キャロンは魔王を倒し正式に王女となったとはいえ、リバースの剣士という使命がなくなったわけではない。
ラモー・ルー亡き後もその残滓ともいえる存在はそこかしこに現れているのだ。
従ってキャロンはたびたび見回りに出ることになるのだが、やはりそこは王女だけあって危険な場所に一人では行かせられない。
そんな時、キャロンは大抵ライケかマリオを連れて出かけることにするのだが、その人選が適当でない場合もある。
端的に言うならば今回はそういう話である。


ディメルンの森の奥にはかつてラモー・ルーの居城があった。
中空にそびえるようにして浮かんでいた禍々しい建築物は主が滅んだ時に崩れ去ったのだが、一部は崩れずに残っていた。
地下牢と倉庫などがそれである。そこは誰も近寄ろうとはしないが故に洞窟のようになり、怪しげな気配さえ生んでいる。
キャロン自身も忌まわしい記憶のせいであまり近寄りたくはなかった場所なのだが、そう我儘も言ってはおれずこうして見廻りに来たのである。

今回のお供は衛士のマリオだ。二人でここに来るのは初めての事だった。
崩れた入り口に馬を止め、洞窟の入り口から二人は松明を手に中へ入ってゆく。


「そんなに埃っぽくないわね…涼しいけど、嫌な気配は感じないわ」

道々、通路に設置されたランプに火を点しながら、キャロンは怖いもの知らずのようにずんずんと歩いてゆく。
物置にあった不要な道具類などはほぼ撤去され、巣喰っていた魔物たちも定期的に駆除しているためキャロンにとってはある意味慣れた道だ。
とはいえ少し不用心が過ぎるでしょうに、と言わんばかりの呆れ顔で、二人分の荷物を背負ったままのマリオが後からついてゆく。

「マリオー、早く来なさいよ。置いてくわよー」
「キャロン王女。あまり一人で先に行かないで下さいよー」

前を行くキャロン。実の所、彼女は彼とは別の意味で少し緊張していた。
マリオはキャロンの衛士であるのと同時に彼女の情夫でもある。キャロンが城に入ってほどなく始まった二人の関係は
セックスの回数ならば恋人のペルルとのそれをはるかに上回り、自分の身体について彼の知らない個所はないというほどの間柄になっていた。
そんな二人はこれまでも色々な所へ見回りに出る度に秘め事を重ねていた。
しかし今回、二人きりでここへ来るのは初めてであった。かつて自分が純潔を奪われそうになった場所で、後に彼が依代とされた魔王の住処。
そんな所でいつものようにしてしまうのかしら…と考えるたびにキャロンの胸は予感と、不安と、少しの期待が入り混じり、高鳴ってしまう。

「下の階行きましょ。ここはもういいわ」

キャロンはドキドキしている自分の顔を見られないように前へ前へと進む。
いつ彼がその気になって手を伸ばしてくるのか、それを考えるだけで顔が赤らんでしまいそうになるのだ。
辺りに魔物たちの気配はない。キャロンは地下へと降りる階段を進んでいった。


そこには地下牢がある。かつて、ユリアの侍女たちが囚われ、辱めを受け蜜を奪われていたその場所だった。
日の光が届かない牢屋は暗くて松明をつけねば視界がほぼ効かない。どこかひんやりとした空気とじめっとした湿気を感じる場所だ。
生贄を閉じ込めていた鉄格子は鍵を壊されて残らず開け放たれており、鎖や、首輪などの拘束具が打ち捨てられたままになっている。

「ううっ……流石に地下牢だけあって、陰気な所ね……」

言いながらキャロンは壁に松明を立て掛け、牢屋を見廻り始める。
前に意識を持ち過ぎていたため、後ろに立つマリオの顔が一瞬固まった事に彼女は気づくことがなかった。
マリオの首元に冷たい空気が流れ込み、カッと一瞬身体が熱くなる。直後、マリオの意識は遠くなっていった……

