かげろうお銀

  (『水戸黄門』より)  

言わずと知れた国民的時代劇の第16部(1986年)〜第28部(2000年)に登場した、伊賀の流れを汲む藤林一門のくノ一・お銀の忍装束。
由美かおる氏が長年に渡って演じ続けた日本の代表的くノ一である彼女。特に入浴シーンは、終盤における印籠シーンと並ぶ「水戸黄門」の
代名詞でした。1995年には彼女が主人公のスピンオフ『水戸黄門外伝かげろう忍法帖』も制作されています。光圀役が石坂浩二氏になった
第29部より「疾風のお絹」なる別キャラに代わったものの、由美氏は続投。他のキャストが総替えだった事を考えると、人気が窺い知れます。

デザイン的にも材質的にも時代劇から大いに逸脱しているその装束は、どっちかと言うと『仮面の忍者赤影』に近いテイスト。しかしその辺は
制作者も演者も完全に割り切っており、時代劇と言えどもフィクション、そしてエンターテイメントなのだという事を、体現し続けたキャラでした。