こっ、困るのよねえこういうの。
タイミング悪いっていうの?それともいいっていうの?ど、どっちでもまずいんだけどさ。
こ、こんな公衆に開かれたトイレの個室、それも男性用で、こ、こんな事してる男女がいるなんておかしいわけで

だってここは男性トイレであって男性トイレには男性がいるのが自然であって間違っても女性が入るなんて…
あ、いや、世の中一般にそういう例外がないって訳ではなくてそれは充分知ってるのであって、そのつまり
駅とかコンサートホールとか映画館とかのトイレはどう考えても不公平であって。あんなの足りるわけないのに
男女の面積同じっておかしいのであって。どうにも緊急の時に男性用を借りちゃうのは仕方ない事であって。
それは知ってるのよ。あたしだって借りた事あるし。もちろん誰もいないのを確認しての緊急措置であって。

だけど今のこの状況はおかしいって。どこからどう切り取ってもおかしい所しかないって。
学ラン着た陰気そうな男子学生とRPGのコスプレした金髪美女がトイレでこんな激しくセックスに耽ってるって、
設定自体がおかしいとしか言いようがない状況であって。ネッシー見たって言う方がまだ信じてもらえると思われ。
大体ここは男子トイレであって百歩譲って個室でセックスするのはいいとして男女って組み合わせは異常であって。
あ、いや、個室トイレでのセックスは常識的におかしいけど。ここで言いたいはこのトイレ限定の常識の話であって。

ち、違うのよ?あたしが習慣的にこのトイレを覗いてるとかそういうんじゃなくて、まあ覗いてる事実はあるんだけど。
だけどそれは男性の排泄行為を見たいなんてそんな変態的嗜好に基づく衝動的行為とかじゃなくて。
このトイレはいわゆるやおい的な意味でいわゆるハッテン場としてけっこう有名なスポットだからほぼ毎日のように
個室ではいわゆる男同士のそういうアブノーマルな情事が繰り広げられているのであってあたしはそれを趣味とか
そういうのではなくむしろ取材という崇高で職業的な目的のために観察するのが日課であって人に責められるような
事は何ひとつないわけでむしろやおい的には攻めより受けの方が書いてて筆が乗るのいうのもまた事実であって
入稿日が迫ってるから今日中にはネタを固めてしまわないとあたしだけ原稿落としてしまう危機的状況にあるわけで
それでここに来てみたら学ラン男子とRPG美少女の熱いセックスを目撃する事になってしまったわけで。

やおい同人としてはまったく使えないネタだけどあの女の子のあの喘ぎ声を聞いてるだけで収穫はあるというか
設定は明らかにおかしいけどあの子がものすごく感じてるのは見て聞いて充分過ぎるほど伝わってくるのであって
正直に白状するとあたしの下着も帰ったら履き替えたほうがいいかなと迷うくらい今の時点で濡れてるのであって
そもそも何年もやおい同人なんてものを書き続けててハッテン場を覗くのが当たり前になっている我が身の都合上
同性愛というものに対するハードルが低いのは自明の理であってこのアブノーマルな光景を目の当たりにした結果
学ラン男子じゃなくあのRPG美少女の声の方に欲情してるという現実もそれほど破綻しているとは言えないわけで
新しい扉を開く事への抵抗をほとんど感じていないのはむしろ同人作家の鑑だと言われてもいいくらいであって
どう考えてもこの2人がそういう関係であるとは思えないし多分この学ラン男子が脅してこのトイレに連れ込んで
強姦しているというのが現状だろうし今は大いに感じていてもこのままいい仲になるなんてのはちょっと考えにくいし
なら偶然を装っていつも持ち歩いているこの簡易カメラで今の状況を写真に撮って後でこの金髪美女に声をかけて。
ってそれはどう考えても脅迫だけどでもあたしは同姓だからこれと同じ事はできないからそこは大目に見てもらって
あたしの部屋に連れ込んでお茶とお菓子なんか出した後でちょっとそのレズ的なあれやこれやをさせてもらって

少なくともあたしの部屋には狭いけどお風呂だってあるしそんなに無茶なお願いにはならないだろうとか思うし
ああでもせっかくならあたしも自分の家のトイレにこの子を連れ込んで同じように膝に乗せてこんな風にあちこち
触りまくってこんな声をあげさせてみたいという衝動を覚えているのはどうにも否定しがたい事実な訳であって
自分が男でないという事実をこんなにもどかしく感じてしまっている時点でやおい同人作家としては失格なのか
それとも非常に優秀なのかは判断しかねるところだけどこの際どう思われるかとかはあんまり問題じゃなくて

間違っても自分で言う事じゃないけどあたしはメガネ外せばそんなに見た目が悪くないのはわかってる事だし
あの子が同姓OKでありさえすればそんなに悪質な脅迫とかをしなくても写真一枚だけでもいやひょっとしたら
今のこの状況を見てたよって告げるだけでもさせてくれるんじゃないかとかなり虫のいいことを考えてみたりして
でもこんな学ラン男子にも体を許しちゃうくらいなんだからそれほど楽観的過ぎる展望だとも限らないんじゃないか
という気がしていてあれこれってもしかして張り合ってるというか嫉妬してるんじゃないかとも思ってしまうわけで
ああもうこうなったら拝み倒してでもお金とかを渡してでもあたしの部屋のトイレに連れ込んでセックスしないと
収まりがつかないなんて考えてる自分がいてもしも女同士が不服だと言われたらそういうお店に一緒に行って
女同士のセックスでも男性器の代わりができるグッズとかを一緒に選んだりするのもいいかなとか思ったりして
そこまでやるならもう脅迫めいた事は言わずに普通にナンパした方がいいんじゃないかなと考え直したりして
ネタも拾えてないし多分そんな事をしていたら原稿落としてしまうであろう結末は火を見るよりも明らかだけど
それと引き換えにこの子とトイレでセックスできたとしたらもうその時点でやおいから百合に乗り換えちゃっても
いいんじゃないかと考えてるあたしはやっぱり同人作家としては鑑と呼ばれるべき存在だと思うわけで。

とにかく今はあの子がどこを攻められると感じるのかを事細かに観察しようとあらためて思っているわけで
このセックスが終わるまでは近くをウロウロしている男たちが尿意とかを催さないように祈ってたりするわけで
何でもいいから早く終わってあたしとそのRPG美少女で家のトイレにしけ込ませて欲しいと思ってるわけで…

…やっぱりあたしっておかしい?