「ほら、行くわよマリオ……え?」

先へ行こうとするキャロンの手首をマリオが掴んだ。
背の低いキャロンが見上げるようにしてマリオの顔を窺うと、彼の顔はお面を張り付けたかのように無表情になっている。
マリオの手の力は強く、とても振りほどけそうにない。そう、まるでそれはあの時、森の中での……

「きゃぁっ!」

これはいけない、と思うのとキャロンが牢屋の中に放り投げられるのはほぼ同時だった。
土埃の溜まった床に倒れ込むキャロン。起き上がろうとする所にマリオの筋肉質の身体が迫ってくる。
肩を押さえつけるようにして押し倒され、キャロンはあっけなくマリオに組み伏せられてしまう。

「マリオ、ちょっと、やめて、こんな所で…いやぁっ!だめ、だめぇっ!」

抵抗し、説得しようとするがマリオは聞こえていないのか、無表情のままキャロンの身体を弄り始める。
体格差のある二人である。リバースの剣の力なしで叶うはずがない。
大きなごつごつした手が、キャロンの抵抗をものともせず服の上から肢体を揉みしだいてゆく。

(どうしよう、これ、操られてる?…ううん、違うみたい?……ラモー・ルーの残留思念みたいなものに憑りつかれてるんだわ…)

必死にもがき、抵抗しながら考えるキャロン。マリオは理性を失っているが身体からは魔物の持つ妖気が感じられない。
滅ぼされてもなお地下牢に残り続ける魔王の残留思念が縁深い肉体であるマリオに憑依したという事なのだろうとキャロンは思った。
ということはこのマリオはラモー・ルーに乗っ取られたのではなく人間のままなので退治する事はできない。
そもそも剣は投げ飛ばされた時に外れて遠くまで転がってしまっている。

「あぁっ、だめ、マリオ、止めなさいっ!怒るわよ…あ、いやっ、脱がしちゃだめぇっ、やめて、きゃ、あうぅんっ!」

キャロンの逡巡を意に介することなくマリオはキャロンの服に手をかける。
めくり上げられた服の隙間から手が潜り込み、乳房を掴まれるとキャロンは思わず声をあげてしまう。
憑りつかれていても、手の動きは身体に馴染んだマリオのものだ。愛撫されると弱いところは熟知されてしまっている。
抵抗する身じろぎが緩んだ所へマリオの動きがかさにかかってくる。
剥き出しの形の良い太ももを撫でられ、ブルマの上から指で触られ、首筋に男のかさついた唇が押し当てられる。

「だめ、あぁっ、やめて、お願い、こんなの嫌っ…あぁっ!だ、だめ…や、だめぇ…んっ、バカ…あぅんっ、そこ、触っちゃ…いやぁんっ…」

勃ってきた乳首を捏ねられ、首筋を吸われ、ブルマの上から恥丘を指で揉まれ、徐々にキャロンの抵抗が鈍くなり、声が甘えた感じへと変わってゆく。
元々どこかで期待はしてしまっていたし、ここでなくともすることになるのだろうと思ってはいたのだ。
ただ、こういう形になってしまうと思っていなかっただけであって。
注意深く確認したがやはり周囲に魔物の気配はなく、マリオを操る妖気も感じない。
一安心してしまえば、キャロンの極めて感度の良い肢体はマリオの手技に素直に反応してしまう。

「あぅっ!ん、いやぁんっ…はぁ、はぁ、はぁ…だめ、やめて、おねがい…あぁっ、あぁ、あっ!ゆび…だめぇっ…あぁっ、そ、そこ…あぁんっ!」

キャロンの上着は既に胸までめくりあげられて乳房を露出させ、マリオの舌が尖った蕾を舐め上げている。
そしてブルマの隙間から入り込んだ指が薄い繁みを掻き分けて秘唇へと至り、敏感な花芯を弄っていた。
マリオの愛撫にもじもじと擦り合わされる太ももの間から水音が鳴り、ブルマの股間を湿らせだした頃、
キャロンは抵抗をすっかり止めて従順になり、身体の疼きに完全に身を任せてしまっていた。

