商人は反応を愉しむように何度も叩く。それにつれて
尻肌は赤みを帯びて熟れた桃のようになり、叩かれるたびにユリアは何度も被虐的な喘ぎを上げて尻を揺らせる。
痛みを感じているはずなのに割れ目からは汗と蜜が滴ってしまい、太ももを伝ってゆく。
「あぁっ!いや、やめて、あぁっ!きゃ、あぅんっ!」
スパンキングを商人が堪能しきる頃にはユリアは真っ赤に染まったヒップを突き出したまま、
「ごめんなさい…ごめんなさい…おねがい…ゆるして…」
と、俯いてベッドに顔を押し付け、か細い声で謝るばかりになってしまっていた。
「尻を叩かれてこんなに蜜を溢れさせるとは…とんでもない女だな」
嘲りつつもその姿に満足した商人は尻の柔らかな肉を掴み、ぐいっと広げる。充血した陰核も、愛液を溢れさせる秘裂も、
くすんだ色をした不浄の穴も眼前に晒されてしまう。犬のような格好で、全てを見られてしまっている事実が
火が着いて燃え盛ったままのユリアの羞恥心に更に油を注いでゆく。
そして、あそこに再び逸物があてがわれる。するとユリアの鼓動は意思とは関係なく期待に高鳴ってしまう。
「あぁ……やめて…もう…ゆるしてください…」
言いながらも無意識に腰を商人に向けて突き出してしまう。ぶら下がった乳房が揺れ、その先の乳首が痛いほどに勃起して
ユリアの昂奮を伝えてしまっていた。商人はニヤリと笑い、モノを突き立ててゆく。

「ひっ…ああぁっ……」
貫かれ、内臓を押し込まれるような感覚に喉から声が漏れ出てしまう。
疼き、震える陰裂が満たされ、押し広げられ、そして全身へと広がる充足感。
犬のような、獣のような恥ずかしい姿勢で犯されているというのに、あまりにもそれが自然のように思えてしまう。
「だめ…だめ…ああ…もう…ゆるして…あああっ!」
腰が、お尻が揺さぶられ、モノを突きこまれる。腰と一緒にクリトリスも叩かれ、振動が背中から全身へと伝わってゆく。
目の前にはベッドの柵が金色に光っている。金色はラモールーの城で繋がれていた鎖を思い出すため好きではなかった。
その金の柵を見ながらユリアは再びラモー・ルーに囚われ、ベッドに縛られて犯されている、そんな錯覚を覚えだしていた。
「あっ、ぐ、あっ、はっ、はぁっ…はぁっ…あ、ぅっ、おねがい…もう…やめてください…ああっ」
ユリアは両肘をつき、腰から来る衝撃に、そこから生まれる快楽に耐えようとして自分の汗と涙に濡れたシーツをぎゅっと掴む。
商人が止めてくれる気配などない。むしろそんな見込みもない。泣こうが叫ぼうが容赦してくれないだろう。
ユリアに恐怖が走る。商人にではない。自分が、止められなくなってしまわないだろうかという事にだった。
パンッ、パンッ、パンッと音を立てて商人の腰がユリアのお尻を叩き続ける。痛みがユリアに先ほどのスパンキングを
思い出させてしまう。しかし、その乾いた殴打音は蜜が溢れてしまっているせいでだんだんと湿った水音を含んでゆく。
更には濡れているだけでなく膣内が痙攣してモノに吸い付いてしまうため突かれる度に空気が混じった卑猥な音まで鳴ってしまう。
「いやらしい音を立てる。これが元王女とはとんだお笑いだ」
「いやぁ…言わないで、あぁぁっ!ひうっ、ぅんっ、うぐっ、あぁっ、ふぁあんっ!」
嘲られ、詰られ、責められるたびに、ユリアの全身を襲う快感が膨らんで止め処なくなっている。
蜜を溢れさせるあそこは次第に膣内の潤滑を増してしまい、商人の動きが激しくなってきていた。
「あっ…あっ…は、うっ、ふ…んはぁっ!…く…ぁんっ!ひゃぅんっ」
背筋を汗が伝う。体を支える腕に力が入り、肩甲骨が浮かび上がって艶かしいラインを描いている。
たわわに実った乳房が揺さぶられ、時折シーツと擦れて痛痒感を生んでユリアの口元が歪む。
何度も何度も叩きつけられた太ももとお尻の周りは充血して汗と蜜でびしょびしょになり、感覚が麻痺してくる。
しかしそれに反して膣中は抉られて敏感になり、悦楽にどんどん引きずり込まれていってしまうのだ。
「あっ、ふぁ、うっ、はっ、はっあ、ぐぅっ、あっ、あぁっ!」
押し込まれ、内臓を子宮まで叩かれ、襞の一枚一枚を抉られ、脳までもゆさぶられ、声が漏れ出るに任せて喘いでしまっている。
悶え、涙を零しながら、ユリアは自分の全てが零れ落ち、奪われていってしまうように感じ始めていた。
(もうだめ…戻れない…ああ…ライケ…ごめんなさい………これ…すごく、きもちいいの……思い出してしまったの…)
もとより忘れることなど出来るはずがなかった。「それ」はリバースの対魔力を持っているはずのキャロンでさえ抗えなかったのだ。
少女の身に植えつけられた『快楽』という毒の苗は成長と共に彼女を蝕む。しかも身代わりだった彼女は王女であるキャロンより
深い所で、より長く魔に囚われてしまっていたのだ。貞淑に、上品に振舞えど、きっかけさえあれば簡単に転んでしまう淫蕩な体。
ユリアの体はそう育ってしまっていた。不幸にも彼女はそれに気づく事がなかった。こうして、犯されてしまうまで。