「だめ、そんなにくちゅくちゅしないで…あうぅっ、ぁ…もう、だめ、あたし、がまんできないっ、あぁっ!だめ、あうぅっん!んんーーーっ!」

そして程なく、絶頂に身を強張らせた少女の細く高い悲鳴が牢屋の中に響き渡ったのだった。



ぐったりと力の抜けたキャロンの身体を見て、マリオは一度肢体から手を離すと服を全て脱がせて少女を裸にしてゆく。
牢屋の埃っぽい石畳の上に横たわるキャロンをよそにマリオも服を脱いでゆく。
キャロンは弄られて絶頂した秘裂が未だひくひくと疼き続けるのを感じながらゆっくり身を起こす。
と、マリオが手にしている物を見て目を丸くした。

「や…ちょっと待って…そ、それは流石に…嫌なんだけど…」

それは拘束用の鎖だった。触手の拘束は何度もされた事があるが、鎖はしたことがない。緊縛プレイの経験もまだだった。
そしてその鎖は間違いなくあの侍女たちが縛られていたあの鎖に間違いがないものだった。
マリオはキャロンを侍女がされたようにしようとしているのだ。

(間違いない、マリオの中にいるのはラモー・ルーの思念だわ…そのままなぞらせるのは危険かも…どうしよう…)

キャロンは迫ってくるマリオに慌てて手を振る。言う事を聞いてくれるかどうかは分からないが、思念に引きずられ続けるのは避けねばならなかった。

「お、おねがい、鎖は止めて。それ、痛いの。痛いのは嫌なの…ね?それ以外ならいいから。何してもいいから…ね?お願い、気持ちよくして欲しいの…」

必死の懇願が通じたのか、マリオは鎖を捨てる。しかし、ほっとする間もなくマリオは荷物を縛っていた革紐を解き、キャロンへと向き直った。
無表情のはずのマリオの顔がニヤリと歪んだように見え、キャロンは諦めるより他の手段を失ってしまったのだった。


首輪をつけられ、乳房を強調するように胸の上下で革紐を巻き付けられ、後ろ手に縛りあげられたキャロン。
身じろぎをするだけでも紐は体に擦れ、食い込み、少女に痛みを覚えさせる。
身体の自由を奪われ、床に転がされてマリオに見下ろされると、何故か自分が囚われの身になってしまったかのような怯えが肢体を走る。
縛られて抵抗を奪われ、身体を思うようにされてしまう。辱められ、乱暴にされ、犯されてしまう…
そう考えただけでキャロンの胸は不思議な事にドキドキしてしまうのだった。

「お…おねがい……乱暴にしないで…」

太ももを抱え上げられ、大きく肢を広げさせられながらキャロンはマリオを見上げ、怯えたような瞳で懇願する。
しかし、何故か体は熱くなる一方で、開いた肢の間は期待にひくつき、蜜ですっかり濡れてしまっている。
地面についた方の太ももに乗りかかるようにしてマリオの腰が、逸物が迫って来る。
キャロンはそれを察して切なげに震えながらも熱い溜息を漏らしてしまう。
身体の疼きが、もうどうしようもなくなってしまっていた。犯される、という恐怖よりも快楽の予感の方が勝ってしまっているのだ。
乱暴にしてほしい、犯して、辱めて、滅茶苦茶にして欲しい…そんな倒錯した感情が頭をよぎってしまう。

「あぁぅぅぅっっ!!」

期待通り、マリオのモノがキャロンの秘裂をひしゃげさせ、こじ開けながら力強く膣内へと入り込んだ。
溢れる蜜をかき混ぜ、襞を押しつぶし、胎内の凸凹を引っ掻きながら、マリオのモノがキャロンのあそこの中を蹂躙する。
キャロンは自由にならない身を懸命に反らし、快楽に蕩けた悲鳴を上げてそれに応える。
膣内を知り尽くし、逆に形をすっかり覚えてしまう程に馴染んだマリオの逸物。それがキャロンを身体の芯まで痺れさせていた。

「あぐ、あうぅんっ、はぁっ、はぁっ、あくぅっ、うっ、うっ、んぅっ、あぁぁぁぁ…っ、は、激しっ…くぁんっ!あぁぁっ!」

後ろ手に縛られたまま貫かれ、喘ぎ悶えるキャロン。縛られているおかげで乳房は形を強調され、注挿の度に大きく揺れ動いてしまう。
紐の間で揺さぶられ続けた乳房は徐々に快感で膨らみ、革紐をきつく感じるようになる。乳肉を絞られ、触られてもいない乳首が充血し、尖りだす。
触られないのをもどかしいと感じてしまう程、紐の感触が徐々にキャロンの心を狂わせてゆく。

「あぁっ!あぁっ!あっ、んっ、んっ、うぅんっ、だめ、だめぇっ…あ、く、くぅぅっ…あっんっ、やぁんっ!か…感じちゃう…っ…」

縛られ、赤らんだ顔で蕩けた叫び声を上げて身悶えるキャロン。身じろぎするたびに擦れる革紐の痛みと敏感な箇所への刺激に困惑させられる。
抱かれるにしても、自分がこれほどまでになってしまうとは彼女自身想像してはいなかった。
それがこの地下牢という場所のせいなのか、緊縛セックスという初体験のせいなのか、あるいはその両方なのかは彼女自身にもわからない。
しかし、しどけなく開かれた唇が貫かれている秘唇同様に赤く艶めいて濡れる様が、犯される牝の歓びを露わにしてしまう。

「やっ、あ、んっ、うぅ、んっく…ひぅっ、ん、ぁ、あっ…あぅっっ、はぁ、はぁ、はぁ、んっ…ふぅっ、ん…ぅ…あぁっ…だめ…んっ」

キャロンの目は快感に潤み、モノが奥を叩くたびに軽く達してびくびくと震えるまでになっている。
赤らんだ顔は緩んで口元から涎を零し、触られないまま膨れ尖った乳首を苛めて欲しいと言わんばかりにふるふると揺れさせる。
マリオはあえて胸に触らない。そのことがかえってキャロンの被虐体質を刺激し、身体を熱くさせると知っているからだ。
キャロンは背筋をぞくぞくと震わせ、狭い膣道を締め付けてはマリオの力強い注挿に夢中になってゆく。
魔王の宮殿跡地、しかも地下牢の中という本来危険極まりない場所だというのに、キャロンの身体は最高の相性を持つマリオの肉棒の前に屈服してしまったのだ。



松明の赤い光が揺れ、土埃にまみれた岩壁に影を映し出している。
影は伸び上がっては縮み、また伸び上がり、絶えず揺れ動く。その様はまるで踊っているかのようだ。
後ろでまとめた豊かな髪の影が跳ね、丸みを強調された乳房の影が跳ね、美しい少女の、淫らに踊る影が跳ねている。

「あぁっ、あぁっ!あっ、あっ、あ、ふぅっ、く、んぁぅ!あっく、うぅんっ!んんぅっ!あぁんっ!き…きもち…いいっ…あぁっ!」

後ろ手に緊縛されたキャロンがマリオの身体を跨いだまま座らされ、下から貫かれている。
太く固いマリオの逸物で突き上げられるたびにキャロンは赤らんだ顔を歪めて身悶えし、乳房を、肢体を跳ねさせていた。
縛られて歪んだ背中はじっとりとした湿り気が伝い、跳ね動く乳房の先端からは美しい汗が飛沫いている。
大きな手に支えられたお尻は突き上げを受けるたびに歪み、柔らかく弾んでは肢体を跳ね上げる。
伸び上がり、縮むたびにくねらせる腰つきは少女に似つかわしくないほどに扇情的な蠢きで牡の突き上げを誘う。
頭を、身体を揺さぶられてキャロンの思考はどんどん蕩け、漏れ出る喘ぎ声は甘く切ないものになってゆく。