「あぁっ、ぐ、んっ、んんっ!はぁ、はぁ、ひっぁ、あっ、あぁっ、あっ、くぁんっ」
涙を零し、時折首を振りながら喘ぐユリア。腕はもう体を支える事が出来ず、上半身がベッドに崩れて押し付けられている。
体勢が変わるごとに突き入れられる角度が変わってしまうのでユリアは快楽に慣れを覚える事が出来ない。
更にはベッドに押し当ててしまった格好の乳房が潰れてぐねぐねと形を変えながらシーツと擦れて勝手に快感を増幅する。
商人のモノがユリアの中で膨張していくのを感じる。ユリアの体もそれに同調しておへその下がどんどん熱くなってくる。
「くくく、そろそろだ。ぶちこんでやるぞ…」
「…っ…ぁ…ぁ…ぁぁ…」
その宣告は死刑宣告に等しいほど忌まわしいもののはずだった。しかし、それを聴いた瞬間彼女はぶるっと身震いをしてしまう。
「そうか、そんなに欲しいのか」
「ち、ちが…ひゃぁっ!」
魔物相手ではない、洗脳されていない為浄化される事もない、男と女での交わり。その行き着く所。
愛してもいない男の子種を受け入れる。それは恋人のいるユリアにとっては許されぬ不貞であり耐え難い禁忌である。
しかし、この忌まわしい肢体は、子宮は汚らわしい男のモノを悦んで咥え込み、搾り取ろうとするのだ。
「はぁっ、はぁっ、中は…中はゆるして…ひゃ、うぁっ…ん、ぐ、ぁぁっ!ふぁ…んっっっ~っ!ふ、ぁんっ!」
歯を食いしばろうとしても、突き込まれるとよがってしまう。淫猥な声が止められない。さんざん注挿されているというのに、
体はなおも欲しがり、まだこんなにも飢え渇いてしまっている。その肉体から来る衝動を彼女はもう堪える事が出来ない。
商人がユリアの両腕を取り、崩れ倒れている体を強引に引き付ける。
「くぁぁんっ!ひゃ、うぁんっ!あぁっ、あ、くぅんっ!や、はげし、あぁっ!!」
両腕を引っ張られながら腰を叩きつけられる。ユリアは上体の浮いた不安定な体勢で先程よりも密着度の高くなった
結合部分からの衝撃を受け止めることとなる。肩や腕が、叩きつけられる腰が痛むが、それ以上に強い快楽が痛みを上書きしてしまう。