「あぁっ、あぁっ、はぁ、はぁ、はぁ、あっ、あっ、あぁっ…んっ、んっ、んんっ…あはぁっ…んく、うぅぅっ、なか…いっぱいっ…」

肢体が激しく上下に揺さぶられ、突き上げられる毎に駆け抜ける悦楽の電流がお腹の奥を熱く煮え立たせてゆく。
少女の陰唇は何度も何度も逸物を咥え直し、握り直し、奥まで飲み込み、じゅぶじゅぶと蜜を溢れさせて接合部をぬるぬるの粘液まみれにしてしまう。
揺れ動く身体はマリオに動かされているのか、自分で動いているのか、もうキャロンには判断がつかない。
発情してしまった身体は彼女自身止めることが出来ない。ひくつくあそこを牡の逸物にすっかり委ね、ひたすらに快楽を求めてゆく。
キャロンは縛られているおかげで男の身体に縋り付いたりして快感を発散させることが出来ない。
その事がかえって快感を深め、繋がったあそこに意識の全てが集中して敏感になり、より深く、より強く感じようとしてしまう。

「あぁぁっ、あぁ、んぅっ、だめ…すごい…す、すごく感じちゃうの…あぁんっ、はぁっ、はぁっ、あふんっ、んぁっ、ああ、もうダメえっ…」

あの森でマリオに初めて犯された時、あの時も騎乗位だった。魔力で身体の自由を奪われ、抵抗できないまま下から突き上げられた。
膣奥を杭打つように叩かれ、胎内を掻き回すように揺さぶられ、乳房が上下に跳ねると触られてもいないのに気持ちよくなってしまった。
キャロンは騎乗位でセックスをする時、いつもあの時の事を思い出してしまう。
犯され、初めてを奪われた忌まわしい記憶のはずなのに、その記憶はいつも彼女の芯を熱くさせた。
後日、改めてマリオとした時に少女は思い知る。自分が思っていた以上に、自分の身体は淫らに育っていたのだという事に。

「あっ、あっ、あっ、あっ、く、んぁっ、あはぁっ、あぁぁ…もっと…もっとして…あぁっ…っあ!あくぅぅぅっ!あぁぁぁぁっ!」

幾度もあごを跳ね上げて天井を仰ぎ、瞼をぎゅっと閉じては眉根を震わせ、強い突き上げに震えて感じ入るキャロン。
無意識の内に腰をくねらせ、突き上がる挿入の角度を変え、膣口をきゅんきゅんと締めつけ、より強い快感を得ようとしてしまう。
膣奥の柔肉を抉られて激しく喘ぎ、唇を震わせるその蕩けきった表情は牡に従属する牝のようでもあった。
押し倒されて弄られ、脱がされ、縛られ、犯され、屈服させられる。それを歓びと錯覚してしまう程少女は官能に溺れてしまっていたのだ。

「あぁぁっ!あぁっ、んぐ、あはぁぁっ、ひぃんっ、ひぅ、っあ!んっ、んっ、んんぅっ、あぁ、っい、いいの、いいのぉっ!」

普段の彼女とは想像がつかないほどに乱れ、はしたなく声をあげ、淫らに腰をくねらせるその姿はまるで何者かに操られているかのようでさえある。
しかし、これはまごうことなきキャロンそのものであり、快楽と官能に耽溺しやすいという少女の秘められていた性質である。
キャロンの肢体は日頃のマリオたちとのセックスによって女としての本性が表面化しやすくなっていた。
敵意や殺意を向けられれば剣士として反撃も出来るだろう。しかし快楽を以って手籠めにしようとする相手にとって、彼女は無力な少女に等しかった。
このようにしてあまりにも容易く牝へと堕ち、快楽の前に屈服してしまう。それがキャロンという『女の性』だった。

「あぁぁぁーっ!イ、イくのぉっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、飛んじゃうっ、あぁっ!あ、あたしっ、飛んでっちゃうっ!あっ、あぁぁぁーーーーーっ!!」

執拗な突き上げに押しつぶされたあそこが蜜を飛沫かせ、キャロンの身体は快楽の鞭で何度も打ち据えられて痺れきってゆく。
やがて下から雷が駆け上がり脳天へ突き抜けたかのような衝撃に縛られた全身をびくびくと痙攣させながら、あられもない嬌声を上げてキャロンは絶頂した。
頭の中の全てが真っ白に消え去り、身体は舞い上がり飛んでいってしまいそうな程の解放感に包まれる。
この瞬間さえあれば、もう何も要らないと思ってしまいそうな多幸感を覚えながら、キャロンは牡の手の内に緊縛され、どこまでも深く深く堕ちていった。



そして…秘め事はまだ終わりはしなかった。
背中から押されたキャロンの身体がゆっくりと石畳の上へ倒れ込む。
幾度も達して力が抜けきった少女の身体はもうマリオの手管のままに動かされるほかなかった。

「あぁっ…」

汗が染み込んで縮んだ革紐が擦れてキャロンの肌に赤い痕跡を残している。
今のキャロンにはその痛みすら甘美な快楽のアクセントに成り果てていた。
マリオはうつ伏せに倒れたまま震えているお尻へと両手を伸ばしていった。
キャロンは倒れたまま、次は何をされてしまうのかという期待と不安の入り混じった表情を浮かべてしまう。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……あうぅっ……ん…っ…あぁ、ああ……」

ぷりっと膨らんだ左右の肉丘を掴むようにそれぞれ手を置き、尻肉の弾力を確かめるように撫でながら揉みしだく。
乳房よりも脂肪の少ない肉が手の動きに合わせてぐにぐにと歪み、キャロンの喉から細い喘ぎが漏れる。
お尻の感触と弾力を愉しんだマリオはぐいっと力を入れて両側へ尻肉を押し広げる。
最初からこれが狙いだったのだ。割り開かれたお尻に引っ張られ、少女のアヌスと秘裂がマリオの眼前に晒されてしまう。

「あぁっ…い、いやっ…恥ずかしいっ……そんなとこ、み、見ないで…っ…お、お願い…っ…」

恥ずかしい2つの秘孔を見られてキャロンの顔が紅潮する。
しかし縛られている身ではどんなに恥ずかしくても隠すことが出来ない。
不浄の孔であるアヌスは伝い落ちてくる蜜にすっかり濡れ、尻肉が動くたびにひくひくと蠢いてしまっている。
そして先刻まで貫かれ続けてすっかり充血し、襞も捲れ上がって蜜でどろどろに蕩けてしまっているあそこは凌辱の痕を色濃く残していた。
マリオの親指で襞が更に広げられ、襞の奥のピンク色のひくついた膣口までが晒されて空気に触れる。
キャロンはあまりの恥ずかしさに首を振り、肢を閉じようとする。しかしマリオの身体が足の間にいては叶わぬことだった。

「あぁぁぁ…意地悪…しないで………もう…あ、そ、そこはダメっ…許して、お、お願いっ……そ、そう…ああぁっ…あ、あぁぁぁ……っ…」

キャロンの割り拡げられたお尻へマリオのモノが触れ、アヌスを擽りながら秘唇へとなぞってゆく。
それだけでもキャロンのお尻は悦びに震え、切ない吐息が漏れ出てしまう。
アナルセックスだけは許して欲しいと少女は懇願し、男は望み通りに膣口へ熱い肉茎を押し当てる。
肢を広げさせられ、ぐい、と襞が押し広げられてピンク色の膣口が逸物を咥え込むと接合部から涎のように愛蜜が溢れ出る。
キャロンは最早抵抗をすることはない。むしろ子宮の疼きが挿入を待ち焦がれてしまっているのだ。
指でアナルを擽られながら、熱く滾る肉棒が狭い膣道をぐぐぐ、と突き通り、蕩け煮えた蜜壺を踏み荒らしていった。