「あぁっ、は、ふぁっ、ぁっ、あぁんっ、こんなの…だ、だめ、いい…ひっっ、あぁんっ!」
釣鐘のようにぶら下がっている乳房が激しく揺さぶられる。強すぎる快感にユリアは髪を振り乱して喘ぎ悶える。
もうユリアの視界は真っ白になって、あそこから真っ直ぐ駆け抜けてくる快楽に脳を焼かれてしまっていた。
(きもちいい、きもちいい、きもちいいの!ああ、もうイく、イってしまいます!こんなの、もう、がまんできない…)
商人の動きが激しくなる。肩が抜けそうになるほど引っ張られ、お尻を叩かれ、突き挿れられる早さと強さ、深さが増す。
ユリアの汗まみれの背中が反り返り、快感に膨らんだ乳房が踊る。息がすべて喘ぎ声になってしまい呼吸が出来ない。
心臓はこれ以上ないほどに早鐘を打ち、鼓動のたびに破裂してしまいそうにすら感じられる。
「はっ、はっ、あっ、く、ひぃっ、はっ、あ、ふ、んっ!あぁっ、も、ぉ、だめ、あっ、イ、くぅんっ!」
意識が遠くなり、全身が快感で埋め尽くされる。そして思い出してしまう。あの忌まわしくも甘美な瞬間を。
膣奥が、子宮が痙攣し、商人のモノを締め付ける。そしてその収縮するユリアの胎内の抵抗を踏みつけ、
敏感な襞の一枚一枚を汚れた肉棒が抉り、少女の最後の貞操を蹂躙し、赤黒い槍の穂先は深々と最奥を貫いた。
「ぐぉぉっ!」
「ああああぁぁっぁぁぁあぁぁぁっっ!!」
慎みの欠片もない獣のような叫び声を喉から搾り出すユリア。次の瞬間、彼女の胎内で何かが弾けた。
どくんっと音がした気がして、心臓が止まる。目が見開かれ、呼吸が止まる。
分かっていて、覚悟し、期待していたその瞬間に全身が待ち構えてしまう。
次の瞬間。ずりゅぅぅぅっと音がしたかと思えるほどの量で槍の先から白く澱んだ、熱い濁流が迸った。
それは勢いよく流れ込み、疼き、飢え渇いた胎内へと染み渡り、埋め尽くす。
待ち侘びた射精にぎゅうっ、と膣内が痙攣し、根元から一滴残らず搾り取ろうと促す。
そして、絶頂。それは電撃を伴う連鎖爆発。あえて表現するならそんな感じだろうか。
一気にユリアの全てが白い爆発の中に飲み込まれた。全身がばらばらになったかのような衝撃、
そのばらばらになった一片までをも埋め尽くし、破裂させる圧倒的な快感。
「~~~~~っっっっ!!」
空気を求める金魚のように唇を戦慄かせ、声にならない叫び声をあげ続けるユリア。
全身がぶるぶる痙攣して悦楽の極みを享受する。抗いようのない絶頂。一度知ってしまえば忘れられない禁断の果実。
体が勝手に思い出し到達させてしまう魔悦。オーガズムを少女は味わい尽くしてしまう。
そして、商人の腕の力が抜かれるとユリアは力なく胸からベッドに倒れ込む。
「はぁ…ぁぁぁぁ~っっ…」
緊張からの一気の弛緩。肉体が高みから解放され、どこまでも甘く、どこまでも深く、どこまでも暗い、白い闇に堕ちて行く。
意識が溶け、体も、思考も心までも真っ白に蕩けて底なし沼に沈む。肢体が緩み涙も汗も涎もとめどなく溢れ、すべてが内側から
溶け出して流れ出ていってしまう。ゆるんだあそこからは潮が溢れ、代わりに白濁が子宮口まで流れ込んでゆく。
そのすべてが今のユリアには最高に気持ちの良いことに思えてしまっていた。そうして、瞳から光が消え、目蓋がゆっくりと降りてゆく。
ユリアは濁流に流されるまま最後の意識の綱も手放し、何もかも忘れてすべてから解放されていった。

商人は肉棒を抜き、絶頂の果てに意識を失った少女の痴態を眺める。
体をくの字に折り、お尻を突き上げたはしたない格好のまま、うつぶせで倒れているユリア。
未だ震えているあそこからは時折ごぼり、と白濁が溢れ出している。
白い肌は紅潮したまま。弛緩したむちむちの肢体をびしょぬれのシーツの上に投げ出していた。
「はぁ…はぁ…はぁ…は…」
半開きになった口元から荒く漏れる吐息が強すぎた快感の名残を物語っている。
犯されつくしたその姿は、何故か幸せそうにも見えた。
「くくく、しばらく休むといい。まだ、夜はこれからだからな…」
商人は口の端を歪めて笑った。

その言葉どおり。その夜ユリアは家に帰る事を許されなかった。全身に精液が染み込み、膣内が商人のモノの形を
覚えてしまうほどに彼女は犯され抜いた。ユリアは絶望と共にそれを受け入れるしかなかった。
こうして、ユリアの守りたいと願ったものは奪われ、肢体は蕩け、すべては流されてしまった。
彼女はもう戻れない。戻る術もない。こうなってしまう前に、恋人と繋がっておくべきだったのだ。


そして…とある夜。
再びユリアは商人の家の前にいた。周囲の様子を伺いながらノックする彼女を商人が迎え入れる。
「ようこそ、ユリア。入りなさい」
俯き、顔を少し赤らめつつユリアは部屋へ入る。そこには商人の仲間達が彼同様に下衆な笑みを浮かべて座っていた。
「今日は仲間にも来てもらったよ。ユリアもその方が楽しいだろう」
「………」
ユリアは俯き、答えない。
「さ、皆様にお見せするんだ」
後ろから彼女の肩を抱いて、商人が促すとユリアは顔を赤らめたままスカートの裾に手をやる。
そしてそのままおずおずと持ち上げていった。
「おおっ…」
男達の歓声が上がる。
スカートの下、ユリアは下着を着けていなかった。そして下着の代わりにあそこへ小さな張型を挿入し固定されていたのだ。
そう、脅迫はまだ続いていた。商人はユリアを手放しはしなかったのだ。
「さあ、今宵はゆっくりと愉しみましょう」
商人は笑みを浮かべ、男達に促す。享楽の夜がこれから始まるのだ。
ユリアはその顔を赤らめ、睫毛を震わせたまま俯いてじっと耐えている。しかし、その口元は何故か綻んでいた…