「あぁぁぐっ、うっ、あ、あぁっ…あぁぁぁっっ…あぁあぁぁ!きゃ、や、だめぇぇっ!あぅっ、ひゃ、んくぅっ!あぁぁ、はぁっ、あぁんっ!!」

ぐちょ、ぐちゅ、ににゅ、じゅぷ、ぢゅぽ、ぶちゅ、ぴちゅんっ、と注挿のたびに接合部から淫猥な水音が響き、姫鳴りが牢屋の中に充満する。
どろどろに蕩けた蜜壺を逸物に掻き混ぜられてとめどなく溢れる蜜が石畳の床を濡らし、染み込んでゆく。
キャロンは刺し貫かれながら自然に腰を浮かせてしまう。そして身体を走り抜ける官能に切迫した喘ぎ声を上げて縛られた身体をしきりに捩らせる。
ちょうどそれはこの場所で侍女の一人が辱められた時の状況と酷似していた。
当然、キャロンもマリオもその出来事を知るはずがない。
知っているのはただ一人、そう、ここに留まっていた魔王の残留思念だけである。
彼?にはもう意思もない。ただ、この場所での記憶を二人を使って再生しようとしているだけなのである。

「あぁぁっ!んっ、うぁぁぁっ!あぅ、っく、やぁんっ!もうダメ、だめなのっ…あぁーっ!ダメ、お、おかしくなるっ!んくうぅっ!」

縛られたままの背中を震わせ、地面に乳房を擦りつけるように身悶えし、首を振りながらキャロンが喘ぎ叫ぶ。
汗に濡れた身体は土埃にまみれて美しい肌を汚し、革紐が赤い擦り傷をいくつも作っていたが、少女はもう意に介することがなかった。
あそこから迸る快感だけが今の彼女の全てだった。キャロンは侍女の痴態を知らぬまま、侍女以上の痴態を演じ、溺れてゆく。
犯されながら蜜を流して悦び、悦楽を貪る。それは紛れもなく、魔王の求めた蜜奴隷の姿だった。

「あぁぁぁ、も、もうイく…イっちゃうっ、あぁっ、あぁっ、あぅっ、んっく、うぅんっ、き、来てぇっ、あたし、あ、あたしぃっ…」

なんという奇縁であろうか。ラモー・ルーの残した思念は彼が依代とした男を捕らえ、彼が求めた少女を蜜奴隷へと堕としたのだ。
しかしすべてはこの一夜限りの事である。いかに魔王の思念が濃かったとしてもここから復活することは彼女の持つ力がさせないだろう。
マリオの腰を振る獣のような動きが次第に早くなり、キャロンの身体を絶頂へと導いてゆく。
背中から覆いかぶさるようにしてマリオがキャロンの耳元に口を寄せ、耳朶を擽るように息を吹きかけると少女はたまらないといった表情を浮かべて身を震わせる。
少女も男に応えるように自由にならない腰をくねらせ、突き込まれる蕩けた膣奥がモノを押し包んできゅうきゅうと締めつけ射精を促していった。
そして男は少女が絶頂するタイミングまで耐えに耐え、膣奥へ熱い滾りをぶちまけたのだった。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!!」

膣奥に熱い白濁を浴びせられる感触と共に悦びの嬌声をあげ、縛られたままの身を痙攣させてキャロンは絶頂する。
その瞳はすっかり快楽に曇って光を失い、顔は蕩けきって、牡に屈服し、堕落した歓喜に溢れたものであった…


そして…
マリオは地下牢でのことを完全に忘れ去っていた。キャロンは不満を覚えたが説明するのも恥ずかしいので特に言わなかった。
残留思念は満足したのか、浄化されたのか、その後何度訪れても現れることはなかった。
しかしキャロンはその後も残留思念の残る場所がないか、マリオと探し続けることになる。
もう一度、あの時のような事が起きないかと心のどこかで期待しつつ…